「『鳥獣戯画』を生で観るべきか…(前編)」のつづきです。
東京国立博物館(トーハク)で「絶賛開催中」の特別展「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」の「出品目録 + 鳥獣戯画鑑賞の手引き」にこんな記載があります。
「明治時代に写された鳥獣戯画の模本を本館で公開中」とあります。
本館2階の「特別1室」で、「鳥獣戯画と高山寺の近代-明治時代の宝物調査と文化財の記録-」という特集陳列が行われておりまして、HPでは
近代における鳥獣戯画という文化財と、高山寺をめぐる状況を、明治5年の壬申検査の記録や、その後に写された模本や写真資料などからたどります。「模写」に加えて「写真」という新たな文化財の記録方法が導入されるようになった最初期の事例をご覧いただきます。
と、小難しく解説されていますが、要は、山崎董詮(やまざき とうせん)という絵師が明治初年に模写した「鳥獣戯画」、溝口禎次郎という方が模写した「明恵上人像(樹上坐禅像)」、
横山松三郎が明治5年(1872)に撮影した貴重な高山寺の写真(重要文化財)なんぞが展示されていました。
この展示の中で注目するべきは、特別展「鳥獣戯画-京都・高山寺の至宝-」では前期・後期に分けて展示されている「鳥獣戯画・甲巻」が、
本特集では、明治に写された極めて精緻な鳥獣戯画の模本の中から、甲巻の全場面を一挙公開します。
なのですよ
しかも、こちらでは写真撮影OK
ということで、数時間も行列に並ばないと観ることができない本物の「鳥獣戯画・甲巻」と違って、こちらは、待ち時間なしで、甲巻の全場面(の模本)を観られるわけです
こちらの笑い転げるカエルがいいなぁ
さらに、かわいいというよりも結構グロな生き物たちが躍動する「丙巻」、
軽妙な筆致が冴えまくる「丁巻」と、
もう、「鳥獣戯画を独り占め」の感覚です
上に載せた「丁巻」の場面は、「甲巻」のこちらの場面のパクリですな、K.I.T
そりゃ本物に勝るものはない でしょうけれど、模本でも相当に楽しめるのもまた事実 だと思います。
鳥獣戯画の本物を観ることができるのかなぁ…
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