「2017年3度目の関西旅行記 #2-5」のつづきです。
「東郷邸」こと「旧鎮守府長官官邸」こと、「舞鶴地方総監部会議所」の内部の探訪記ですが、以下、通称の「東郷邸」の名称を使わせていただきます。
この東郷邸は、呉鎮守府司令長官官舎だった入船山記念館同様、和館と洋館のハイブリッド住宅でした。業務スペースの官邸と私的スペースの公邸を兼ねようとすると、やはりこうした形式が最適だということなのでしょうね。
気分の切り換えにもなるでしょうし。
ところで、こちらは東郷邸内に展示されていたパネルです。
東郷邸は、映画「日本のいちばん長い日(2015)」で、鈴木貫太郎首相の私邸として使われたのだそうな。
平成26年10月14日、松竹映画撮影チーム、俳優:山崎努氏、堤真一氏らが訪れ、同映画の収録支援を行いました。
作品は平成27年8月8日に公開され、鈴木貫太郎首相の私邸での着替えのシーン(和室)、トランプのシーン(書斎)、迫水氏との語らいのシーン(縁側)等がスクリーンに登場しました。
だそうです。
そうかそうか、ここで鈴木首相(山崎努)と迫水書記官長(堤真一)が語らっていたんだなぁ…
ところで、どうして東郷邸が鈴木邸として使われたんでしょ?
鈴木首相は、連合艦隊司令長官、海軍軍令部長を歴任した海軍のエリートなんですが、経歴をみると、呉鎮守府司令長官の経験者です。
それならば、入船山記念館の方が合っていたんじゃなかろうかと思ったりして(下の写真は入船山記念館の和館)
ところで、私、「日本のいちばん長い日」を観たとき、阿南陸軍大臣公邸が高低差が大きくて面白い建物だと思ったのですが、こちらのロケ地は長岡京市の柳谷観音楊谷寺だとか。
それはともかく、東郷邸は、「自宅」として住むにはかなり良質な物件でした。
ステキな庭だし、
サンルーム(かな?)は明るいし、
応接室も寛げそうだし(入船山記念館の洋館部は派手すぎると思う)、
そして、やはり、畳敷きの和室や開放感たっぷりの廊下が気持ちいい (とくにマンション暮らしの私にとってこんな生活環境は憧れです)
ところで、和室二間ぶち抜きで、長いテーブルがセット(掘りごたつ形式)されていました。
東郷邸は現名称「舞鶴地方総監部会議所」ですから、ここで会議が開かれたりしているのかもしれませんな
でも、会議よりも、宴会の方が似合うかも…
でもでも、仮に海上自衛隊の方々がここで宴会を開くにしても、
あちこちに東郷元帥の書が飾られているこの建物の中では、ハメを外すことはできなさそうでもあります
この部屋の掛け軸なんぞ、
天下雖安忘戦必危
(天下安しといえども、戦いを忘るれば必ず危うし)
ですゾ
これじゃ寛げません…
ちなみに、この文は、兵法書「司馬法」の一節で、
国雖大 好戦必亡 天下雖安 忘戦必危
(国大なりといえども、戦いを好めば必ず亡ぶ。天下安しといえども、戦いを忘るれば必ず危し)
は、東郷元帥の後輩、山本五十六元帥の座右の銘でもあったのだとか。
というわけで、東郷邸の見学はここまで。
そうそう、東郷元帥といえば、この戦艦を避けて通れません。
日露戦争時の旗鑑・三笠の模型です。
三笠のことは「#2-7」以降でも書くことになると思います。
こうして東郷邸の見学を終えた私は、再び降りしきる雨の中、次なる目的地へと向かいました。
なぜか裏口から入って、正面から出る、という妙なコースで…。
それにしても、どうして私は裏口から東郷邸の敷地に入ってしまったのだろうか
そうそう、東郷邸は、当日のダイジェストにも書いたとおり、毎月第一日曜日のみの公開である一方、今回の私のように「特別公開」に巡りあえたりしますので、東郷邸を拝見したい と考えたら、まずはHPで公開日をチェックしておきましょう。
つづき:2017/12/12 2017年3度目の関西旅行記 #2-7
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