新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

大魔神のこと

2021-10-22 09:00:02 | 美術館・博物館・アート/映画・演劇

「角川武蔵野ミュージアム探訪記(前編後編)」番外編です。

[後編]で書いたように、ところざわサクラタウンには、大魔神魔神像武神像が鎮座していました。

後ろ姿もなかなか

大魔神といえば、かつての大映映画ヒーローですが、その彼がどうしてここにいるのでしょうか?

台座に貼られた説明板を転記しますと、

大魔神 魔神像
荒ぶる剣が封印を解き ツクヨミが声に覚醒する。
1966年(昭和41年) 大映京都撮影所が、日本初の特撮時代劇として世に送り出した作品。
「大魔神」「大魔神怒る」「大魔神逆襲」のシリーズ三作品が僅か一年の間に製作された。

そして、

大魔神 武神像
日本の地と民に平安をもたらす守護神。
「大魔神」は、日本古来の神話や伝承、巨人伝説などをモチーフに、埴輪「挂甲武人」のイメージを借りて創造された。
55年の時を経て、2021年「妖怪大戦争 ガーディアンズ」で復活を遂げた。

だそうです。
「大魔神」と聞いて佐々木主浩元投手辛うじて思い出す人、「なんのこっちゃ」という人は、Wikipediaでもお読みくだされ。
簡単にいえば、理不尽なことが起こると、それまでは埴輪然とした武神像忿怒の表情に変わり、動き出し、善悪の見境なく暴れまくる、ってヤツ。

かく言う私も「大魔神」映画館で観たことはありませんで、ずいぶん昔にTVで観た程度です
そのときの印象では、大魔神ウルトラマンゴジラみたいに巨大なものではなく、中途半端デカいウルトラマン奈良の大仏様なら、大魔神丈六仏程度の大きさ(身長:1丈6尺≒4.85m)で、でも、それだけに面と向かって睨まれたら 怖い

いったい大魔神の大きさはどんな設定なんだろ? と思ったら、Wikipediaによると、

大魔神の造形は、『ウルトラQ』『ウルトラマン』の怪獣造形を担当した高山良策が手がけている。1作目で高山は京都に出張し、武人埴輪に着想を得て、15尺(4.5メートル)の実物大の魔神、人間を掴むシーンのための実物大の魔神の腕、実物大の脚、人間の入るぬいぐるみ、ラストシーンで崩壊する魔神のミニチュアを製作している。

だそうで、「丈六仏程度の大きさ」という私のイメージはピッタリじゃございませんか
しかも、仏さんの標準よりもちょと小さい「丈五」という奥ゆかしさ
素晴らしいなぁ

   

ところで、大魔神のモチーフになったという国宝「挂甲の武人」は何度も東京国立博物館(トーハク)で拝見しています。

一見して「兜が違うという指摘があろうと思います。
確かに、「挂甲の武人」の兜には頬当てはあるものの、大魔神のような脇立てついていません

しげしげと両者を見比べると、大魔神「挂甲の武人」完コピしたわけではないことが判ります。

例えば、「挂甲の武人」は、左手首に、を射たときにから手首を保護するための道具「鞆(とも)」を装着していますが、大魔神付けていません

「大魔神はを持っていないからは不要」なのか?

「挂甲の武人」は、の入った靫(ゆぎ)という装備を背中に着けているんですが、

大魔神はというと、

大魔神「靫」を装着しています。(魔神像は色の関係で見づらいため武神像の写真を載せましたが、魔神像「靫」を着けています)

まぁ、「挂甲武人のイメージを借りて創造」ですから、あまりに細かいことに突っ込むのはヤボですな

   

で、誰が見てもすぐに判る「大魔神」と「挂甲の武人」との違いに戻りますと、大魔神と同じような脇立て付きの兜をかぶった武人像(高崎市出土)をこれもまたトーハクで観たことがあります。

クリエーターの高山さんは、国宝「挂甲の武人」タイプ頬当てのみの兜だと防御的過ぎる脇立てがあれば、鬼の角のようにも見えて、怒ってる感強まると考えたのでしょうか?
うん、うん、この説、なかなかイイかも…

   

さてさて、冒頭の大魔神といえば、かつての大映映画のヒーローですが、その彼がどうしてここにいるのでしょうか?」という疑問が解けていません。

その答えは、東所沢駅のバス停の横にありました。

往路では気づきませんでしたが、ここにも大魔神(こちらは胸像)がいました

こちらところざわサクラタウン大魔神に比べて、脇立て短くて、お顔むくみ気味?

ところざわサクラタウンの大魔神の方がカッコイイ

それはともかく、こんなことが書かれた説明板がありました。

“大魔神”について
“大魔神”は1966年に大映(現・KADOKAWA)の京都撮影所が世に送り出した特撮時代劇シリーズ三部作のキャラクターです。多くのファンに長年愛され、敬われて来たこの大魔神の巨大な半身像が、所沢を舞台とする映画「妖怪大戦争 ガーディアンズ」の公開を記念し、COOL JAPAN FOREST構想の標榜する「人々のにぎわい」の創出の一環として、東所沢の地に降臨することになりました。

ここに至ってようやく、大映KADOKAWA引き継がれていることを知った私です
まったく疎いというか、なんというか…

と、ここでこの記事を終わらせようと思ったのですが、冒頭に転記した「大魔神 魔神像」の説明板の「荒ぶる剣が封印を解き ツクヨミが声に覚醒する。」のツクヨミ????のままです
記紀に登場するツクヨミのことかと思いますが、大魔神とどう関係しているのか、さっぱり判りません

このことは、のんびり探ることといたしまして、ここはお開きとさせていただきます

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