新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

今年も最初の遠征先は関西 #3-1

2023-02-23 21:37:58 | 旅行記/美術館・博物館・アート

「今年も最初の遠征先は関西 #2-4」のつづきです。

旅行記をサボっている間に、次の福岡遠征あさってに迫っていて、こりゃイカン

というわけで、関西旅行3日目(最終日)のこと。
この日(1月29日)は、「MISIA THE GREAT HOPE」大阪公演最終日だったのですが、私はパスして、京都を観光して、自宅に帰ってきました。
旅程は「ダイジェスト」に書きましたので省略しまして、ホテルで朝食を摂ったのち、新大阪駅からJR京都線に乗って、いざ、京都へ

この日はニッポン放送「三宅裕司のサンデーヒットパラダイス」MISIA特集だというので、車中、radikoで聴いていたら、体感、あっという間に京都駅に到着しました。
まずは荷物をコインロッカーに入れて(一時期のような「コインロッカー難民」になることはなくなった感じ)11:00からの予約をしていた京都市京セラ美術館に向かいました。

ここでちょっとしたアクシデント。
今回、私は京都駅から地下鉄を乗り継いで岡崎公園まで行こうと考えていたのですが(去年1月に体験済みのルート:記事)、かなりぼ~っとしていて、なぜか市バスに乗ってしまいました。
バスでは運良く座れましたが、ギッチギチに混んでいて、乗客の乗り降りに時間がかかるし、ルート自体がクネクネしていて、なかなかなものでした

それでも11時ちょい過ぎ平安神宮大鳥居をくぐって京都市京セラ美術館に到着できました。

この美術館に来るのは12年ぶり4回目
この12年の間に大きく変貌を遂げていました (2020年5月下旬にリニューアルオープンしたらしい)

以前は、道路と同じ高さの1階入口から入館したはずですが、美術館の前が掘り下げられ、サンクンガーデンのような場所に新しい入口が作られていました

   

それはそうと、私お目当ての「 アンディ・ウォーホル・キョウト/ANDY WARHAL KYOTO」の会場、「新館 東山キューブ」ってのは何? どこ?
ロームシアター京都の隣に美術館の別館がありますが、それとは別で、本館の裏手に「東山キューブ」はありました。

この展覧会は、

ウォーホルは、1956年の世界旅行中に初めて来日し、京都を訪れました。本展では、京都とウォーホルの関係に目を向け、そのゆかりを示す貴重なスケッチなどを展示し、若き日のウォーホルの心を捉えた京都の姿に思いを馳せます。アメリカ・ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館の所蔵作品のみで構成される日本初の展覧会であり、約200点+映像15作の展示作品のうち、100点以上が日本初公開作品となる本展に是非ご期待ください。

というのもので、巡回展は無し 
だからこそ行きたかったんだよね

で、珍しいことに、写真撮影可でした ただし、カメラはNGで、スマホはOK
どうしてなんだろね?

さっそく最晩年(1986)の自画像をパチリ…。

迷彩柄がなんか新鮮です。

説明板によると、

ウォーホルは、胆嚢炎の手術後の合併症がもとで早すぎる死を迎える9か月ほど前に、スケールの大きな自画像シリーズに着手している。無表情でこちらを見つめるその顔に、鑑賞者や批評家の多くは、「死を忘れることなかれ(メメント・モリ)の警句を見て取った。どの自画像でもトリミングされた頭部がキャンバスの中心に据えられ、逆立った髪の毛が光輪のごとく描かれている。縦横2m近いモニュメンタルな作品では、漆黒を背景に暗い色調や無彩色が使われ、陰鬱で幽霊のような雰囲気を漂わせている。

とあります。
迷彩柄が使われたこちらの作品(自由の女神)も素敵でした。

へぇ~と驚いたのは、ウォーホル来日したときに貯めこんだコレクションでした。

タイプされた旅程表やら、航空会社の荷物用のタグやら、ホテル備え付けのリーフレット・絵はがき・便箋やら、あちこちのリーフレットやらが、たっぷりと保存されているんです

図録によると、

壮大なコンセプチュアル・アートともいえるウォーホルの「タイム・カプセル」は、画一的ユニットにして自由形式の作品だ。すなわち、610個の段ボール箱にウォーホルが収納した多彩な品々であり、それらはおおむね資料的な側面が強い。1974年のスタジオ移転の際、荷造り目的で考案された「タイム・カプセル」にウォーホルは夢中になり、1987年に本人が亡くなるまで、日々、儀式のように続けられた。各「タイム・カプセル (CT)」には、手紙、写真、出版物、レコード、衣服、食品、薬品、玩具、骨董品、チケットの半券、ウォーホルや他のアーティストによる小作品など、平均して500点以上の品々が収められている。

だとか。
旅行中にgetしたいろいろなモノをコレクションしている我が身にも照らし合わせたのですが、平均500点以上×610箱ですから、比べものになりません

   

この展覧会のメインビジュアルに採用されている作品は、「三つのマリリン」です。

なんとなくお馴染みっぽい作品なのですが、日本初公開なのだそうです。
「いかにもウォーホル」ですし、きっと出版物やTVその他で観たんでしょうねぇ。
なお、作品名のオリジナルは、「Three Marilyns「Marilyn」が複数形になっています

「いかにもウォーホル」といえば、こちらとか、

「ダブル・エルヴィス」なんかもそうですな。

そしてこちらは、シルベスター・スタローンアレサ・フランクリン、そして坂本龍一と、多くの人が知っている方々の肖像です。

一方、ちょっと意外で、ひょえ~と思ったのは、「ハンマーと鎌」シリーズでした。

「ハンマーと鎌」といえば、言わずと知れた赤旗と並ぶ共産党のシンボル。

ハンマーと鎌ウォーホルに政治的な意図があったのかと思いきや、説明板によると、

「ハンマーと鎌」シリーズが制作されたのは、1976年のイタリア旅行の後である。旅行中、公共の場で目にする落書きといえば、旧ソビエト連邦の国旗に取り入れられたこのシンボルだった。共産主義体制下で、ハンマーと鎌は、工場労働者と農民の団結を意味していた。第二次世界大戦後、民主主義国となったイタリアの街で見られたこのシンボルの落書きは、政治的というよりポップなものとしてウォーホルの目に映ったようだ。アメリカに帰国後、ウォーホルはアシスタントのロニー・カトロンに頼んで、このシンボルの写真を探し始める。本や雑誌に載っていた写真はどれも、ソ連の国旗にあったような平板なシルエットで、ウォーホルが求めるイメージではなかった。カトロンは、近所の雑貨屋で似たようなハンマーと鎌を購入し、それらをさまざまに配置して写真に収めた。ウォーホルは、カトロンの写真を使って、この絵画シリーズを制作したのである。

ですって

僕のことを知りたければ表面だけ見ればいい
裏側には何もないから

と語ったウォホールですものねぇ。
でも、「ハンマーと鎌」ポップかなぁ

   

最後に紹介するのは、縦約3m×横約10mもの超大作「最後の晩餐」です。

ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」をモチーフにした作品なんですが、なんでバイク? 「699って何?  「THE BIG C」とは?

 「THE BIG C」「C」「Christ」のことかと思ったら、説明板では

新聞の見出し「ビッグC:がん治療に効く心構え」から取られたもので、ウォーホル自身の死に対する恐怖が示唆されているだけでなく、イエス・キリストに対する遊び心のある呼び名でもあるのだろう。

だとか。
NHK 日曜美術館では「当時「A Cancer」と呼ばれたエイズを意味している」としてましたけど、いろんな見方があるものですな

   

しっかりと展覧会を楽しんで館外に出ると、雪化粧した比叡山が見えました。

この時点で時刻は12:00ちょい前。
15:00ちょい過ぎの座席指定している新幹線までは約3時間あります。さて、どうしよう…

しばし考えた結果、これまで2度にわたって見送った東福寺に行ってみることにしました。
岡崎公園からなら、三条駅から京阪電車乗り換えなしで行けます

というところで「#3-2」に続きます。

つづき:2023/02/24 今年も最初の遠征先は関西 #3-2 

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