新・徒然煙草の咄嗟日記

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岡田監督「サッカー関係者が怒りよるよ」

2011-11-12 14:24:02 | ニュース

この記事のタイトルは、日刊スポーツからの借用です。ついでに日刊スポーツの記事を転載しますと、


岡田監督「サッカー関係者が怒りよるよ」


巨人の清武英利球団代表(61)が11日、文部科学省で記者会見し、来季のコーチ人事をめぐって渡辺恒雄球団会長と対立があることを明らかにした。
オリックス岡田彰布監督(53)も岡田節で巨人の内紛に反応した。秋季キャンプ先の高知で緊急会見のネット速報を球団関係者に印刷してもらい情報収集。「びっくりしたわ。岡崎とか江川さんとか会見の中で名前、出てるんやろ? 大変なことよ」と素直に驚くと、「これ、サッカー関係者が怒りよるよ」と、独特の言い回しで続けた。この日はW杯アジア予選で日本対タジキスタン戦があり、話題が分散することを憂えていた。
[2011年11月12日9時30分 紙面から]


オリックス岡田監督のコメントを丁寧に読み解けば、


11日に行われるサッカーワールドカップアジア予選のタジキスタンvs日本ウズベキスタンvs北朝鮮の結果によっては、日本代表のアジア最終予選進出が決まるというのに、こんな内紛ネタでスポーツ紙の一面を横取りしたら、サッカー関係者に失礼だ


という意味のようです。
いかにも大阪人・岡田監督らしい、良いコメントだと思います。


それにひきかえ、讀賣ヂャイアンツ無粋なことといったらありません
サッカーのワールドカップアジア予選(祝 最終予選進出決定)はともかくとして、プロ野球界でも日本シリーズが開幕しようという矢先に、こんな程度の低い話題を提供するなんて、さすがは12球団一の野暮球団だけのことはあると思っています。


11日の讀賣G・清武球団代表兼GM(自動車メーカーではなく、ゼネラルマネージャー。ただし「部長」ではありません)の会見は、スポニチの記事を引用すると、


岡崎郁ヘッドコーチの留任をはじめすでに来季の全コーチの陣容が固まり、10月20日に渡辺会長の了解も得ていた。その中で、今月9日に同会長から一方的に「ヘッドは江川卓氏とし、交渉も始めている。(就任は)99.9%の確率」と通告されたという。当初了承したはずの人事方針が突然転換されたことで、清武代表はその場で同会長に翻意を求めたが聞き入れられなかった。
そればかりか、4日に同会長が「俺に報告なしに勝手にコーチ人事をいじってる」とした発言に、「(酒に)酔った上で事実に反する発言をすることは経営者として許されない」と糾弾。
会見では「(桃井)オーナー兼代表取締役社長を飛び越えて鶴の一声で覆した。会社の内部統制に大きく反する行為。球団はいったい誰のものなのか。やり方を改めてもらいたいし、正しい道に戻したい
」と切々と訴えた。


というものだとか。


昨日、「午後2時から巨人軍のコンプライアンス上の重大な件で、プロ野球界のルールにかかわることについて清武球団代表が記者会見を開く」というニュースが流れていて、いったいどんな「重大な件」なのだろうと思っていたところ、なんとも肩すかしを食った気分です


非上場企業の100%子会社の内部で、どんな人事が行われたところで、コンプライアンス上の問題にはならないと思うわけで、わざわざ文部科学省の部屋を借りてまでして(文科省は部屋代を請求するんでしょうな)、公開することはなかろうに、と思います。
もっとも、清武氏は、ナベツネの行為を「選手やコーチの基本的人権をないがしろにし、ファンを裏切る暴挙」としていますので、そういうことなら「コンプライアンス上の問題」と言えないことはないかもしれません。


でもねぇ、ナベツネがそういうサイテーの人間であることは、ナベツネとは長い付き合いの清武氏だって昔から重々知っていたはず。
また、東日本大震災のあと、プロ野球の開幕やナイトゲームを巡るすったもんだでは、ナベツネと共に耳を疑う傲慢不遜な発言で世の中のひんしゅくをかった(こちらの記事をご参照方)のは、だれあろう清武氏本人だったのに…。


清武氏が、昨日発表した声明文で、


もし、私と桃井オーナーが書類を持参して報告したことに対し、自分が了承したことを全く忘れておられるということなら、渡辺氏は任に堪えないということにもなりかねません。


と、「もうろくじじいは去れ」と言わんばかりの厳しい物言いをしたからには、ナベツネを引退させるか自分が消えるか乾坤一擲の勝負に出たということなのでしょう。


私もナベツネには一線から消えて欲しいと思っている一人ですけれど、今回の勝負では清武氏に勝ち目はないと思います。
自分同様にナベツネの横暴の被害者で、仲間になってくれると清武氏が信じていたであろう桃井恒和代表取締役オーナー兼社長が、同日開いた記者会見で、


「彼(清武GM)の独断で開いた会見を僕はかばうことはできない」
「極めて残念であると。認識が違う。物の見方で僕はこう認識しているよ、と。今日の彼の独断で開いた会見は、僕はかばうことはできないよ、と彼に伝えました」

「代表取締役の私が知らないところで(会見を)やった。球団の内部統制、コンプライアンスというところではとんでもないこと。処遇については協議をしないといけない」


と発言したそうですから(日刊スポーツの記事はこちら)、孤立無援です。
しかも、清武氏自身が「球団の内部統制、コンプライアンスというところではとんでもないこと」をしたと指摘されているのですから(この部分の桃井氏の見解は妥当だと思う)、清武氏もすねに傷を負っています。
現在の日本で屈指のワル大物に闘いを挑んでしまった清武氏が、今後、どんな人生を歩むことになるのかを想像すると同情を禁じ得ません…


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ところで、日本のプロ野球球団って、なんとも理解しがたい組織になっています。
球団代表がいて、社長がいて、オーナーがいて、さらに親会社社長・会長なんてのもいるし、日本野球機構にはコミッショナーなんてのもいて、その序列が難しい
昔の陸軍省・海軍省と陸軍参謀本部・海軍軍令部との関係以上に意味不明のものになっています。


日本のプロ野球機構の最高意思決定機関はオーナー会議だそうですから、「オーナーが一番偉い」風ですが、日本のプロ野球の場合、各球団のオーナーは親会社から出向した「雇われオーナー」ばかりですから、実質的な権力は球団の親会社のトップが握っていることになるのでしょう。
このあたり、個人が球団を保有することが主流のメジャーリーグから運営組織形態だけを借用した日本のプロ野球のいびつさが浮彫になっているように思えます。


折良く、昨日の日経電子版に「球団買収、マックが13年前に断念した理由」という記事が載っていました。日経の(有料・無料)会員しか読むことができませんが、非常に面白いコラムですので、ご一読をお薦めします

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