新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

アメリカの大統領選挙のこと

2016-11-04 09:14:50 | ニュース

「史上最低」とも「史上最悪」とも揶揄される今回のアメリカ大統領選挙の投票日が迫ってきました。
そこで、アメリカ大統領選挙の仕組みをちょいとおさらいしてみることにします。

最新の調査によれば、

ABCニュースとワシントン・ポスト紙は(11月)1日、本選で投票を予定している有権者1128人を対象とした調査の最新結果を発表した。
それによると、10月27~30日時点の支持率はトランプ氏が46%クリントン氏が45%だった。

だそうで、選挙戦の最終盤に入ってもなお(っつうか、最終盤に入ってから大接戦が続いているようです。
一方で、選挙人の獲得予想だと、こちらの報道によれば、

大統領選は全50州と首都ワシントン特別区に割り振られた選挙人計538人の過半数(270人)を獲得した候補が勝つ。州ごとの世論調査結果を基にした獲得予測では、クリントン氏が選挙人を263人まで積み上げ、過半数まであと7人。トランプ氏は164人にとどまっている。

と、クリントン氏余裕でリードしている由。

日本の総理大臣は、国会議員の互選で選ばれますが、アメリカの大統領は、上に引用した記事にありますように、国民の直接投票で選ばれた選挙人による投票で選出されます。

もうちょっと詳しく書きますと、

有権者が自ら選挙人登録する(日本のように投票所入場券が送られてはこない)
有権者が、「大統領候補と副大統領候補のペア」への投票を誓約する選挙人団に投票する(一般投票)
各州で最多の得票を得た選挙人団が選挙人に選出される
選挙人の投票によって大統領が選出される

という手順で、これに先立って、二大政党民主党共和党)ほかによる大統領候補選び(予備選挙)が行われます。

で、アメリカ大統領選挙キモは、「各州で最多の得票を得た選挙人団が選挙人に選出される」です。
一部の州の例外はあるようですが、基本的に、各州の投票で、1票でも多い得票を得た選挙人団が、丸ごと選挙人に選出されます(いわゆる勝者総取り方式)。
そして、州毎の選挙人団の人数は、Wikipedia

各州から選出される選挙人の数は、その州の上院と下院の議員数に等しい人数(合計535人)と決められている。上院議員は各州から2名ずつ、下院議員は州の人口に基づいて決められる。人口は10年毎に行われる国勢調査のデータを使用する。カリフォルニア州から選出される下院議員が最多の53名であることから、選挙人の人数も最も多く55人となる。アラスカ州など下院議員の選出数の最も少ない州は3人の選挙人を選出することとなる。首都ワシントンD.C.は上下両院に議席を持たないが、最も少ない州と同じ3名の選挙人が選出される。

とあるように州によって異なりますので、例えば、A候補カリフォルニア州1票でも多く獲得すれば55人の選挙人を獲得し、B候補ワシントンD.C.99%の得票率で勝っても3人の選挙人しか獲得できないことになります。勝者総取り方式

この方式が公平か不公平か二つの点で、考えてしまいますな

まず、「一票の重さ」という点では、各州の選挙人数は、選挙人定数の535人のうち435人口比例で決められるアメリカの下院(United States House of Representatives)の議員(Congressmen, Congresswomen)定数に基づいていますから、州毎の人口比と大きな乖離はなさそうです。

一方、「勝者総取り方式」は、これはアメリカ国としてのあり方に由来するものだと思っています。(右の写真は、約30年前にアメリカの連邦議会前で撮ってもらったもの)

日本では「アメリカ合衆国」と表記しますが、英語名(=公式名)は「The United States of America」で、直訳すれば、本多勝一さんが主張してきた「アメリカ合国」です。
つまり、一つの国家ともいうべき「州=State」が集まった連邦「The United States of America」なんですな。
そして、「勝者総取り方式」とは、連邦の首長(大統領)選出に、各州の意思を示す意味を持っているわけです。
この考え方は、条約の批准や最高裁判事・高級官僚の指名人事など、日本の参議院とは比べものにならない大きな権限をもつ上院(United States Senate)の各州の定員が、「一票」の格差を完全無視した一律2名になっていることにも現れています。

「合衆国」の理念「合州国」の理念との折り合った結果アメリカ大統領選挙の仕組みのような気がします。

そうそう、もう一つ疑問がありました

それは、一般投票で選ばれた選挙人が、誓約と違う「大統領候補と副大統領候補のペア」に投票したりしないのだろうか? ということ。

Wikipediaにその答えがありました。

選挙人が誓約を違えて別の候補に投票することは、連邦法上は自由であり、1948年から2004年まで9人が確認されている。しかし、2012年大統領選挙までに、そのような誓約違反投票が選挙結果に影響を及ぼした事例はない。右図に示す州の州法では誓約どおりの投票を義務としており、誓約違反投票に対しては罰金が科される場合もあるが、そのうち大半の州では投票自体は有効とされる。ミシガン州・ノースカロライナ州・ユタ州の州法では、誓約に反して投じられた票は無効とされ、その票を投じた選挙人は別の者と交代させられる。

だそうです。

次期アメリカ大統領が事実上決定する「一般投票」来週火曜日(11月8日)
どんな結果が待っているのでしょうか

先日聴いたラジオでは、どんな大統領が選ばれておかしな政策を打ち出しても、強い三権分立が特徴のアメリカでは、議会立ちはだかるので、それほど変なことにはならない、と解説されていました。
そうあって欲しい、っつうか、それ以前に、おかしな大統領選出されないことを願っています。

【追記】まさかの結果でした。おかしな大統領D.トランプ)が選ばれてしまいました
これから4年ないし8年の間に、世界はどうなってしまうんだろ…
この結果を見て思うのは、アメリカのメディア大衆との乖離の大きさと、いかにヒラリー・クリントン嫌われていたかということ。
判らないものですな、ホント… (2016/11/09 20:56)

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