「近所で国際芸術祭 (その1)」のつづきです。
さる9月25日、開幕したばかりの「さいたまトリエンナーレ2016」の「武蔵浦和駅~中浦和駅周辺」会場に出かけた私、
そのときは「さいたまビジネスマン」の存在しか知らなくて、その近くにある「旧部長公舎」という妙な名前のエリア(「その1」で書いた鈴木桃子「アンタイトルド・ドローイング・プロジェクト」が行われているエリア)のことはまったく予備知識がありませんでした。
JR(新幹線と埼京線)の高架沿いにある「花と緑の散歩道」から案内看板に従ってR17方面に向かって坂道をちょっと登ると、その「旧部長公舎」があります。
かつては「モダン」と言われたであろう4棟の戸建て住宅からなるこの「旧部長公舎」は、国から埼玉県に出向した幹部職員用の官舎だったそうで、使われなくなって久しいのだとか。
ちょっと話は逸れますが、Wikipediaによれば「主に台地上は関東大震災後に浦和画家を代表とする文化人や官僚・医師の移住が進み、現在でも高所得層の居住率が高く、閑静な高級住宅地として知られている」地に立つ、6LDK(だったと思う)の戸建てが、築45年とはいえ、空き家のままでいるなんて、もったいない話…
ちなみに、元厚生労働事務次官とその奥様が殺害された事件の現場はこのすぐ近くです。
それはさておき、この「旧部長公舎」のうち、髙田安規子+政子さんの「土地の記憶を追って」が展示されている「旧部長公舎8号棟」(上に載せたマップでは「j-4」)のキッチンは、スタンプラリーのポイントになっているほか、グッズの販売コーナーがあって、そこで商品を手にとっていますと、妙な冊子を目にしました。
「さいたまBハニワ研究ノート」と題するこの冊子、表紙には犀の埴輪
中を見ると、さいたまBから出土したという、埴輪好きの私がよだれを垂らしそうになる魅惑的な埴輪の数々が載っています
値段は500円と手頃ですんで、公式ガイドブックと併せて購入しました
この犀の埴輪「犀形埴輪」(そのまんま)は、2014年にさいたまBの別所沼古墳から発掘された破片から復元されたもので、埴輪研究家の川埜龍三さんによれば、
特徴的な角などの部位と装飾品の玉などから、「さいたまB」の名称由来が動物のサイであることが判明しました。
だとか
実寸大で復元された「犀形埴輪」は、「さいたまBハニワ研究ノート」に載っている他の埴輪ともども、「さいたまトリエンナーレ2016」の「岩槻駅周辺」会場で展示されていることを知った私は、去る11月4日、岩槻に出かけて現物を拝見してきました
初めて降り立った岩槻駅から無料シャトルバスに乗り換えて約15分、会場の旧民俗文化センターに到着しました。
他の展示にも目もくれず、まず向かったのは、「犀形埴輪」が展示されている川埜龍三「犀の角がもう少し長ければ歴史は変わっていただろう」の部屋
そして、「犀形埴輪」の現物、、、
大きい… そしてカッコイイ
お尻もかわいい。
また、「犀引く埴輪」(左)と「犀引かない埴輪」(右)もイイなぁ
できることなら「犀形埴輪」をお持ち帰りしたいところですが、いかんせんデカ過ぎます
一緒に展示されていた1/10模型で我慢しておきましょうか…
また、さいたまB 見沼区の蓮沼公園から出土したという「UFO形埴輪」もなかなかです。
それはそうと、日本に犀がいたのか? とか、UFOの埴輪なんて観たことがない! とか、「さいたまB」の「B」とは何? と、いくつもの疑問がわいてきますよねぇ。
その辺りのお話は「その3」で書きます。