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新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

たかが0.07秒、されど0.07秒

2010-12-10 07:42:30 | ニュース

先月末、東芝がASEAN市場向けの液晶テレビを発表しました。地域密着型モデルと3D対応の高付加価値モデルの二つのシリーズで、来年度にはASEAN地域6カ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)で市場シェア20%を目指すのだとか。

私が注目したのは、地域密着型モデルの「Power TV(パワーテレビ)シリーズ」の一つ、「PC1」で、その特徴は、リリースから引用しますと、


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今回、当社はアセアン地域の特性に配慮した商品「Power TV(パワーテレビ)シリーズ」として、電波の受信感度の弱い地域(弱電界地域)に対応し、バッテリー搭載により電力供給が不安定な地域でも安定的な視聴が可能な「PC1」を発売します。「PC1」は、民生用液晶テレビとして、世界で初めてバッテリーを搭載した商品です。RFブースターを内蔵することで放送番組を常に快適に受信することができ、不意の停電時にもバッテリーからの電源供給に切り替えることで最大2時間の視聴が可能です。


だそうです。
電波が弱くても大丈夫、停電になっても大丈夫と、なんともたくましいTVです。
日本ではバッテリー駆動の据置TVなんて、需要は皆無でしょうけれど、電力事情の良くない新興国・低開発国ではニーズがあるのでしょう。


   


そんな「先進国」の日本で、一昨日の早朝、中部電力ちょっとした事故を起こしてしまいました(激しくそっけないリリースはこちら)。
asahi.comの記事によりますと、


電圧の瞬間低下は8日午前5時20分ごろに発生した。三重県北部から愛知県西部、岐阜県西部の一帯で約0.07秒間、電圧が最大で半分程度に下がった。中部電によると、四日市火力発電所の変電設備の不具合が原因という。


という事故です。
たかが0.07秒」、「されど0.07秒」でして、その影響はデカイ
四日市周辺の大工場の操業が止まってしまい、コスモ石油四日市製油所なんぞは、通常操業に戻れるのは来週になるのだとか。
日経によると、この事故の影響を受けた企業としてコスモ石油以外に、東ソートヨタ車体ホンダパナソニック電工なんぞが挙げられていますが、その中に、東芝が入っていました…


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NAND型フラッシュ」と呼ばれる半導体メモリーをフル生産していた東芝の四日市工場では、急激な電圧低下に備えるバックアップ装置を工場内に設けていたものの、今回は電圧が想定を上回って急激に低下。電気が十分に届かなくなり、異常を検知して多くの製造設備が自動停止したのだとか。
そして、きょう10日にはほぼ通常操業へ戻る見通しですが、2011年1~2月の出荷量が当初計画より最大2割減る可能性があるのですと


停電ひとごとではなかった…。


   


ところで、「0.07秒」とはどれほどの時間なのでしょうか?
Wikipedeiaで見てみますと、「映画のフィルムで2コマ弱」、「蚊が羽ばたく回数は40回」、、、
う~む、、、、結構長い時間と言えないこともありませんな…。


このニュースを聞いて感じたのは、日本の産業って、繊細・精密・高精度な環境で動いているのだということ。「もろい」とも言える一方で、感心もしてしまいます。


でもでも、東芝にしてもコスモ石油にしても、電源のバックアップが機能しなかったってどういうこと?
どんな瞬間停電でも対応できるようにコストをかけてもっと高度なバックアップシステムにするか、頻度の低いリスクとして放置するか、判断のしどころであります。

コメント (2)
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