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欧州はAT1債、日本ではハイブリッド債券インカムファンドショック

2023-04-01 | 今日の東京市場

欧州ではAT1債ショックがなかなか収まりません。

実は日本でも同様のショックが起きています。それは、ハイブリッド債ファンドショックです。

マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンドの価格が大きく下落しています。

ファンドの下落要因は楽天グループハイブリッド債が大きく売られていることです。

このファンドは安全性の高いファンドですが、楽天グループ債の下落がファンドの価値

を大きく引き下げています。1年のトータルリターンはマイナス9.25%、設定来ではマイナス5.55%です。

楽天グループの債券価格の下落の要因は悪い財務内容。同社の資金の調達コストは上昇しています。2022年11月に起債された2年ドル債クーポンは10.25%、2023年2月に起債された2年22回債のクーポンが3.3%です。米国2年国債が4%、日本2年国債はマイナス金利。

 

会社がもし破綻するとハイブリッド債は劣後債なので、CSのAT1債同様に手元に1円も戻って来ない可能性があります。

幸いにも楽天銀行がIPOを決め、この上場で1,000億円ほど資金調達が可能です。

しかし、債券の償還バランスを考慮すると力不足。

 

マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンドに投資されている方は、楽天グループの株価をチェックするようにしましょう。株価の急落がカラータイマーです。

 

他のハイブリッド債への影響はいまのところありません。

 

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債券お勉4回目

2023-04-01 | 今日の東京市場

 

・債券勉強4

〇利回りについて

今回は単利と複利について解説します。

まず、知っていただきたいことは、日本の債券は利回り、米国債は価格で取引されます。

 

・単利の計算式

単利はまず債券価格と償還価格の差額を残存年数で割り、1年分のクーポンを加算します。

その金額を債券価格で割り利回りを求めます。

(実務上では利回りで取引するので価格をX、利回りに取引利回りを使い算出します)

 

①クーポン+(100-債券価格)÷償還までの年限=1年当たりの受取り金額

②①÷投資価格

 

クーポン1%、償還まで10年、債券価格が100.50の場合

①1+(100-100.50))÷10=0.95

②0.95÷100.50=0.945%

 

・複利の計算

複利期間は、3カ月複利、6カ月複利、1年複利など様々です。一般的には、米国債のクーポンは半年に1回なので6カ月複利、欧州は年1回なので1年複利を用いることが多いです。日本の債券も年2払いなので複利の場合は半年複利を用います。

 

複利の算出については 金融大学講座に詳しくでていますので参考にして下さい。

債券取引入門講座 第9回 単利と複利 (findai.com)

 

複利の問題点は、利回りに対し価格が1本にならないことです。米国債は価格で取引されているので受け渡し金額等の算出時に問題が発生しません。

日本国債は利回りで取引されているので、複利計算の場合と債券価格が一定幅で存在してしまいます。そのため、円債は単利で取引されています。

 

SWAP金利や米国債や欧州債との利回り比較する場合、円債を複利で用い分析します。

 

〇単利は現実的、複利はアカデミック

日本は債券を利回りで取引するので単利

米国は価格取引なのでアカデミックな複利

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