欧州ではAT1債ショックがなかなか収まりません。
実は日本でも同様のショックが起きています。それは、ハイブリッド債ファンドショックです。
マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンドの価格が大きく下落しています。
ファンドの下落要因は楽天グループハイブリッド債が大きく売られていることです。
このファンドは安全性の高いファンドですが、楽天グループ債の下落がファンドの価値
を大きく引き下げています。1年のトータルリターンはマイナス9.25%、設定来ではマイナス5.55%です。
楽天グループの債券価格の下落の要因は悪い財務内容。同社の資金の調達コストは上昇しています。2022年11月に起債された2年ドル債クーポンは10.25%、2023年2月に起債された2年22回債のクーポンが3.3%です。米国2年国債が4%、日本2年国債はマイナス金利。
会社がもし破綻するとハイブリッド債は劣後債なので、CSのAT1債同様に手元に1円も戻って来ない可能性があります。
幸いにも楽天銀行がIPOを決め、この上場で1,000億円ほど資金調達が可能です。
しかし、債券の償還バランスを考慮すると力不足。
マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンドに投資されている方は、楽天グループの株価をチェックするようにしましょう。株価の急落がカラータイマーです。
他のハイブリッド債への影響はいまのところありません。