映画「華麗なる一族」「白い巨塔」

今週はＮＨＫ・ＢＳ２で山本薩夫監督作品の映画を毎日、放送している。
昨日、帰宅すると映画「華麗なる一族」（１９７４年）が丁度、始まったばかりであった。
２００分を超えるたいへんな作品であるが、０時半頃まで時間の長さを感じることなく一気に見る。
この山崎豊子の原作は最近キムタクの主演でテレビドラマ化されたが私は見ていない。
仲代達也の役をキムタクが演じたらしい。
銀行の合併を中心にした金融界の裏幕を暴く凄まじい人間ドラマ。頭取役の佐分利信が圧巻だった。テレビでは誰が演じたのだろうか？テレビドラマに関して全く知らないので娘にバカにされる。

そして今日の朝は一昨日、放送された映画「白い巨塔」（１９６６年）の録画を見る。
こちらも、昨晩と同様、時間の長さなど全く感じることなくテレビの画面に釘付けになる。
製作当時、日本映画界は斜陽の時期を迎えていて、多くの名作をこの世に出し、この映画を製作した大映も数年後に倒産してしまう。「白い巨塔」は大映の最後の底力を見せた大作だと思うと感概無量の気持ちになる。
田宮二郎扮する医大助教授役も見事だが、脇を固める男性俳優陣の丁々発止の演技のぶつかり合いは見応えがあった。
当時の演劇界の重鎮だった滝沢修、小沢栄太郎、東野英治郎の登場には、この映画に厚みをもたらし、また映画の持つ贅沢さを強く感じさせるものがあった。

私が山本薩夫監督作品の中で一番見たかった作品「真空地帯」（１９５２年）の放送が国会中継で流れてしまい、残念でたまらない。また「戦争と人間」三部作もぜひとも放送して欲しいものである。