水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

足らないユーモア短編集 (90)運動

2022年09月22日 00時00分00秒 | #小説

 運動が足らないと、人は支障(ししょう)を来たす。とくに年老いてからは尚更(なおさら)だ。私なんか最近、頓(とみ)にそのことを思い知らされている一人である。と、いうことで、でもないが、今日は運動が足らないとどうなるか? を描いたお話である。^^
 とある競技場である。柔道のとあるアスリートが大会に向けた練習[オリンピックではありません^^]をしている。世界的に流行した感染騒ぎもようやく終息し、世界大会は盛り上がりの気配を見せている。
「そうそう! なんだ、やれば出来るじゃないかっ!!」
 強化コーチが乱取り中の選手に大きな掛け声をかける。選手は一端、動作を止め、笑顔でコーチにお辞儀する。
「有難うございますっ! しかし、どうしてなんですかねっ!? あれだけ出来なかったのに…」
「ははは…そりゃ~簡単だよっ! 騒ぎが終息したからさっ! 運動も心が集中できる環境だなっ!」
「なるほどっ! それで、ですかっ!?」
「ああ、それで、さっ!」
 乱取りの後輩は、分かりきってるじゃないかっ! 早くしてくれっ! …とは思ったが、そうとも言えず、黙って二人の話を汗を拭きながら聞いていた。
 運動は心が集中できれば、実力を発揮できるようである。^^

                   完


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