水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

足らないユーモア短編集 (76)目論見(もくろみ)

2022年09月08日 00時00分00秒 | #小説

 先々の目論見(もくろみ)が甘く、思慮が足らないととんでもない結果を生むことになる。だから上に立つ人の思慮は重大で、誤れば悲しい将来を人々は甘受しなければならない訳だ。例えば今のウイルス対策がそれで、検査やワクチンで病気が終息できますかっ!? という話である。罹患者が○○○で△△増えた、あるいは◇◇減った・・などという小学校の算数授業をやっている場合ではないのである。^^ 一に寛解(かんかい)、二に寛解、三、四がなくて五に寛解・・というくらいの治療法の確立、発明、発見の話だ。^^
 とある国立の生物化学研究所である。
「先生、これでっ!!」
 講師が所長の教授を窺いながら小さく話す。
「だな…。これで、先々のミクロの生物に対するスケアリー[恐れ]はなくなったっ!!」
 目論見どおりの新薬が完成した所長の教授は、ニンマリと、したり顔をする。そこへ、外食から帰ってきた助手が現れなくてもいいのに現れ、ひと言(こと)加える。
「現実はそんな甘かぁ~ないっしょ!! 人類の反省が足らないと、ミクロは許しちゃくれませんよっ!!」
「… …」「… …」
 教授と講師は反論できず、口を閉ざした。
 目論見は足らないで完璧でなければ、功を奏さない訳である。^^

                   完


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