水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

足らないユーモア短編集 (75)道具

2022年09月07日 00時00分00秒 | #小説

 道具が足らないと作業がやり辛(つづ)くなる。そうはいっても、機知に富んだ人はその逆境を知恵で切り抜ける。例えば、その道具を使わなくてもいい別の方法を考えたりする訳だ。別の道具で代用します・・という人は、まあフツゥ~の凡人だろう。^^ 世間にはこの手の人が結構多く、切り抜けられる方法を思いつける人は一握りしかいない。だから、そういう人を世間は大事にしないといけない。いけないとは分かっているのだが、分かる人[道具]が少なく、大事にできないのは困りものだ。^^
 日曜大工[DIY]の物作りに励むこの男、白髪(しらが)は道具が足らず、困りながら切り抜けられる別の方法を考えていた。そうだっ! アレをコレコレすればどうだろう? …と、白髪は考えた。だが、その考えには大きな誤算があった。楽をしようと妥協した黒い考えが落とし穴で、完璧(かんぺき)に間違っていたのである。物作りはご破算となり、あとには時間ロスと散らかったゴミや材料だけが残った。
 必要な道具は作業前にシミュレーションで前もって揃えておいた方が無難だというお話である。揃わず足らないと、1+1が1以下となり、ご破算となる。^^

                   完


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