11月22日(木曜日)(夜の部)
今夜は枚方市のスナック「季遊人(キュート)」で忘年会がある。お誘いの電話が携帯に二日前に入っていたが、気がつくのが遅かったので家を出る前に電話をした。「少し遅れますが参加します」。「待ってま~す!」とママさんの元気な返事が返ってきた。「季遊人」では毎年忘年会をやっている。
店に行くと扉に「本日貸し切り」の張り紙がしてある。中に入ると常連客で満席だ。「こっちに座って」と奥へ招かれた。元同僚で同期入社のN君の隣りだ。テーブルの上には鍋が3つ並んでいる。何鍋かな?「ブリシャブ鍋」だった。
ブリも野菜も美味しいじゃない。食べずに飲めば酔いがよく回るのは経験済みで学習している。せっせと口に運んだ。
皆さん食べながらカラオケに興じる。どなたもそれなりに上手だ。今夜は演歌歌手が来ると言う。誰や?と言うと、壁にポスターが張ってある 「松山ひろし」 の返事が返ってきた。
最近の演歌歌手の情報はまったく知らないので、「松山ひろし」さんは知る由も無い。
8時ごろに男性、女性の二人が入って来た。店内から声と拍手で「松山ひろし」さんの登場と直ぐに分かった。お連れの女性はマネージャーとのこと。本人は写真では若く見えるが、実物はふけて見えた。「松山ひろし」さんは香川県出身のキングレコードの演歌歌手。芸名の松山は四国と言えば「ぼっちゃん」の松山から取ったに違い無い。東日本大震災の被災者の寄り添った歌を聴いていただき、チャリティライブを実施中とのこと。支援活動として1000箇所のライブを打ち出し、季遊人が272箇所目のようだ。これまで2回募金を届け、その金額は100万円とのこと。凄いじゃない。今夜も東日本大震災の募金箱を持って客席を回っていた。約1時間プロの演歌を楽しんだ。
最後の方では、お客さんの要望に応え、女性とデュエットの大サービスだ。
我こそがカラオケ大将の皆さんが多いので、1時間は長過ぎたようだ。「松山ひろし」より俺の方がうまい、早く終わってくれんかとグチルN君。
季遊人のママさんは太っ腹だ。「松山ひろし」さんのCDを大量に買い、お客さんに渡す。私も1枚いただいた。CD購入が彼の一番の支援かも知れない。
テーブルには鍋が終われば海鮮料理が出てきた。立派な伊勢海老が皿から飛び出し、ニラミを効かせている。N君は「こんな旨いもんは最初に出さんかい。俺は旨いもんは最初に食いたいんじゃ」とママさんにクレームをつける。人それぞれで、旨いもんは最後に食べる人もこれまた多い。
新鮮な伊勢海老の刺身は旨い。サザエのつぼ焼きも久しぶりだ。
刺身を食べた後のエビの頭部は、味噌汁にして出すとマスターは言っている。しばらくすると味噌汁が出てきた。
いい香りが漂っている。味噌汁をすする。 「うめぇ!」
今夜の一番のご馳走だ。10時を過ぎた。幹事のシメの挨拶では、この忘年会も今年で11回と長く続いていて、来年もやりましょうと張り切っていた。明日があるので、今夜は早く帰ろう。俺の方がうまいと言っているN君の歌を聞いて帰ることにした。おはこの北島三郎の 「北の漁場」 を歌う。
彼のもっとうは、演歌は心で歌う。68年を伊達に生きてはいない。味がある。「タクシーが来ました」
彼の歌を聞きながら店を後にした。家に帰るとまだ10時半だった。「随分とお早いお帰りだこと」どこか悪いの?「明日は三条にライブに行くのでね」。
季遊人のママさん、マスターお疲れ様。