OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

1か月単位の変形労働時間制の労働日の振替について

2021-11-14 18:06:08 | 労働基準法

シフト勤務は、コロナ禍休業手当の支払いについてなかなか悩ましいと思う場面がありましたが、現場の働き方として採用している事業場はとても多く、特に労働時間については何とか現在の労働基準法の規定の中で問題のないように組むことをアドバイスするにあたり苦心します。その場合、変形労働時間制を採用することが多いかと思いますが、変形労働時間制は原則の労働時間制の例外規定なので例外を認める以上それなりに規制があると説明します。ただ1カ月単位の変形労働時間制は、事前にカレンダーさえ決めることができればそれほどハードルは高くなく、シフト制であればカレンダーはある程度事前に決まるものであり、慣れてくればオペレーションは何とかなるのではないかと考えています。

1か月単位の労働時間制は、1ヵ月以内の一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて(例えば10時間など)労働できる制度です。平均して1週間当たり法定労働時間40時間の範囲内とするには、1か月の労働時間の総枠を31日の月については177時間8分、30日の月には171時間25分内に収めることが必要です。

1ヵ月単位の変形労働時間制を採用するためには、労使協定又は就業規則等のどちらかで、①1ヵ月以内の変形期間を決め、②変形期間における法定労働時間の総枠の範囲内で、③各日、各週の労働時間を特定することが要件となります。①はだいたいの場合1か月、②は上記総枠内で、ここまでは難しいことではないのですが、問題は③の各日、各週の労働時間の特定で、これはカレンダーを定めることになります。

シフトにおいてはシフト表というカレンダーを定めるわけですから、これを1か月単位の変形労働時間制の要件内で定めればよいわけなのですが、だいたいの場合突然都合が悪くなったバイト君の穴埋めや交代があるので、柔軟な振替えができるかどうかという点が問題になります。

1年単位よりは厳しくはないのですがやはり「各日、各週の労働時間を特定」することが要件であるため以下の通り通達ではまずあまり自由に変更することはできない旨示されています。

1箇月単位の変形労働時間制を採用する場合には、「・・・変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しないものであること」と示されています(平成11年3月31日基発168号抜粋

ちなみに1年単位の変形労働時間制についても同様に「・・・使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度は、これに該当しないものであること。」と示した上でさらに「・・・業務の性質上1日8時間、週40時間を超えて労働させる日又は週の労働時間をあらかじめ定めておくことが困難な業務又は労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更されることが通常行われるような業務については、1年単位の変形労働時間制を適用する余地はない(平成27年3月31日基発0331第14号)とより厳しい表現になっています。

確かに変形労働時間制の中で働くことを考えると、頻繁な労働時間の変更は働く側からするときついことだと思います。ただ、ここまでシフトの働き方が広がっていることを考えると、兼業・副業の推進等の観点からいっても、もう少しシフト制に適用しやすい労働時間制度があると良いなあと思います。

かなり仕事の締め切りに追われて切羽詰まった状況だったのですが、たまに見に行かないと心配だということもあり小淵沢の家に行ってきました。今日は本当にきれいな青空で、今年は行くと大雨であったりで、なかなかできなかった家の周りの散歩が久しぶりにできて、秋を実感することができました。また草が生えまくっていた花壇に冬に強い草を植えてきました。これで来年春の楽しみができました。