4月1日に改正施行された労働契約法と高年齢者雇用安定法についての顧問先企業へのご説明、セミナーと再雇用規程や労使協定の対応などを3月末までに終えて、この10日間は比較的ゆとりある仕事量でした。昨年の晩秋から顧問先企業へご説明に伺ったり、セミナー講師を務めさせていただくことで実際に起こる問題点や事例などこちらも勉強させていただくことが多くありました。
いつも、セミナーの最後にご質問の時間が取れればお受けするのですが、その中に以下のようなものがありました。
目下休職中の社員がいるが、休職期間中に定年年齢に到達することになると思われる。その場合休職中であっても本人が希望するのであれば継続雇用の対象にするべきか?というものでした。私は回答として休職期間中に定年に達した場合、言い回しは各就業規則により異なると思いますが、解雇事由として定められた「心身の故障のため業務に耐えられないと認められる場合」に該当するはずなので、継続雇用の対象外として構わないのではないかと応えました。というのも、改正高年法のQ&Aで、就業規則に定める退職及び解雇事由に該当する場合を再雇用しない事由として定めることができるとあるからです。
ところが「ケースバイケースなんでしょうか?」と言われた質問者の方が話されるには、労働局に問い合わせたところ「休職期間満了までは定年年齢を超えて継続雇用して、満了の際に退職してもらうように。」との回答であったとのことでした。
確かに、定年到達後わずかな期間で復職できるというような状況であれば考えられなくもないと思いますが、休職期間中であるからと言って定年に達した時継続雇用しなければならないとはおかしな話ではないかと思いました。
先日4/1付の労働新聞を読んでいましたら「休職期間中の労務管理」というテーマで弁護士の先生が同じことを取り上げておられ、高年法のQ&Aの該当だけではなく、きちんと論点を整理してありました。以下一部抜粋です。
休職制度は解雇を猶予するための制度ではあるが、あくまで「傷病によって労務を提供できない」ことを理由とする解雇が、休職期間まで猶予されるという制度であり、それ以外の退職事由や解雇事由の全てを猶予する制度ではないこと、仮に休職期間中に定年退職することがないのであれば、労働者が定年退職の直前になって休職に入ることにより、実質的に定年を延長するような事態になりかねず、そうなれば定年制度自体が意味をなさなくなってしまうであろう。したがって、労働者が休職期間中であるからといって、定年制度が適用されないことはないと考えられる。
この記事を読んで、やはり行政の回答に対しても社労士としての考えをきちんと述べていく必要があるのだと思いました。もちろんそれには勉強をして相手に納得してもらえなければなりません。しかしそれこそ現場に多く接している社会保険労務士としての役割、と考えます。
昨日は、BBクラブの幹事会がありました。ほとんどの幹事が集まってくれて、事務所の会議室でぎゅうぎゅう状態で次回7月の勉強会の内容を打ち合わせました。こうして12年続いてきたわけですけれど、だんだん幹事も「固有名詞が思い出せない」年齢に突入した人もいるらしく、そんなことを嘆いたりしながら楽しく打ち合わせたのち、軽く飲んで解散。BBの会員は勉強意欲が高く、勉強会の参加人数は昨年も減ることがありませんが、立食の懇親会は「椅子がないので疲れる」などの意見が出るようにもなってきているようです。年とともに色々な状況は変わっていくのだろうと思いますが、BBはその変化も楽しみながら細く・長く続けていくことがとても楽しみです。20周年記念の際も、元気にピンとしていられるように私も頑張ります。