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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

小さな会社の退職金制度

2021-07-04 23:06:11 | 退職金

退職金制度を導入したい、退職金制度を見直したいというご相談が時々あります。100人未満の企業であると退職金の状況はどのようであるか調べてみました。

まず退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は77.6%、うち退職一時金制度のみが82.1%で、大半は一時金であり退職年金制度(確定給付企業年金・確定拠出企業年金など)や一時金・年金併用あわせて約18%となっています。(平成30年就労条件総合調査より)。

退職一時金制度の支払い準備形態としては、社内準備が49.8%、中小企業退職金共済制度が50.8%となっています(同調査)。

受給に必要な最低勤続年数は自己都合の場合56.2%(会社都合が42.2%)が3年以上4年未満ということで、3年以上勤務で初めて退職金を受給できる制度になっていることが多いようです(同調査)。

肝心の退職金の金額ですが、東京都産業労働局の中小企業(10人~299人)令和2年度の調査計モデル大卒で勤続年数33年で自己都合の場合8,359,000円(会社都合9,153,000円)ですが医療福祉のモデルの同じ条件では4,238,000円(会社都合4,238,000円)となっており、やはり中小企業の場合500万円弱から800万円程度の金額で設計していくのが適切なのかなと考えます。ちなみに平成30年就労条件総合調査によると定年の場合19,830,000円ということで、大企業を含めると額に差があります。

退職金の算定方式は主に3つあり、①定額制、②支給率方式、③ポイント制ということになり、成果を退職金に反映するとすればポイント制ではありますが、等級制度など人事制度がある程度整備されていないと導入が難しいと考えます。中小企業退職金制度に加入している企業が多いことを考えると、勤続年数や個人の成績を掛金に反映していく方法が考えられると思います。

また100人未満の起業であると確定拠出年金の企業型の導入は手間等の点で難しいということですが、個人型確定拠出年金(iDeCo)で企業が個人の拠出に上乗せする方法がありますので、退職金ではないですが、将来の年金の補完として検討することは良いと思います。

東京都産業労働局
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/toukei/koyou/chingin/r2/index.html

雨の中、今日は選挙があったので行ってきました。投票率は低いといわれていましたが、かなり多くの人が会場に来ている印象でした。開票も即日ということでほぼ今の時間帯には結果は出ていますが、やはり選挙は厳しいですね。渋谷支部でお世話になっているお二人の候補は落選となりました。この1年半新年会等もなく社労士会に来ていただく機会がなかったのでそれを考えると選挙活動も難しかったのではないかと思います。これにめげず政治活動を頑張って頂ければと思います。