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声の交差点   虐待死・他人事と思えない

声の交差点

虐待死・他人事と思えない

藤田 滋81歳

(仙台市太白区・無職)

我が家の車庫に5月上旬ツバメが営巣した。しばらくすると可愛い雛の鳴き声が聞こえてきた。

2羽の親ツバメは朝から晩までせっせと餌を運ぶ。

 そんな中、妻や近所の奥様方は『カラスが来なければいいけれど』『餌の虫も今は少ないから』と気をもんだ。

 そんな中、東京都目黒区で、5歳の女児が両親の虐待を受けて死亡したという報道があった。

目黒区には、亡くなった女児と同じ年代の私の双子のひ孫も住んでおり、他人事とは思えなかった。

孫娘夫婦は共働きのため、子どもが病気になれば早退したり、神奈川県で暮らす両親に助けを求めたりする。時には愚痴も漏らす。

厳しい社会環境や、経済状況での子育ては、ある意味で闘いであり愛情だけでは成り立つまい。忍耐と努力も必要だ。

親ツバメは本能的にその実践者なのだ。

雛は親が戻ると一斉に首を伸ばして餌をせがむ。

 食欲は動物が生きる根本である。

食事も満足に与えられず、日々の虐待に耐え、「ゆるして」と文字に託した悲痛な叫び。胸が張り裂けそうだ。

幼児も雛も頼りにする親から見放されれば、死を待つのみだ。

傍観は許されまい。

私は8年間、小学校防犯ボランテイアを続けている。登校する子供たちが無事に育ち、卒業することを願いながら、毎朝交差点に立っている。

 

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