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安倍晋三の逃亡・その八・党内には最後に相談する相手はいなかった

その八・安倍晋三の逃亡

党内に最後に頼れるものはいなかった。

 テロ特措法延長にかける安倍の意気込みは本物であった。直前のAPECでブッシュ米大統領と会い、臨時国会の所信表明演説でも、インド洋での自衛隊艦船による給油継続を誓った。

 テロ対策での国際貢献を『職を賭す』とまで宣言して遂行しようとしていたことは事実であるだが残念なことにその意気込みが実現することは無かった。この日安倍は心身ともに折れてしまった。

 初出馬直前、母洋子と一緒に、若くして自民党の幹事長を務めた小沢一郎の元を訪ねていた。政治の「イロハ」を学ばせるつもりで当時の政界最強実力者に、『あいさつ』のために訪れた。

 父晋太郎の無念を知る小沢はこの母子に優しく接する。そして何かあったら遠慮なく訪ねてくること。その時は力になろうと約束したのである。

元清話会議員が続ける。

「かわいそうに、結局晋三さんが最後に頼る人物は自民党内にはいなかったんだ。頼ったのが、皮肉なことに野党の小沢だとはね」辞任直前、安倍は小沢との党首会談を熱望した。

  一体、何のためにそこまで『あいさつ』したかったのか、元議員が証言した。「もし仮に小沢との面会が叶ったら、晋三さんはみずからのクビとひきかに、テロ特措法を通すように頭を下げるつもりだったんだ・・・」

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(永人所感)小沢は、国連での決議に依る国際軍事貢献には参加するものの、米国が世界の警察気取りで、自国が勝手に決めた軍事進攻には参加しない意志が強かった。

 それが日本としての正当な立場であると宣言し、特措法の燃料補給も反対の立場を貫いていたため、これの延長はとても認められるものではなかった。

 本来ならば安倍晋三にもそのことを踏襲してほしかったはずで、以前に「何かあったら力を貸す」と言ったのは事実でも、憲法9条の遵守の大義から、信念を曲げて安倍に特措法延長で力を貸すという訳にはいかなかったはずだ。

 したがって安倍晋三と母の洋子が会いたいと言っても、事が事だけに小沢は会わない方がいいと思ったに違い。小沢は安倍晋三が「クビをかけても特措法の延長を」と願っても

国と国民の行く末の方安倍のクビよりも数千万倍大事なことはわかっていたということで、安倍に会わなかった小沢を薄情というのは筋違いなのである。 続く

 

 

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