過度の欧州懸念が弱くなり、市場は戻りのモードとなっている。株価や豪ドルなどが戻っており、リスクオンの相場である。VIXも下げており、その他ゴールドシルバーレシオ、ゴールドプラチナレシオなども下げ気味で、典型的な戻り相場だ。
問題はこの相場の持続性ということになる。数ヶ月は大丈夫、そして、これで景気の大底は過ぎたというひじょうに楽観的な見方から、いつ、暗転してまたユーロ売りになるかわからないという悲観派までいろいろな意見がある模様で、なかなか判断がつきにくい。
いろいろな数値が景気回復方向に戻している中で、TEDスプレッドの戻りが遅いのに注目される。米国債は売られておりスプレッドの片側は狭くなる方向であるのに全体の戻りが遅いのは、銀行への信頼がまだ回復していないためだろう。市場におけるドルの調達への懸念があるということであり、突然の暗転が起こりうる下地がある。実際に米国投資銀行の一角に大きな問題があるという噂がしきりと流れているのも気になるところだ。
この戻りの期間の持続性にはまだ疑問符がつくというのが私の考え方だ。ただ、前から書いているように、今回の危機は、欧州もさることながら、米国の危機というのが本丸であると思う。したがって、次の危機が、ドル高かドル安か、あるいはドル高後ドル安か、についてはよくわからない点が多い。中長期的には円がらみのトレード(円買い)の方が安心ではないだろうか。
金については、ダウゴールドレシオが7の手前で保合いに入った模様で、しばらくはもみ合いの価格となるだろう。株価が大きく下落すれば、つられてまだ下げる地合であると考える。金がもし今後飛躍的に上昇するとするならば、それは米国におけるトリプル安が起きる時であり、それまでにはいましばらくの時間が必要であると思う。
なお、短期トレードとしては、今日あたりの76円ハイで豪ドル円を売ってみた。
| Trackback ( )
|
ショートからすこしずつよいうのはリスクが高いとお考えでしょうか?
常識的短期トレードならショートから入るのがよいと思います。ただ臨機応変ということですね。
ボラティリティが高い相場が続くはずです。
まだ戻すかも、と思うと売り場を逃したり、思ってるより高いところまでもどってきたり、タイミングって難しいですね。
ただ、これで米欧ともに危機が去ってるはずがない、それだけは確信してますが、あすをもしれない金融機関に限って超楽観見通しなのには肝っ玉の太さに感心させられます。
最近の為替相場を見ていると、例えば昨日は
スロバキアの否認に合わせて、次回ギリシャ融資の報道が流れるなど、「ユーロは大丈夫なんです!」という作為的な誘導で上昇している気がします。
上の方もおっしゃってますが、誰が買っているのかと疑問に思っちゃうような投機筋の無茶買い?だと思うのですが、
こういった場合、いずれは破綻・・というか、具体的にはユーロ/ドルが1.30割れなど、雪崩が起きるものなのでしょうか?
やまはさんは、ユーロはあまりトレードなさらないとのことで、ブログでも既に判断がつきにくい状況と述べられてはいますが、私が不安なので聞いてみました(笑
すいません、変なこと言って。
更新楽しみしてます、がんばってください。
為替トレードは時々の波に乗るのが肝要なのですが、なかなか難しいです。
ゆ。さん
一度上がり始めるとプログラム売買が加速するので異常な上がり方になりますね。ただプログラムもフィボナッチリトレースメントなどは見ているようですので、1.4を超えることは当面考えにくいでしょう。
ユーロドルですが、ユーロの価格と考えると誤ります。ドルインデクスの一種だと思えば、上がり下がりは当然です。当然、この後さらに危機が悪化すると、ドル買いが再度起こって、ユーロドルは下落します。ただ、その危機が、欧州か、米国か、あるいはそれ以外の何かか、はまだわかりません。
ありがとうございました。
現状はマネーの置き場に困った人がニュースに一喜一憂して短期でリスクオンオフを結構な規模で繰り返しているというイメージを持っています。ファンド勢はかなり傷んでいるとの話も聞きますから、大勝負を打っているのかもしれません。
ちなみにリーマンのときも昨年5月も20%以上下げてますから、1.3割れもありえないことはないと思います。
まったくあれだけ悲観的だったのが一転して買うというのは面白いです。昨日売った豪ドルもすぐに買い戻した一部以外はストップになってしまいました。
次の下げでは、ユーロドルやクロス円すべて、前回の安値を割れるでしょうね。
クロス円が上がるので、それにひっぱられてドル円も上がるというタイプの上げだと思います。あまり持続性がないことが多いのですが、今回はどうでしょうか。