大きな商品下落ショックの後の週であったが、全体としては小動きと言えた。ただ、欧州は国ごとにマイナス材料が噴出しており、月曜日からもユーロの下げ圧力が強くなりそうだ。P&Fチャートでは、米国10年債利回りが下方ブレークしているのが目に付く。まだまだ米国債が安全資産として買われる傾向が強い。金・銀が下げ圧力があることもあって、米国債が買われるというのは、裏のシナリオ通りなのかもしれないが、チャート的には、米国債強し、だ。あと、GSRやGPRは上げそうだ。また、CRB指数は下方ブレーク。金・銀は一時的リバウンドはあっても、まだしばらくは厳しい状況だと思う。特に、銀は戻り売り圧力が大きいと見ている。
為替的には、やはり一番弱いのはユーロということになるだろう。今後、もし、危機が大きくなった場合、瞬間的なドル高・円高になることが予想され、また、その危機が、欧州発になりそうな感じもあり、その場合は、ユーロ安×ドル高で、ユーロドルはひじょうに大きな下落となる可能性が高い。しかし、その後、ドル安へと動きが変わると、一転してユーロドルが暴騰することになるだろう。この激変がどこで起きるかが今年から来年の為替の最大の焦点だ。なかなかむずかしいが、さらに考究したい。
月曜からもドル高、商品安ということになりそうだが、前回のエントリーで述べたとおり、金は軽くリバウンドもあるだろう。うまくいけば、1480あたりで買ったものは手じまっておきたい。
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金曜日はカナダドルが若干売られてドル高傾向に戻りましたが、オージー、キウイあたりが単なる戻りと見做すには強すぎる気もします。
これら資源国通貨の動向は、商品の調整と大枠で同じものと捉えて良いと思われますか。
それとも商品から逃げた資金が流入しているのでしょうか。
115.2付近を底に来週にも119後半を見るのではないかと考えているんですが
ドルの上昇が必要と思われますか
ポールソンのいう金の急上昇が起こるなら
金融不安の条件としての株安は
絶対条件とお考えでしょうか。
それで思うに
時間軸でドル上昇がまず最初に起こらなければ
金の急上昇は起こり得ないと考えていますが
どう思われますか。
オセアニアは粘りますが、本当のドル高が来たらダウンすると思います。ただ将来的には有望なので長期を考えて買いが入っているのではないでしょうか。
Unknownさん
ユーロドルは厳しそうですが、円安の基調は崩れていないようなのでユーロ円は上昇になる可能性が高いと私も思います。長期円安の見方は変えていません。危機の初期の一瞬の円高を乗り切れば、クロス円は有望です。ただ、その円高がくせものなのですが。
もぐもぐさん
ある程度は上がると思いますが、すでにGSRのチャートが崩れているので前回のような上昇は期待できないと思います。
イカマイさん
おっしゃる通りだと思います。で、やはり最初は株安がトリガーになるかなと思います。
株安、ドル高、債券高、金高、ドル安、債券安のような順になると思います。
アルピーヌさん
金はレンジになりましたね。来週はちょい上げと行ってほしいのですが。
サブプライムローンを後から考えたら絶対破綻するよなぁ~というようなものですか?
もちろん予測ですから本当に当たるかどうかわかりませんが、ありとあらゆる要素が次にくる大きな危機を示しています。ここまでにいろいろ書いたので、次のキーワードでブログを検索してみてください。
1 ドル円の長期周期が2011年から2013年が底
2 ダウゴールドレシオの長期サイクルが底に向かっている
3 米国マネタリーベースの異常な膨張
4 金・銀のボラティリティ増加
5 米国住宅指数のさらなる悪化
などです。
お返事ありがとうございます
参考にさせて頂きます
ユーロに関する回答ありがとうございます。
アメリカは膨大な債務自体はどうということはありません。それが問題視されることだけが問題なのです。
ですから、一度、大きな銀行や企業がつぶれるような象徴的な出来事があること、そして、米国自体の赤字体質に改善の方向性が見られること、などが起きれば、債務は徐々に減らすということで長くかかっても問題ありません。個人の貯蓄などは徐々に増えているようですし、すでに改善の方向性の芽はあります。
あと一度大きな底を見ることであく抜けしていくものと思っています。
そろそろ下げが株も商品も始まりそうですね。
イタリアもかなり下げていますね。
クレディスイスもすこし残があるように思っていたので、ここが売り始めたのでしょうか。。。8600ぐらいまで下がるでしょうか。。。そこから夏をはさんで秋口ぐらいまで最後の最後の上げではと思っているのですが。。。そのころに自然災害もあるかもしれないし、かなりすべてがなにか波動に合わせて動いているように思えますよね。。。やまはさんはどのように今の時点で株と為替お考えですか。教えたいただければ助かります
いつもやまはさんの考えを勉強をさせて頂いております。
24日にゴールドマンサックスが原油価格を120ドルまでに引き上げた影響か貴金属も急反発しております。
QE2終了後の大きな調整の前に、原油価格の高騰とともに商品市場でもう1相場あるのでは?と思うのですがいかがでしょうか。
宜しくお願い致します。
ダウはもう高値12800更新むりでしょうか せめてもう少し上がってから売りたいのですが もう逃げたい気分です
みつるんさん、
日本の国債はやはりすべて国内でまかなわれている点で、米国債と同じくただちにどうこうという問題はないと思います。いずれ長期のインフレで問題解消する(国民が間接的に負担する)と考えています。
イスタンブールさん、GENさん
5月6月は毎年弱いのでみなさまがおっしゃるような波動になる可能性が高いのではないでしょうか。きちんと分析していないので感じで申し訳ないです。一時のドル安・株高・商品高があってから、本格的下降という形が一番想定できると思います。
アルピーヌさん
私もご覧になってわかるように基本、若林氏をひじょうに信頼していますので、楽しみです。2012年が底としたようですね(以前の本では2011年と2013年のダブルボトム説だったのですが。)
匿名希望さん
まだ13000あたりはあるかなと思っていますが、ボラティリティもますます増大しますし、ここからの上昇はカケになりますね。
ヨーロッパでデフォルトが起これば日本にもかなりの影響があるそうですが、その場合日本の預金などはゼロになる可能性はあるのでしょうか。(日本も破綻した場合ですが)
ほんと怖い時期ですね。日本株たぶん来年まで持ち越しますw
あと、銀はドル安再開すれば40ドル代にいくと思いますか。たびたびすいません
もしよろしければタイトルを教えて頂きたいです
ヨーロッパのどこかの国でデフォルト(今はリストラクチャリングと言うそうですが)があっても、日本はもちろんユーロもどうなることもないでしょう。もちろんユーロ安はありますが。
匿名希望さん
むずかしい時期ですので、レバレッジに注意してすすめてまいりましょう。
もぐもぐさん
若林栄四
「デフレの終わり 2012年に「千載一遇」の買い場がくる」
出版社: 日本実業出版社 (2011/6/23)
ISBN-10: 4534048432
ISBN-13: 978-4534048431
発売日: 2011/6/23
です。
参考にさせて頂きます