goo

「新美の巨人たち」 葛飾北斎『怒濤図』

2021-06-12 | 街角の話し
2021年5月29日(土)に放送されました


葛飾北斎『怒濤図』× 柳楽優弥

江戸時代、大ベストセラー『富嶽三十六景』を生んだ天才浮世絵師・葛飾北斎。今回の「男浪」「女浪」と呼ばれる2枚の肉筆画『怒濤図』は最晩年に手掛けた作品です。もともと長野県小布施町の神社の祭礼で使われていた上町祭屋台の天井絵として描かれました。
北斎がこの作品を描いたのは、『神奈川沖浪裏』から15年が経った85歳の時のこと。実はあの大傑作に満足していなかったという北斎にとって『怒濤図』は波の集大成だといいます。一見似たような波ですが、実は大きな違いがあるのです。近年の化学調査によって、とんでもない色彩を使っていたことが判明!さらに、最新技術VRによって立体化すると、北斎の狙いが明らかに…。それは一体?
その謎に迫るのは、映画『HOKUSAI』で葛飾北斎を熱演した俳優・柳楽優弥さん。映画のラストに登場する『怒濤図』と今回初対面!常識にとらわれず、生涯新しいことに挑み続けた北斎が、最晩年にたどり着いた知られざる波の秘密をひも解きます。

ブログ 大英博物館 国際共同プロジェクト 北斎-富士を超えて- ハルカス美術館
2017-10-13  ここ




映画「HOKUSAI」で北斎を演じた柳楽優弥が北斎館を訪れた。今日の作品は葛飾北斎「怒濤図」。男浪・女浪と呼ばれる2枚の絵。水しぶきの表現は現代アートのような大胆な技の連続だった。柳楽は何を考えて描いたのかが気になったと話した。北斎が波を主題に描き始めたのは40代の頃。何十年もかけてあらゆる波を描いた。70代でたどり着いたのが神奈川沖浪裏の大波。冨嶽三十六景は大ヒットしたが、北斎は満足しなかった。15年後、祭屋台の天井絵として怒濤図を描いた。


岩松院にある八方睨み鳳凰図も北斎最晩年の大作。鮮やかな赤が圧巻の迫力を生んでいる。晩年の北斎は絵具を混ぜ合わせていくつも新しい色を生み出した。怒濤図でこだわったのも波の色。青はベロ藍と呼ばれるドイツ生まれの人工顔料。緑は銅緑で現在は褪色し、描かれた当時の色とは全く違うという。
.

goo | コメント ( 0 ) | トラックバック ( 0 )