灰色の空に覆われた連休明け月末の月曜日、入院中2週間の間に季節は進み、本日から長袖を羽織る。
天候の模様から外出散歩は中止、5階病棟散歩に切り替える。
コースは病室を出て左、南行きにとる、何時もと異なる時計の逆廻りは風景が異なり、右側ガラス越しに見える屋上庭園は森林を想わせる。
突き当たり南ガラス越し風景は眼下に広がるマンション群背景に遥か遠く大阪の高層ビルが見通せる。
ナースステーションに朝の挨拶を済ませ西コースへ、真っ直ぐに西向き窓ガラスが設けられ、六甲連峰が遠望できる一番好きな風景スポットだ。
ご婦人がお一人、風景を眺めながらストレッチに勤しんで居られ、挨拶して窓越しの天候模様の話題から話に花が咲く。
真正面に見える「豊中市立病院」にて大腿骨頚部骨折の手術後、紹介を貰って当院で「リハビリ治療」を受診されていると伺う。
5階病棟にて杖もなしで健常者と変わらない歩行ご様子にかねがね不審に思っていた事が解明される。
幸い後遺症も無く、喜んで居られ、衰えた筋肉の機能回復に、日々リハビリに励んでおられる。
事故原因は、「尼宝線」の歩道を歩行中に正面から来た自転車に衝突して転倒、「大腿骨頚部」骨折にて救急入院されたお聴きし、改めて高齢者は、車もさることながら自転車の怖さを認識する。
因みに加害者は26歳の青年、慰謝料・入院費の保証も取れない有様ながら、この度の入院で自分は恵まれていることに気づかされ、退院後の生活を大事にしたいと話された言葉が印象的でした。
本日はボトックス最終評価の初日、「リハビリテーション」とは「再び適した状態になること」であるが随意性を喪失した痙性片麻痺が機能回復するには共同運動の現象が必要と教わった。
「肩」・「肘」・「手」・「指」等が生理学的な屈曲・伸展方向に同時に動かせる共同作業が出来て、関節が動き出し、更に進むと複数の関節を稼動にする可能性があると12日間の理学・作業療法で幾多の先生方からご指導いただく。
13:00 PT理学療法「ボトックス最終評価」一日目、担当Y先生、2階トレーニング室の床に引かれた縦テープに沿って、可能な限りのスピードにて歩行を求められ、Y先生は転倒防止のため、左横に付かれストップウオッチにて、3回計測される。
次に椅子に座って、立ち上がって定点(椅子)を回って、椅子に腰を下ろすまでのタイムを計測。
最後は平行棒の中で装具をつけて左・右片足立ち各3回、続いて装具を外して左・右片足立ち各3回を計測される。
右足は少なくとも90秒~120秒は維持可能動作、安易に済ませたくないので6回共、筒いっぱいまで頑張ったので汗が吹き出てくる。残念ながら左足は1~3秒でダウン。
15:20~17:10 OT作業療法「ボトックス最終評価」 T先生、検査器具を使用して90分に及ぶ最終評価、毎回使われる器具はNHKテレビで紹介された“「脳卒中」リハビリの驚異的効果!”BMI療法2ケ月後に検査使用された評価器具と全く同じタイプだ。
作業療法発祥の地、アメリカで考案されただけに合理的且つ人の心理を見事に捉え、最後まで挑戦させるように細かい動作器具がセットされている。
例えば木製ブロックはいきなり難度の高い大きいブロック摘まみが始まり、2分間悪戦苦闘して失敗、気落ちしていると次は摘まみやすいサイコロ状が出てくる具合に上手く調整されている。
「片麻痺患者」には憎らしい位に微妙なところで成功・失敗体験を与え、成功の喜びで難易度の高い作業動作の遂行に導かれる。