ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカル魚でとれたてごはん…高松 『庶民市場魚信』の、春の瀬戸内の魚介

2017年03月26日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん
高松の旅の始まりには、何はなくとも讃岐うどんが欠かせない。高松駅に到着したらすぐ、構内の「連絡船うどん」へ。名の通り、かつて宇高連絡船のデッキで人気だった名店を継承しており、四国の玄関口のうどんとして申し分ない実力派である。柔らかいながらほどよくコシのある麺をズズッといき、いりこががっちり効いた澄んだつゆをすする。瀬戸内のだしの基本となる魚介にふれ、歩き出す前から当地の魚をめぐる散歩の気分が盛り上がってくる。

高松港は高松駅に隣接しており、まずは瀬戸の海にご挨拶とばかり、海が臨める港方面を目指した。商業施設「サンポート高松」付近の園地には、ヤシの実のオブジェや石像が点在するなど、芸術祭の最寄りの地らしいアートなたたずまい。中央埠頭の先端の「せとしるべ」との愛称がついた赤灯台までは、ボードウォークが続いており、往復する道中に男木島と女木島がすぐそばに眺められた。ポカポカ陽気の下のべた凪の海、ぼんやり眺めているとつい、ひねもすのたりとなりそうな、典型的な春の海の景観である。

このあたりは旅客船の港で、漁港や水産卸売市場は市街東寄りの浜ノ町にあるのだが、今日は日曜であいにくの休市日。なので市民向けの小売市場を覗きに、瓦町の「庶民市場魚信」を目指した。オシャレなベイエリアから一転、長さ日本一のアーケード商店街は庶民的なたたずまいで、延々歩いて瓦町駅の先の踏切を渡ると、分岐する二本の線路に挟まれるようにある建屋が見えてきた。敷地から「三角市場」とでも名付けたくなるコンパクトなつくりで、覗いてもいいですか、と声をかけるとはいどうぞ、と帳場の姉さんが元気がいい。まだ開店間もない中、建物と並ぶ魚のそれぞれを、興味深く見せてもらうことに。

建屋内は大きく分けて、右半分が活けの水槽が置かれ、左半分が三和土に鮮魚が入ったスチロール箱が並んでいる。活けものは時期的に鯛が多く、箱物でも桜色鮮やかなマダイが見られた。この日の品は近海の底引き網の獲物が中心のようで、赤貝やニシ貝、シャコといった底物ほか、まる一尾のスズキ、やや小ぶりのメバルがいっぱいの箱も。シャコや赤貝は、観音寺の沖合に浮かぶ伊吹島の伊吹漁港水揚げと教えてくれた。「今日は漁がなかったから、売り物が少なめで」とのお姉さんによると、平日は目の前の道路いっぱいにスチロール箱が並び、狭い敷地が魚で満載になるほどだそうだ。

今日の品で春が旬のものを尋ねると、メバルとアジを勧めてくれた。並んでいるメバルは「オキソメバル」という種で、春を告げる魚として広く知られている。瀬戸内で春の魚といえばもうひとつ、サワラもあげられるが、高松では4月下旬が旬なのでまだやや早いのだとか。メバルを味わいつつ瀬戸の春を堪能するのもよし、と、お昼が食べられる魚料理店も紹介いただいた。

高松てくてくさんぽ3

2017年03月26日 | てくてくさんぽ・取材紀行
高松さんぽ、高松の名物のひとつといえば、長大なアーケード商店街だ。8つの商店街がアーケードに覆われ、分岐文も含めた総延長は2.7キロで日本一といわれる。あたりは中世は「野原」と呼ばれた港町で、高松城が築城されたのを機に職人や商人が集まり栄えたのが、現在の賑わいの元となっている。現在も町名が残る、大工町、磨屋町、紺屋町、鍛治屋町などの職人街に加え、三代藩主正俊の頃に丸亀から商人を呼び寄せた丸亀町ができ、さらに栄えるきっかけとなった。

現在も商店街ごとに特徴が見られ、高松駅側の入り口から通して歩くと、その変化が面白い。最北の高松丸亀町商店街は、三越ほかブランドショップが集まり、やや高級感が漂う。アーケードの作りも高さがありドームやイベントスペースが設けられ、アートマルシェなども行われている。百十四銀行の本店だった洋館も残り、ダイソーの一号店もあったとか。「かず枝」など讃岐うどんの話題店もちらほら見られ、昼前ながらセミオーダーの行列も。

南に下るにつれて庶民的になり、南端の田町商店街は地元スーパーのマルナカなど、普段使いの店舗が。「たまぢぃ」なる猫のゆるキャラの幟も並び、どこかほんわかとしている。

瓦町まで歩くと、それなりの運動量に。そろそろ魚系、攻め始めましょう。

高松てくてくさんぽ2

2017年03月26日 | てくてくさんぽ・取材紀行
高松さんぽは、サンポートから船着場をかすめ、玉藻公園こと高松城跡へ。「日本三大水城」とも呼ばれる臨海の城で、かつては北は瀬戸内海に接し、ほか三方の堀は水門から海水をとりこんでいた。城内は堀と石垣が錯綜しており、艮櫓などいくつかの櫓は現存。月見櫓そばの水手御門は船で海に出られた門で、フェリー乗り場はすぐそこと海に近いのがわかる。

天守はあいにく現存しないが、天守台の石垣は高くせり上がっていて、当時の威風を偲べる。角度によってはサンポートのタワーやクレメントホテルが天守台に重なり、まるで超近代天守に見えなくもないかも。

高松てくてくさんぽ1

2017年03月26日 | てくてくさんぽ・取材紀行
高松さんぽは、駅から港方面へ。「サンポート高松」として整備され、ホールやシンボルタワーそびえる商業とコンベンション施設になっている。あたりの園地にはヤシの実のモチーフや石のオブジェやガラスの塔といった、アートっぽいモニュメントが並び、さすが瀬戸芸のお膝元かつ玄関口。

中央埠頭は「せとシーパレット」と称して煉瓦舗道やボードウォークが、先端の赤灯台「せとしるべ」まで延びている。たもとのレストハウス「ミケイラ」はイタリアンレストランも併設しており、男木島女木島を望んでの食事はよさげだ。

オシャレに整備されたベイエリアから、トラディショナルな臨海の史跡にも、いってみましょう。

連絡船うどんの肉うどん@高松駅

2017年03月26日 | 旅で出会った食メモ
広島→呉からの最終日は高松に来た。前日の宿がホントに取れなかったが、楽天でチェックし続け駅前の「高松ターミナルホテル」を5400円で確保。半日ながら、ぐるり市街を巡り歩いてみた。

高松の朝はうどんから始まる、で、ひいきの駅構内「連絡船うどん」へ。名の通りかつて宇高連絡船で人気だった店を継承、行き止まり式ホームの先端に立ち食いスタンドを構えている。看板に描かれた、かつて活躍した船たちの写真が懐かしい。船の時代の駅に入ってからも、四国の玄関口のうどんとして申し分ない実力派だ。

いつもは列車で着いてからの利用だが、今回は前泊してなので駅構内の店へは入場券がいるかと思いきや、場外からも入れ構内から隔離されて食べられる、裏口風の通路があるとは知らなかった。肉うどんをオーダー、ツルフワながらかめばキュッとコシのある麺は、首都圏進出したチェーンのそれと違った本場感。牛肉がほどよい甘さで煮えており、つゆと味が混ざるとまたたまらない。

澄んだいりこだしを駅にてまず味わったところで、高松の魚食さんぽいってみましょう。