高松の旅の始まりには、何はなくとも讃岐うどんが欠かせない。高松駅に到着したらすぐ、構内の「連絡船うどん」へ。名の通り、かつて宇高連絡船のデッキで人気だった名店を継承しており、四国の玄関口のうどんとして申し分ない実力派である。柔らかいながらほどよくコシのある麺をズズッといき、いりこががっちり効いた澄んだつゆをすする。瀬戸内のだしの基本となる魚介にふれ、歩き出す前から当地の魚をめぐる散歩の気分が盛り上がってくる。
高松港は高松駅に隣接しており、まずは瀬戸の海にご挨拶とばかり、海が臨める港方面を目指した。商業施設「サンポート高松」付近の園地には、ヤシの実のオブジェや石像が点在するなど、芸術祭の最寄りの地らしいアートなたたずまい。中央埠頭の先端の「せとしるべ」との愛称がついた赤灯台までは、ボードウォークが続いており、往復する道中に男木島と女木島がすぐそばに眺められた。ポカポカ陽気の下のべた凪の海、ぼんやり眺めているとつい、ひねもすのたりとなりそうな、典型的な春の海の景観である。
このあたりは旅客船の港で、漁港や水産卸売市場は市街東寄りの浜ノ町にあるのだが、今日は日曜であいにくの休市日。なので市民向けの小売市場を覗きに、瓦町の「庶民市場魚信」を目指した。オシャレなベイエリアから一転、長さ日本一のアーケード商店街は庶民的なたたずまいで、延々歩いて瓦町駅の先の踏切を渡ると、分岐する二本の線路に挟まれるようにある建屋が見えてきた。敷地から「三角市場」とでも名付けたくなるコンパクトなつくりで、覗いてもいいですか、と声をかけるとはいどうぞ、と帳場の姉さんが元気がいい。まだ開店間もない中、建物と並ぶ魚のそれぞれを、興味深く見せてもらうことに。
建屋内は大きく分けて、右半分が活けの水槽が置かれ、左半分が三和土に鮮魚が入ったスチロール箱が並んでいる。活けものは時期的に鯛が多く、箱物でも桜色鮮やかなマダイが見られた。この日の品は近海の底引き網の獲物が中心のようで、赤貝やニシ貝、シャコといった底物ほか、まる一尾のスズキ、やや小ぶりのメバルがいっぱいの箱も。シャコや赤貝は、観音寺の沖合に浮かぶ伊吹島の伊吹漁港水揚げと教えてくれた。「今日は漁がなかったから、売り物が少なめで」とのお姉さんによると、平日は目の前の道路いっぱいにスチロール箱が並び、狭い敷地が魚で満載になるほどだそうだ。
今日の品で春が旬のものを尋ねると、メバルとアジを勧めてくれた。並んでいるメバルは「オキソメバル」という種で、春を告げる魚として広く知られている。瀬戸内で春の魚といえばもうひとつ、サワラもあげられるが、高松では4月下旬が旬なのでまだやや早いのだとか。メバルを味わいつつ瀬戸の春を堪能するのもよし、と、お昼が食べられる魚料理店も紹介いただいた。
高松港は高松駅に隣接しており、まずは瀬戸の海にご挨拶とばかり、海が臨める港方面を目指した。商業施設「サンポート高松」付近の園地には、ヤシの実のオブジェや石像が点在するなど、芸術祭の最寄りの地らしいアートなたたずまい。中央埠頭の先端の「せとしるべ」との愛称がついた赤灯台までは、ボードウォークが続いており、往復する道中に男木島と女木島がすぐそばに眺められた。ポカポカ陽気の下のべた凪の海、ぼんやり眺めているとつい、ひねもすのたりとなりそうな、典型的な春の海の景観である。
このあたりは旅客船の港で、漁港や水産卸売市場は市街東寄りの浜ノ町にあるのだが、今日は日曜であいにくの休市日。なので市民向けの小売市場を覗きに、瓦町の「庶民市場魚信」を目指した。オシャレなベイエリアから一転、長さ日本一のアーケード商店街は庶民的なたたずまいで、延々歩いて瓦町駅の先の踏切を渡ると、分岐する二本の線路に挟まれるようにある建屋が見えてきた。敷地から「三角市場」とでも名付けたくなるコンパクトなつくりで、覗いてもいいですか、と声をかけるとはいどうぞ、と帳場の姉さんが元気がいい。まだ開店間もない中、建物と並ぶ魚のそれぞれを、興味深く見せてもらうことに。
建屋内は大きく分けて、右半分が活けの水槽が置かれ、左半分が三和土に鮮魚が入ったスチロール箱が並んでいる。活けものは時期的に鯛が多く、箱物でも桜色鮮やかなマダイが見られた。この日の品は近海の底引き網の獲物が中心のようで、赤貝やニシ貝、シャコといった底物ほか、まる一尾のスズキ、やや小ぶりのメバルがいっぱいの箱も。シャコや赤貝は、観音寺の沖合に浮かぶ伊吹島の伊吹漁港水揚げと教えてくれた。「今日は漁がなかったから、売り物が少なめで」とのお姉さんによると、平日は目の前の道路いっぱいにスチロール箱が並び、狭い敷地が魚で満載になるほどだそうだ。
今日の品で春が旬のものを尋ねると、メバルとアジを勧めてくれた。並んでいるメバルは「オキソメバル」という種で、春を告げる魚として広く知られている。瀬戸内で春の魚といえばもうひとつ、サワラもあげられるが、高松では4月下旬が旬なのでまだやや早いのだとか。メバルを味わいつつ瀬戸の春を堪能するのもよし、と、お昼が食べられる魚料理店も紹介いただいた。