ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…大地を守る会の有機無添加のカレーライス

2014年02月24日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
昼にお邪魔した「大地を守る会のオーガニックフェスタ」で、有機食材や無添加食品をあれこれ調達した。この顔ぶれで狙う料理といえば、もちろんカレー。普段はスーパーの野菜コーナーでジャガタマニンをなるべく安く仕入れ、ルーも市販品を特売のタイミングでまとめ買いしたり。そんな家庭の定番料理を大地の食材で作ってみたら、味や印象がどのようになるのだろうか。

会場を巡りながら食材を調達していると、生産者の方と話し込み様々な背景が分かり、なかなか勉強になる。ニンジンは広島・世羅の寺岡農場産で、雪の下から掘るため甘みの強さが自慢とか。玉ねぎは沖縄・心花真南風の会産。温暖な気候のおかげで、日本でいちばん早い新タマネギという。沖縄はほかトマトやカボチャなども特産で、ゴーヤや島らっきょぐらいしか挙がらない印象を改めねば。ちょいと欧風に、山形舟形町産のマッシュルームもプラス。香りのいい茶色、味のいい白と迷った上で、食べ応えあるジャンボマッシュルームというのをチョイスしてみた。

米は熊本県産のミルキークィーン、さらにカレールーも無添加国産にこだわり、鳥取県境港にある大味研というメーカーのを試した。香料や化学調味料は使っておらず、黄色の素であるウコンも奄美大島産。素材の素性と生産者の顔がわかるもののみのルーなのである。

あいにくジャガイモはなかったので、最寄りスーパーの有機コーナーで調達。肉は普段使いの高座豚にして、いつものルーティンでテキパキ調理。包丁を入れると、玉ねぎは身が詰んでいてザクザク、ニンジンは固くバキバキと、何とも力強いこと。形もスーパーの規格品に比べて不揃いで切りづらいが、これが自然のままの姿なのだろう。

完成したのがこんな具合で、ルーやニンジンの鮮やかさがイマイチ、と感じる方もいるのでは。でも、今日のやまけんさんの話によると、彩度の高さは食欲を喚起するため人為的に添加でき、食材本来の色は割と薄くあっさりしているものだ、という。確かに常食できる料理のように、穏やかな印象も受ける。

味の方も同様に、とんがった刺激のない丸い食べごこちで、野菜の存在感がすごい。ニンジンの押し出しの強い甘さ、玉ネギのシャッキリ、トロリとした食感、まるでアワビのようなマッシュルームの香りと歯ごたえ。それをルーがまとめ込んでいる感じで、素材を食べているのが実感できる。日本のカレーは香辛料以上に、具が主役なのだな。

原価はいくらかかかるけど、「いいものは相応の値段がする」も納得。味以上に体へのインパクトの違いがありがたく、日々は大変ながら努めて良い食材を取ることの良さを、新たに認識した「普段使い」の晩御飯である。

大地を守る会のオーガニックフェスタ

2014年02月23日 | てくてくさんぽ・取材紀行
京急蒲田駅前・大田区産業プラザで開催の、「大地を守る会のオーガニックフェスタ」にお邪魔した。有機食材宅配業の中でも、安全に対する意識が一段と高いだけに、農産品と調味料を中心とした生産者の直売は、なかなかの盛況だった。

お目当てはやまけんさんこと、農と食のジャーナリスト・山本謙治氏のトークで、「本物の見分け方〜食品偽装の裏側」とのお題。安くていいものは存在しない、いいものは相応のコストがかかるのは必然。健康管理とリスク回避には何かに偏ったり避けたりせず、まんべんなく食べること。など、安さや手軽さに傾くあまり忘れがちな、ある意味当たり前の食生活について、再認識させてもらった。

社会問題となった偽装も、した側だけの責任ではなく、そうなった様々な必然がある、との話も尤もといえる。生産に関わる方々がみな幸せな環境でなければ、良い食品は生まれない。心に響いた要旨のひとつである。

一献一品出合い酒@湯野上温泉

2014年02月23日 | ◆一献一品出合い酒

大川を渡った温泉街の対岸にある「藤龍館」にて、アサヒスーパードライ八重と会津博ラベル×ヤーコン和え。会津若松郊外の温泉で飲むなら、天栄村特産と会津の旬の話題ネタの、このコンビが馴染む。

ラベルに鮮やかなピンク色の、凛とした八重のシルエットが、辛口スーパードライに一層のキレをもたらすよう。喉にしびれが駆け抜けたら、当地の山里で栽培されたヤーコンをシャックリ。軽やかな食感とほの甘い土の香りが、鋭角なドライビールを受け止める。鋭い切り込みに和やかな受け身、薙刀の演武のごとき一期一会。

ハンサムウーマンラベルのビールに、アンデス原産ヤーコンのアテ。会津の品々の出会いの妙、どこか語呂も似ているような?一献一品の小さな酒宴、今宵も天下太平なり。


一献一品出合い酒@道後温泉

2014年02月22日 | ◆一献一品出合い酒
道後温泉商店街の一六茶寮にて、プレモル小グラス×じゃこ天。入浴前の温泉街散歩後ておやつがてらの休憩なら、銘菓タルトの店の茶屋で一杯やれる、このコンビが似合う。

商店街を抜けたところの店の二階は、これ以上ない道後温泉本館ビュー。窓際席に陣取って、重厚荘厳な湯殿を見下ろして、グラスビールを軽く一杯。のどを駆け下りる刺激がまた、昼酒の至福感をあおる。アテのじゃこ天は、愛媛のアテのスタンダード。すり身のコクと魚旨さに、瀬戸内か宇和海の潮風を感じる。ひとっ風呂を前にして、湯上がりにもありがたそうな一期一会。

道後温泉本館の眺めも肴に、鍋焼きうどんやタルトも味わいつつ、松山名物の宴は続く。仕上げは本館の湯浴みの後に、定番名物の坊ちゃん団子で一服か。一献一品の小さな酒宴、いい湯だなの天下泰平なり。