ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日々是好食…静岡おでんのソウル感

2013年02月23日 | ◆日々是好食

 日本人のソウルフードに、おでんは外せない。ネタのベースは水産国日本ならではの練り物。和食の基本であるカツオ・コンブのダシに、醤油・味噌・酒による味付け。加えて全国各地の食文化に根ざした、味付けや薬味の流儀。味噌汁やそばやうどんに通ずる奥行きを感じる、と書くとオーバーだろうか。

 先日の箱根散策の帰り、足柄SAでは静岡おでんのコーナーを見つけた。濃口醤油の真っ黒なつゆに、黒はんぺんや牛スジといったオリジナルのタネの串が浸り、味噌ダレにダシ粉に青のりを振りかけるスタイルは、ローカルごはんながら全国区になりつつある。

 おでんのいいところは、何はともあれホッとできること。家族で好きに串を選んでは、寒い中で熱々にかぶりつき、一息ついたら思わず笑顔に。ウンチクや理屈もいいけれど、まずは気持ちが揺さぶられるのも、ソウルフードの持ち味ではなかろうか。


ローカル魚でとれたてごはんbyFb…静岡 『天文本店』の、桜エビかき揚げとシラスごはん

2013年02月21日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん

 漁港や市場、魚料理の店を巡るのがライフワークな私、縁あって『魚どころの特上ごはん』(光文社知恵の森文庫)『ローカル魚で絶品ごはん』(エイ文庫)の、二冊の魚食紀行を出すことができた。まだ30代半ばで、食紀行を志して現場を見始め、食べ歩きを始めたばかりの頃。新たな店をどんどん訪ね、当たり外れもありながら勢力的に取材したことは、今の自分の下地になっているように思える。

 そんな意向から、どこへ出かけても店はかならず新規開拓、が鉄則だっだが、最近は紹介した店のリピート率が上がる傾向にある。静岡を訪れた昼食も、シネマ通りにある天ぷら屋「天文本店」に、久々に足が向く。元気良くカウンターに案内してくれるおばちゃん、白衣にネクタイ姿で目の前で黙々と揚げるご主人。居心地の良さと適度な緊張感が、かつてのままでうれしくなる。

 「ローカル魚で…」で紹介した、桜エビのかき揚げは、さっくり軽やかな歯ごたえに、エビの身がプチッ。殻やひげは香ばしさが立ち上がるぐらいで、口に触らない食感の心地よさが真骨頂だ。シラスごはんは、太めでホコホコの釜揚げシラスがたっぷりで、醤油はなくてもほのかな潮味が海ごはんらしい。以前の取材時はこれでごちそうさま、だっだが、懐かしさとうまさにシラスごはんとキス天イカ天を追加。

 思えば二冊を出してから5年以上経ち、どうしているかな、と気になる店も数多い。再訪することで、駆け出し時に感激した味への再会に加え、今だから気付く新たな魅力もあるかもしれない。そういえば、本に紹介された店を読者が訪れるのを「聖地巡礼」と称するとか。感激と再発見のため、これからは著者自らの巡礼も、意識してやっていこうか。

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北町商店炊き出し2013

2013年02月17日 | てくてくさんぽ・取材紀行
南三陸町でのミッションは、歌津と志津川での炊き出しの同行取材。四ツ谷の居酒屋「北町商店」のご主人、田辺さんとのご縁で、仮設住宅に料理などを届けるのにご一緒させてもらった。

氏は月一の頻度で南三陸町を訪れており、同業の方ほか意志に共感した店のお客もメンバー。今回は13人が参加、200食のおかずなどを用意して、各仮設を手分けして配達して回った。おばあちゃん、おばちゃん、子供たちなど、なじみの方もいっぱいで、訪問して手渡し、そして語らい笑い。炊き出しは単に食を届けるだけでなく、人との繋がりを紡ぐことでもあるんだな、と、見ていて感慨深いものがあった。

待ってるから、会いたいから行くんです、と田辺さんの話すように、こういうのは大変だろうとか必要だろうとかの理屈じゃない。今日は同行ぐらいだったけれど、次はぜひお手伝いで、と、また来て会いたい方々の顔を思いながら感じた次第である。