山形県は不思議な麺処で、村山や大石田など正統派そばが評判な一方、B級ローカル麺が数多い。先日大阪新世界で食べたような、鶏モツ煮をトッピングした新庄のとりもつラーメン、カシワ肉がどっさりのった河北町の肉そば、麺がちりちり激細の米沢そんぴんラーメンなどなど。
村山のそばは板盛りの板そば、肉そばも冷そばなど、冷やしがデフォなのが目立つのも山形のローカル麺の特徴。日本有数の酷暑な土地柄もあり、その名も冷やしラーメンはまさに代表的。いわゆる冷やし中華ではなく、見た目はまんま醤油スープの中華そば。それがそのまま冷たくなったのだから、ギャップというか意外性というか。
いつもの「喜多方ラーメン小法師」にも、隣県のよしみかこの冷やしラーメンがあり、頼んだら見た目は喜多方ラーメンまんま。山形のはスープに氷がゴロゴロ浮いているが、それがない代わりに器がキンキンに冷やしてある。
そのため、ダシは動物系でとると油分がFat、つまり固まって浮いてしまうので、カツオベースの魚介ダシがキリリと立つ。喜多方の加水中太麺にたっぷりからみ、これは夏味の冷やさっぱりラーメンだ。チャーシューも脂浮き対策の別盛りで、ワサビであっさりいただく夏仕様。
冷やしラーメンはそもそも、真夏に売り上げが落ちないよう、山形のラーメン屋が考えた夏期販促品だったらしい。ではこの和風冷やしのほか、夏期限定で中華風冷やしラーメンも出しているから、夏期の売り上げも問題なしか。というか、中華風冷やしラーメンって、要は冷やし中華では?
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