ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカルベジタでヘルシーごはんbyFb…奈良 『和食屋八寳』の、地野菜料理

2012年10月14日 | ◆ローカルベジタでヘルシーごはん

 奈良のローカルごはんで、パッと思い当たる料理が意外にない。茶粥に柿の葉寿司が挙がりはするが、郷土の味覚ではあるもの、普段使いの常食とは性格が異なる。特に麺、丼、惣菜など、Bグルの範疇の食文化が、あまり見当たらない気が。宗教都市特有の格式や戒律が、大衆の食文化にも影響しているのだろうか。

 なので奈良泊の晩、以前訪れたベトナム料理店で夕食をとろうと、近鉄奈良駅前の東向アーケードを歩いていたら、店頭の地野菜籠盛りに思わず足を留めた。御当地食材の料理もローカルごはんの範疇だし、ここ『和食屋八寳』で奈良の味覚に触れてみることに。

 大好きな奈良の地酒「春鹿」超辛口を冷やで、新ムカゴの塩蒸しをつまむ。春鹿超辛口は日本酒度がプラス13と、舌に稲妻が立つごとく。私的に辛口日本酒の究極銘柄で、これがムカゴの野性味を増幅すること。ムカゴは走りでやや小振りだが、ネットリとからみつく甘さを超辛口ですすぐローテがエンドレス。

 さらに地野菜メニューから、天ぷら盛り合わせと万願寺ししとうの土佐醤油をチョイスした。天ぷらは、大ぶりで歯ごたえザクザク、粘りが濃いオクラ。肉厚でしっとりコクがあるシイタケ。泥臭さが強いかき揚げのゴボウ。それぞれ、大和の地が育んだ、いにしえの大地の息吹をまんま感じられる。

 万願寺ししとうは、普通のししとうの3倍ぐらいあり、大味かと思いきやエグ味がなくジューシー。京野菜でも有名だが、奈良で栽培すると大振りになるとか。「こっちのはブランド京野菜と違い、田舎の野菜だけどね」と、店のおばちゃんが笑う。

 地酒「春鹿」超辛口に合わせ、御当地味覚の奈良漬けを頼むと、見た目はアメ色ではなくほぼ真っ黒。材料はスイカの皮とキュウリで、野菜の味がほのかに残っているのが本場流なのか。

 取材に出て5日目になり、取材での暴食が続く中、野菜ごはんの夕食は胃にありがたい。奈良のローカルごはんに、ヘルシーな地野菜ごはんあり、と、これからはしっかりPRしていこう。



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