ちょっと小ぶりの地下鉄大江戸線を月島駅で下車。銀座からわずか2駅というのに、駅前から延びる月島西通り商店街は、ずいぶん庶民的な雰囲気である。そして、月島の名物といえばもんじゃ焼き。もとは駄菓子屋で売っていた子どものおやつだったが、今やこの商店街に沿って約50軒あまりの店が集まり、もんじゃ焼きの町として広く知られるようになった。夕方になると町じゅうにソースの匂いが漂っている、と言われるほどだ。
数軒おきに1軒あるぐらいのもんじゃ超過密地帯から、店を適当に選んで入ろうとするが、多すぎてかえって迷う。結局、通りの中ほどにあった「もんじゃ風車」という店のガラス戸をくぐると、おばさん5人のグループが、もんじゃをつつきながら井戸端会議に夢中だ。卓に付くと、坊主頭にエプロン姿の兄さんがメニューを持ってきてくれた。その中からそば、豚肉、切りイカ、干しエビ、卵入りの「ミックスもんじゃ」を頼む。テーブルには鉄板がとりつけてあり、自分で焼くシステム。溶いた生地と一緒に、そばやエビなどの具が山盛りに入ったどんぶりが運ばれてきたので、さあ焼くぞ、と中身を一気に鉄板にぶちまけようとしたところ、兄さんがあわてて飛んできた。「お客さん、焼き方知らないの?」正直に「初めてです」と答えたら、苦笑いしながらお手伝いして頂くことになった。
まずは具だけを先に鉄板で炒めて、生地を半分かける。生地はカツオダシで軽く味がついているが、コショウと唐辛子でさらに味を付けるのがポイントだ。全体に火が通るととろみが出始めるので、ドーナツ型に盛って「土手」を作る。これは、どんぶりに半分残った生地を鉄板に流し込む時、鉄板いっぱいに広がってしまわないようにするための、もんじゃ焼き作りにおける重要な作業。大小2つあるヘラのうち、調理用の大きい方を手に奮闘するが、油断すると崩れてしまい、なかなかうまくいかない。お手伝いしましょうか、と中ジョッキ片手のおばさま方から、笑いとともに声がかかる。
土手を盛り、残った生地を流し入れたら、ウスターソースをたっぷりとかけて、とろみが出たところでヘラでかき混ぜながらさらに焼く。数字の8の字を書くように混ぜるといい、とお兄さん。ちなみに、焼くときに文字を書くように混ぜるから「文字焼き」、そして「もんじゃ焼き」と呼ばれるようになったという。ヘラで混ぜ合わせたり、キャベツや揚げ玉をヘラで刻んだりしながら、何とか焼き上がりだ。こちらも中ジョッキを頼んで、食べるのに使う小さなヘラに持ち替える。
さっそく、ヘラで鉄板からこそげるようにしてはがして、口に運ぶ。まだトロリと半熟の生地は、ダシの香りが効いていて、なかなかうまい。だんだん火が通ってくると、次第にパリパリした食感に変わってきた。揚げ玉にエビ、ソースといった3種類の香ばしさが、よりいっそう際立ってくる。こうなるとビールと相性バツグンなのは間違いなし、とばかり、半分ほど食べたところで、ジョッキを追加。火の加減を調整しにきた兄さんが、焦げた部分を鉄板からゴリゴリとはがしながら、「ここがおいしいんですよ」と勧める。ダシとソースが焦げた、何とも安っぽい香りがまたたまらなく、これをかじりながら、ビールをさらにぐいぐいとあおる。
結局、日が高いのにビールがついて、すっかり「大人のおやつ」になってしまった感じ。それにしても、ソースの味というのは大人にとって、妙に懐かしく郷愁を感じさせるようだ。
数軒おきに1軒あるぐらいのもんじゃ超過密地帯から、店を適当に選んで入ろうとするが、多すぎてかえって迷う。結局、通りの中ほどにあった「もんじゃ風車」という店のガラス戸をくぐると、おばさん5人のグループが、もんじゃをつつきながら井戸端会議に夢中だ。卓に付くと、坊主頭にエプロン姿の兄さんがメニューを持ってきてくれた。その中からそば、豚肉、切りイカ、干しエビ、卵入りの「ミックスもんじゃ」を頼む。テーブルには鉄板がとりつけてあり、自分で焼くシステム。溶いた生地と一緒に、そばやエビなどの具が山盛りに入ったどんぶりが運ばれてきたので、さあ焼くぞ、と中身を一気に鉄板にぶちまけようとしたところ、兄さんがあわてて飛んできた。「お客さん、焼き方知らないの?」正直に「初めてです」と答えたら、苦笑いしながらお手伝いして頂くことになった。
まずは具だけを先に鉄板で炒めて、生地を半分かける。生地はカツオダシで軽く味がついているが、コショウと唐辛子でさらに味を付けるのがポイントだ。全体に火が通るととろみが出始めるので、ドーナツ型に盛って「土手」を作る。これは、どんぶりに半分残った生地を鉄板に流し込む時、鉄板いっぱいに広がってしまわないようにするための、もんじゃ焼き作りにおける重要な作業。大小2つあるヘラのうち、調理用の大きい方を手に奮闘するが、油断すると崩れてしまい、なかなかうまくいかない。お手伝いしましょうか、と中ジョッキ片手のおばさま方から、笑いとともに声がかかる。
土手を盛り、残った生地を流し入れたら、ウスターソースをたっぷりとかけて、とろみが出たところでヘラでかき混ぜながらさらに焼く。数字の8の字を書くように混ぜるといい、とお兄さん。ちなみに、焼くときに文字を書くように混ぜるから「文字焼き」、そして「もんじゃ焼き」と呼ばれるようになったという。ヘラで混ぜ合わせたり、キャベツや揚げ玉をヘラで刻んだりしながら、何とか焼き上がりだ。こちらも中ジョッキを頼んで、食べるのに使う小さなヘラに持ち替える。
さっそく、ヘラで鉄板からこそげるようにしてはがして、口に運ぶ。まだトロリと半熟の生地は、ダシの香りが効いていて、なかなかうまい。だんだん火が通ってくると、次第にパリパリした食感に変わってきた。揚げ玉にエビ、ソースといった3種類の香ばしさが、よりいっそう際立ってくる。こうなるとビールと相性バツグンなのは間違いなし、とばかり、半分ほど食べたところで、ジョッキを追加。火の加減を調整しにきた兄さんが、焦げた部分を鉄板からゴリゴリとはがしながら、「ここがおいしいんですよ」と勧める。ダシとソースが焦げた、何とも安っぽい香りがまたたまらなく、これをかじりながら、ビールをさらにぐいぐいとあおる。
結局、日が高いのにビールがついて、すっかり「大人のおやつ」になってしまった感じ。それにしても、ソースの味というのは大人にとって、妙に懐かしく郷愁を感じさせるようだ。
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