ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカル魚でとれたてごはんbyFb…箱根・ポーラ美術館『レストランアレイ』の、イサキのソテー

2012年10月22日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん

 ポーラ美術館の企画展で、スーラの作品に目をひかれた。浜辺に半分打ち上げられたように、ゆるく傾く帆掛け舟。背後に広がる、うす水色の浅瀬。この「グランカンの干潟」は、ノルマンディ地方に滞在して海を描き続けた氏の代表作で、じっと見ていると箱根山中にいながら、まるで国府津あたりの海風景を思い出させてくれる。

 その影響か、昼食の気分も魚料理に傾くが、さすがにこの立地では厳しいか。と思いつつ、「レストランアレイ」のランチコースを眺めたところ、メインは若鶏の香草焼、ビーフシチューに並び「本日の魚料理」がちゃんとあった。聞くとイサキのソテーだそうで、生のりバターソース仕立てにもひかれ、これをチョイスした。

 カリッと焼けた皮にナイフを入れると、身がホロリと自然にほぐれる。バターで引き出された白身の甘さに加え、皮目から磯魚ならではの潮の香りが立ち、両者を生のりの海藻香が締める感じ。三つの味の「点」が合わさり、イサキの味の実像を「描」く、というとスーラにこじつけかも知れないが、焼き加減とソースの味わいで、イサキの持ち味がガッチリ引き出されている。

 箱根のローカル魚というと、地元芦ノ湖のワカサギが思い浮かぶ。このイサキは沼津港からの直送だが、クルマで小一時間と近く、充分ローカル魚の範疇かも。海辺の絵を山中の美術館で鑑賞すると、かえって様々なイメージが湧くように、山中のレストランで味わう「地魚料理」も、いっそう味わい深く感じるのかもしれない。



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