仙台の名物といえば、「巨人、大鵬、卵焼き」にならえば(例えが古い!)「楽天、牛タン、笹かまぼこ」といったところか。ところがこの3大名物、いずれも「牛」の情勢の影響でこのところ窮地に立たされている。牛タンはBSEによる消費者離れ、また米国産牛肉の輸入禁止措置による牛タンの値段の高騰により、経営が苦しくなった店が続出。店の数も最盛期の半分以下に減ってしまったという。笹かまぼこも、原材料であるスケソウダラなどのすり身の価格が高騰してしまい、値上げを検討している製造元もあるとか。これもBSEの影響で、欧米で牛肉の代わりに白身魚の需要が増えたのが一因なのだそうだ。楽天もまだ8月なのに、本日ではや最下位決定。これも岩隈や礒部ら元・「猛牛」戦士の低迷が原因…っとこれはこじつけか?
仙台で牛タンを食べるなら「太助」と、仙台随一の繁華街である国分町通りにある店をお昼過ぎに訪れた。食糧難の時代、アメリカ軍が消費していた牛肉の不要な部位だった牛タンを厚切りにして、塩味だけで炭火焼で出すようになったのは昭和23年。この店がまさに仙台牛タンの元祖なのだが、人気店だけに食事時をずらしてもすごい行列だ。あきらめて通りを歩くと、さすがに牛タンの店は何軒もあり、かえって迷うほど。結局、通りの南端まで歩いたところで、黄色い暖簾にひかれて一仙という店に決定。遅い昼食とした。
店内は照明が暗く、紅色と黒を基調とした内装。ジャズが流れる落ち着いた雰囲気で、一膳飯屋的な牛タンの店とはかなりイメージが異なるようだ。創業は平成13年と新しく、「シェフ」はなんとフレンチの経験者。牛タンの扱いもその手法を生かし、分厚いが臭みがなく柔らかなのが特徴という。それだけに、タン刺やゆでタン、タンシチューなど牛タンのメニューが豊富だが、やはり定番・牛タン定食を注文することに。
まず先にテールスープと麦飯が登場。続いて牛タンの皿が運ばれてきた。麦飯は白米が貴重だった食糧難のころの名残で、今でも米と麦が7対3。それにかつてタンと同じく不要だったテールを煮込んだスープ、さらに牛タンの皿には山盛りの白菜とキュウリの漬物に、みそ漬けの青唐辛子「味噌南蛮」がつくのが基本形だ。この店のタンは、舌のつけ根に近い柔らかな「真とろたん」と、歯応えがある部分をミックスしてあり、ミディアムでジューシーに焼き上げている。塩コショウがしてあり、かむと肉汁がジュッ。真とろはサクサクと軽やかな味わい、歯応えがある部分はガシガシと食べ応えがあり、対照的な食感が楽しい。「真とろたんは、1本のタンからあまりとれない貴重品です」と店の人。付け合わせの漬け物がさっぱり、そして強烈に辛い味噌南蛮のおかげで肉に飽きず、合間に穀物独特の香りが強い麦飯をかきこむと、まさにパワーが湧いてくる感じだ。中継ぎのテールスープはネギがたっぷり、すっきりいいダシが出ていてさらに食が進む。
すっかりスタミナがついたところで、鼻息も荒く店を後にする。そういえばこの国分町、牛タンの名所であるとともに東北屈指の「オトナの繁華街」だったことを思い出す。ひょっとして牛タンで元気つけたあとは…ってことか、と、考えてみたらかなりストレートな街?(2005年4月17日食記)
仙台で牛タンを食べるなら「太助」と、仙台随一の繁華街である国分町通りにある店をお昼過ぎに訪れた。食糧難の時代、アメリカ軍が消費していた牛肉の不要な部位だった牛タンを厚切りにして、塩味だけで炭火焼で出すようになったのは昭和23年。この店がまさに仙台牛タンの元祖なのだが、人気店だけに食事時をずらしてもすごい行列だ。あきらめて通りを歩くと、さすがに牛タンの店は何軒もあり、かえって迷うほど。結局、通りの南端まで歩いたところで、黄色い暖簾にひかれて一仙という店に決定。遅い昼食とした。
店内は照明が暗く、紅色と黒を基調とした内装。ジャズが流れる落ち着いた雰囲気で、一膳飯屋的な牛タンの店とはかなりイメージが異なるようだ。創業は平成13年と新しく、「シェフ」はなんとフレンチの経験者。牛タンの扱いもその手法を生かし、分厚いが臭みがなく柔らかなのが特徴という。それだけに、タン刺やゆでタン、タンシチューなど牛タンのメニューが豊富だが、やはり定番・牛タン定食を注文することに。
まず先にテールスープと麦飯が登場。続いて牛タンの皿が運ばれてきた。麦飯は白米が貴重だった食糧難のころの名残で、今でも米と麦が7対3。それにかつてタンと同じく不要だったテールを煮込んだスープ、さらに牛タンの皿には山盛りの白菜とキュウリの漬物に、みそ漬けの青唐辛子「味噌南蛮」がつくのが基本形だ。この店のタンは、舌のつけ根に近い柔らかな「真とろたん」と、歯応えがある部分をミックスしてあり、ミディアムでジューシーに焼き上げている。塩コショウがしてあり、かむと肉汁がジュッ。真とろはサクサクと軽やかな味わい、歯応えがある部分はガシガシと食べ応えがあり、対照的な食感が楽しい。「真とろたんは、1本のタンからあまりとれない貴重品です」と店の人。付け合わせの漬け物がさっぱり、そして強烈に辛い味噌南蛮のおかげで肉に飽きず、合間に穀物独特の香りが強い麦飯をかきこむと、まさにパワーが湧いてくる感じだ。中継ぎのテールスープはネギがたっぷり、すっきりいいダシが出ていてさらに食が進む。
すっかりスタミナがついたところで、鼻息も荒く店を後にする。そういえばこの国分町、牛タンの名所であるとともに東北屈指の「オトナの繁華街」だったことを思い出す。ひょっとして牛タンで元気つけたあとは…ってことか、と、考えてみたらかなりストレートな街?(2005年4月17日食記)
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