高崎食材ブランド「高崎そだち」のツアー、続いては生産者団体の「くらぶち草の会」でお話を伺った。29年前から当地で有機無農薬農業に取り組んでおり、現在の登録は37世帯。うち半分以上が新規就農者で、よそから入ってきた人がほとんどだそうである。会の一番の目的は、農薬を控えた有機栽培を作物の付加価値とすること。それにより、価格を高めて販売できる可能性を高めるという。有機JASの認証をとらなくても、このグループはそれと同レベルの栽培体系です、とは代表の佐藤さん。会員は「農薬は使いたくたい」という意識の高い方ばかりなので、安全かつ安心な生産物が供給できるのが、会の一番のセールスポイントと話す。
倉渕村は標高800メートルほどの高地に位置し、会員が所有する畑は山間に点在している。ひとつひとつがさほど広くないため、少量多品目の生産が特徴だ。春はキャベツ、レタス、ダイコンといった大型野菜。夏はキュウリ、インゲン、ズッキーニなど。秋は葉物、冬はハウスでホウレンソウと、ほぼ年間を通して生産が行われているのが凄い。標高が高く寒暖の差が激しい土地柄、野菜の糖度が高く味が濃くなるのも特徴。扱う種も40〜50アイテムとかなり多く、生産量の多い品目は会でまとめて東京など都市部へ流通させている。「大地を守る会」や「らでぃっしゅぼーや」といった流通団体が主な販路なため、大量に仕入れてくれる仕組み。ロットが少ないものなど、個々の判断は販路開拓による販売もオーケーで、努力により収入を増やせる余地があるのも、就農者にとってはメリットだ。
とはいえここまでの形になるまでには、様々な苦労と紆余曲折があった。佐藤さんが無農薬に取り組みだした頃、周囲はまだそうした意識がなく、同調者は増えずかえって軋轢が生じたこともあったという。販路の確保も並大抵ではなく、自身の足で取引先を懸命に開拓したそう。その後離農者が増え、「農家は儲からない」との印象で後継も減る中、自身も何度かは畑を手放すことが頭をよぎりながらも、代々の土地を引き継いで無農薬有機に取り組んできたそうだから、佐藤さんの努力には頭の下がる思いがする。次第に身を結び、らでぃっしゅぼーやと大地を守る会がまず取引契約してくれたのは、その品質を認めてもらえた証といえる。
最近では年に1世帯程度の割合で、新規就農者が入ってくるそうで、経験者がみんなで教えたり助けたりしながら育てていくため、離農者はほとんどないそう。まだ新しく来る人は代々家の農業に携わる人と比べ、ルーティン以上のことや先を考えての展開に、取り組んでくれるメリットもあるとか。加工販売の研究、パッケージデザインの洗練、パンフやネットでの情報発信などは、そうした新しい動きの一環だ。若い人が新たに様々な取り組みや発信をするのが嬉しい、と佐藤さん。森農園の食用ほおづきも「最初は何を始めるんだ? と思った」と笑いつつ、しっかり応援し見守っている。将来は加工や販売まで広げて地域で取り組むことで、この土地を特産地にしたいとの期待も膨らむ。
説明後に覗いた隣接のハウスでは、トマトを10種類ほど栽培しており、無農薬に合う品種を見出す実験中だそう。形も色も様々なのが並んでおり、次の栽培対象にはきっとどれかが決まるだろう。「榛名や浅間の景色が、野菜を旨くしているんです」との佐藤さんの言葉、その取り組みの行き着いたところと思えば、なかなか重く印象深いものがあった。
倉渕村は標高800メートルほどの高地に位置し、会員が所有する畑は山間に点在している。ひとつひとつがさほど広くないため、少量多品目の生産が特徴だ。春はキャベツ、レタス、ダイコンといった大型野菜。夏はキュウリ、インゲン、ズッキーニなど。秋は葉物、冬はハウスでホウレンソウと、ほぼ年間を通して生産が行われているのが凄い。標高が高く寒暖の差が激しい土地柄、野菜の糖度が高く味が濃くなるのも特徴。扱う種も40〜50アイテムとかなり多く、生産量の多い品目は会でまとめて東京など都市部へ流通させている。「大地を守る会」や「らでぃっしゅぼーや」といった流通団体が主な販路なため、大量に仕入れてくれる仕組み。ロットが少ないものなど、個々の判断は販路開拓による販売もオーケーで、努力により収入を増やせる余地があるのも、就農者にとってはメリットだ。
とはいえここまでの形になるまでには、様々な苦労と紆余曲折があった。佐藤さんが無農薬に取り組みだした頃、周囲はまだそうした意識がなく、同調者は増えずかえって軋轢が生じたこともあったという。販路の確保も並大抵ではなく、自身の足で取引先を懸命に開拓したそう。その後離農者が増え、「農家は儲からない」との印象で後継も減る中、自身も何度かは畑を手放すことが頭をよぎりながらも、代々の土地を引き継いで無農薬有機に取り組んできたそうだから、佐藤さんの努力には頭の下がる思いがする。次第に身を結び、らでぃっしゅぼーやと大地を守る会がまず取引契約してくれたのは、その品質を認めてもらえた証といえる。
最近では年に1世帯程度の割合で、新規就農者が入ってくるそうで、経験者がみんなで教えたり助けたりしながら育てていくため、離農者はほとんどないそう。まだ新しく来る人は代々家の農業に携わる人と比べ、ルーティン以上のことや先を考えての展開に、取り組んでくれるメリットもあるとか。加工販売の研究、パッケージデザインの洗練、パンフやネットでの情報発信などは、そうした新しい動きの一環だ。若い人が新たに様々な取り組みや発信をするのが嬉しい、と佐藤さん。森農園の食用ほおづきも「最初は何を始めるんだ? と思った」と笑いつつ、しっかり応援し見守っている。将来は加工や販売まで広げて地域で取り組むことで、この土地を特産地にしたいとの期待も膨らむ。
説明後に覗いた隣接のハウスでは、トマトを10種類ほど栽培しており、無農薬に合う品種を見出す実験中だそう。形も色も様々なのが並んでおり、次の栽培対象にはきっとどれかが決まるだろう。「榛名や浅間の景色が、野菜を旨くしているんです」との佐藤さんの言葉、その取り組みの行き着いたところと思えば、なかなか重く印象深いものがあった。
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