昨年は「楽天イーグルス」の誕生で話題となった仙台。合わせて仙台の名所や名物も全国から注目されることとなったから、プロ野球チームができた宣伝効果は大きいものである。そんな、話題の名物の筆頭にあげられるのが仙台の牛タン。炭火で焼いた牛タンの皿にはみそ漬け唐辛子(味噌南蛮)と白菜の浅漬けが添えられ、麦飯にテールスープがつくのが基本形のこの料理、市街に専門店が60~80軒ほどあるといわれ、仙台庶民の味としてしっかり浸透しているようだ。一方、値段はどこもほぼ同じで1000~1500円。もとは肉をとって残った不要な部分を食用にと考案した料理なのに、思えば結構な値段だ。最近ではBSEの影響による素材の高騰もあるが、もともと牛1頭から可食部位が意外ととれないことが大きな原因のようである。1本1~2キロの原材料のうち、柔らかく味がいい部分はおよそ半分。人数で割ると3~4人前程度だから大変だ。店ごとに使う部位にこだわりがあり、その呼び方も様々のよう。以前紹介した「一仙」(旅で出会ったローカルごはん3参照)の「真とろたん」のように、牛1頭から数枚しかとれない、などと希少さをアピールされると、もはや庶民の味でなく厳選した食材の高級料理を食べているような気分になってしまう。
昨日は丸1日、市街から青葉城まで取材で広く巡ってくたびれたものの、お昼に牛タン定食を頂いてスタミナを補給した結果、夜はバッチリ国分町の繁華街を取材? することができた。これにて仕事は完了し、強は朝の新幹線で東京へと戻らなければならない。ホテルを慌ただしく出発、朝食は駅弁でも買って移動の車内ですませようとしたところ、仙台駅の新幹線改札横に「牛タン通り」と称した飲食店街があるのを見つけた。また朝の8時過ぎでも、すでにやっている店があるのがさすがは仙台。白い暖簾がひるがえる『伊達の牛たん本舗』で、ありがたく「モーニング牛タン」を頂いて、仙台の旅を締めくくることにした。
仙台駅ビルの3階にあるこの飲食店街には、ほかに「利休」や「たん助」など、市街でも名の知れた牛タン専門店が5軒並んでいる。「伊達の牛たん本舗」も、市街に数軒の支店を持つ有名店だ。駅ビルにあるからか店内は小綺麗で居心地が良く、まるで喫茶店のよう。店のおばちゃん、というよりウェイトレスといった感じの女性から手渡されたメニューによると、数量限定の看板メニュー「極上芯たん定食」というのが魅力がある。聞くと「タンの真ん中あたり、一番動かないところで、スジが全くなく柔らかです。例えれば、マグロの大トロのようにジューシーですよ」。昨日の「一仙」の真とろたん同様、この店のこだわりの部位らしい。1本から2~3枚しかとれない貴重品で、霜降りたっぷりで肉厚なのが特徴とか。1890円と値が張るけれど頼んでみるか、と思ったら残念ながら、この時間はまだ扱っていないとのこと。20食限定だが、あっという間に売り切れてしまう人気のメニューという。
結局、タン焼きにテールスープ、漬物、味噌南蛮つきの定番「牛タン定食」1470円を選ぶことにした。この店の牛タンの味付けは、塩か味噌を選べるのが面白い。「味噌は仙台味噌の辛味噌を使っています。おすすめは塩の方ですね」と店の人、ミックスもできるので、せっかくだから両方お願いすることにした。運ばれてきた白い大きめの角皿の中央には、味噌と塩が上品に4切れずつ並んでいる。味噌はさっとからめてから焼き、仕上げにさらにからめてあるという。香ばしく甘い香りがするのを、まずひと切れ。仙台味噌独特の丸みのある甘みで、粒がやや残っているので香りが強い。しっかり漬けてあるため肉が柔らかくふわり、辛味は程々で、後からツンとくる程度。これはご飯が進む味付けで、朝からお代わりしてしまった。一方、塩の方はサクサク、シャクシャクとした歯応えの後に肉の香ばしさがパッ、後から肉汁の旨みがどんどんやってくる感じ。味はシンプルだが、こちらのほうが牛タンの旨さがストレートに楽しめる。
合間に味噌南蛮とスープでひと息ついて、肉をつまみ飯を再びかきこむ。この味噌南蛮が強烈で、肉の辛味噌よりよっぽど辛く、うかつに丸かじりすると火を噴いてしまいそうだ。すぐ上の階が新幹線のホームなのがありがたく、列車の発車間際までお茶を頂きながらのんびりする。改札をくぐろうとすると、手前には牛タンのパックのほか笹かまぼこ、銘菓「萩の月」、小茄子の漬け物など、名物の売店があるわあるわ。仙台始発の新幹線なら座れるから、指定の列車から1本遅らしてちょっと覗いていくとするか。(2005年4月18日食記)
昨日は丸1日、市街から青葉城まで取材で広く巡ってくたびれたものの、お昼に牛タン定食を頂いてスタミナを補給した結果、夜はバッチリ国分町の繁華街を取材? することができた。これにて仕事は完了し、強は朝の新幹線で東京へと戻らなければならない。ホテルを慌ただしく出発、朝食は駅弁でも買って移動の車内ですませようとしたところ、仙台駅の新幹線改札横に「牛タン通り」と称した飲食店街があるのを見つけた。また朝の8時過ぎでも、すでにやっている店があるのがさすがは仙台。白い暖簾がひるがえる『伊達の牛たん本舗』で、ありがたく「モーニング牛タン」を頂いて、仙台の旅を締めくくることにした。
仙台駅ビルの3階にあるこの飲食店街には、ほかに「利休」や「たん助」など、市街でも名の知れた牛タン専門店が5軒並んでいる。「伊達の牛たん本舗」も、市街に数軒の支店を持つ有名店だ。駅ビルにあるからか店内は小綺麗で居心地が良く、まるで喫茶店のよう。店のおばちゃん、というよりウェイトレスといった感じの女性から手渡されたメニューによると、数量限定の看板メニュー「極上芯たん定食」というのが魅力がある。聞くと「タンの真ん中あたり、一番動かないところで、スジが全くなく柔らかです。例えれば、マグロの大トロのようにジューシーですよ」。昨日の「一仙」の真とろたん同様、この店のこだわりの部位らしい。1本から2~3枚しかとれない貴重品で、霜降りたっぷりで肉厚なのが特徴とか。1890円と値が張るけれど頼んでみるか、と思ったら残念ながら、この時間はまだ扱っていないとのこと。20食限定だが、あっという間に売り切れてしまう人気のメニューという。
結局、タン焼きにテールスープ、漬物、味噌南蛮つきの定番「牛タン定食」1470円を選ぶことにした。この店の牛タンの味付けは、塩か味噌を選べるのが面白い。「味噌は仙台味噌の辛味噌を使っています。おすすめは塩の方ですね」と店の人、ミックスもできるので、せっかくだから両方お願いすることにした。運ばれてきた白い大きめの角皿の中央には、味噌と塩が上品に4切れずつ並んでいる。味噌はさっとからめてから焼き、仕上げにさらにからめてあるという。香ばしく甘い香りがするのを、まずひと切れ。仙台味噌独特の丸みのある甘みで、粒がやや残っているので香りが強い。しっかり漬けてあるため肉が柔らかくふわり、辛味は程々で、後からツンとくる程度。これはご飯が進む味付けで、朝からお代わりしてしまった。一方、塩の方はサクサク、シャクシャクとした歯応えの後に肉の香ばしさがパッ、後から肉汁の旨みがどんどんやってくる感じ。味はシンプルだが、こちらのほうが牛タンの旨さがストレートに楽しめる。
合間に味噌南蛮とスープでひと息ついて、肉をつまみ飯を再びかきこむ。この味噌南蛮が強烈で、肉の辛味噌よりよっぽど辛く、うかつに丸かじりすると火を噴いてしまいそうだ。すぐ上の階が新幹線のホームなのがありがたく、列車の発車間際までお茶を頂きながらのんびりする。改札をくぐろうとすると、手前には牛タンのパックのほか笹かまぼこ、銘菓「萩の月」、小茄子の漬け物など、名物の売店があるわあるわ。仙台始発の新幹線なら座れるから、指定の列車から1本遅らしてちょっと覗いていくとするか。(2005年4月18日食記)
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