ローカル魚でとれたてごはん…新横浜 『スズキ』の、つくりほかコース料理の数々

見た目はローカルなお食事処風なこの店、魚料理を主とした居酒屋としては、食通にも広く知られた存在という。雑多な感じの内装や実質本位の接客からはピンと来ないが、一説には「あらゆるサービスは料理の味のみに絞っているから」とも。それは5000円のコースの流れから、存分に理解できる。突き出しのホタルイカ煮、小鉢のあん肝と青菜明太和えときて、揚げ物は地鶏の唐揚げ、つくりは3点盛り、サラダ、焼き物はイカ丸焼きなど、ボリュームも味も綺羅星な皿の数々に、感銘感嘆感涙の連続である。

川崎の市場から仕入れているというつくりは、切っつけが分厚い上にエッジが反り返って立つほどの鮮度の良さ。生マグロを扱っているのがこだわりで、身が清められるようにサラサラの赤身、舌が跳ね躍るほどご機嫌な甘さがとろける中トロは、ここが住宅街のど真ん中なことを忘れさせるほどの活きにあふれている。イカは肝焼きにされ、ホクホクの歯応えにこってりした甘さが絡みつく。サラダは季節限定の「柿のサラダ」で、旬の柿のフルーツ甘さにトマトの酸味が噛み合い、濃厚な料理の中にあって爽やかに味覚を変えてくれる。

「魔王」や「森伊蔵」をはじめとするプレミアム焼酎や、日本酒の品揃えも幅広く、魚介に合わせて山形の「米鶴」辛口純米を選択。これら料理はもちろん、ホタルイカやアンキモの珍味類にも、杯が追い立てられてしまっていけない。そして締めご飯となる、この店の看板であるローカルごはんとは？　続きます。