ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん17…ハマカレー認定・インドレストランタージのカレーは本場の火が出る辛さ

2005年11月18日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
 日本にカレーが伝わったのは、横浜が最初という説がある。開国以来外国の文化を柔軟に吸収した土地柄、牛鍋など西洋の食文化のひとつとして伝播したことは充分考えられる。現在では伊勢佐木町の「横浜カレーミュージアム」という殿堂が知られ、最近はさらに「ハマカレープロジェクト」が注目されている。これはカレーで町おこしを目的に、市内のカレー愛好家による審査でおいしいカレーの店を認定したもので、その数100軒。店は市内の全域に点在していて、インド風、アジア風、和風、欧風などジャンルも多彩。横浜の庶民の味といえば、「家系」という言葉が定着するほどラーメンが一時ブームになったが、カレーだって負けずにがんばっているようである。

 わが家の近くのカレー屋もハマカレーに認定されているとミニコミ誌で知り、JR根岸線洋光台駅からクルマで5分ほど、日野中央公園近くの鎌倉街道沿いにある「インドレストランタージ」を家内と一緒に訪れてみた。この店は「ハマカレー2004」で認定されており、店内の一角に認定書が掲げられているのが目に入る。オーナーのサニーさんはニューデリー出身で、インド北部の料理をベースにした本場インド風のカレーにこだわっているという。メニューによるとカレーは大きく分けてチキンにマトン、ベジタブルにシーフードで、その数ざっと20種類以上。セットメニューも各種あり、以前来たときチキンのセットを頼んだところ、大柄なモモ肉が1本入ったカレーに大きなナン、さらにタンドリーチキンもついてかなりのボリュームだったのを思い出す。

 今日はやや軽めにシーフードから単品で選ぶことにして、エビと魚のミックスカレー「サモンドリーカジャナ」とサフランライスに決めた。メニューの料理名の前についた唐辛子マークは辛さを示していて、これはひとつだから大したことはなさそう。店の人によると料理ごとにも5段階の辛さが設定されており、3ぐらいはどんなもんでしょうか、と尋ねると「…かなり辛いですよ」。ややひるみ、2でお願いすることにした。そして飲み物はインドのビール。ゴールデンイーグル、キングフィッシャー、マハラジャが揃い、3本のお得なセットもあるので迷わずそれを頼む。本場のカレーに本場のビール、3本ぐらいあっという間だろう。

 待ちながら店内に流れるビデオを眺めていると、男女が踊ったり歌ったりと賑やか。髭面で彫りが深い濃ゆい面構えの若者がふたりで、オリエンタルムードあふれる絶世のインド美人を奪い合うといった恋愛コメディーのようで、延々流れる独特の音楽が妙に耳についてしまう。しばらくして運ばれてきた大皿2枚はふたり分かと思ったら、何と両方とも自分の分。1枚にはたっぷりのカレーにサラダ、もうひとつには黄色のサフランライスが大盛りと、やや加減したつもりがかなりのボリュームだ。家内のレディースセットも、エビとナスの2種のカレーにサラダ、タンドリーチキン、サフランライスに加えて大きなナンもついていて、これまたレディースどころではないボリュームである。

 そしてカレーをひと口頂いたとたん、しびれるような辛さ! 首から上の汗腺が全開になり、バッと汗が噴き出した。シナモン、カルダモン、ベイリーフなど豊富な香辛料を使っており、ベースになっているトマトの風味がうまくまとめているとはいえ、どれも攻撃的な辛さ。メニューには「エビと魚」とあったが、それ以外にホタテにイカ、アサリなどシーフードがたっぷりで、どれもうまくスパイスが効いていてなかなかうまい。流れ落ちる汗をぬぐいながらひと口、やや甘めのインドのビールをグッといけば、さっぱりしてカレーをもうひと口と、調子が出てくるにつれて辛さに舌が慣れていくようである。

 辛さには慣れたものの、大皿いっぱいのカレーとサフランライスは全部はとても食べきれない。結局自分はサフランライスを半分、家内はナンを1枚まるまる持ち帰りにしてもらった。今度来るときはカレー単品1~2つに、ライスやナンはふたりでひとつでいいかな、と、帰りの車中で注文のしかたの反省会。もちろんカレーの辛さもよく考えることも忘れないようにしておかなければ。(2005年11月6日食記)

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