かつて相模鉄道の沿線に住んでいた私にとって、相鉄の横浜駅がある西口界隈は、横浜でももっとも馴染みのあるエリアだった。駅ビルの相鉄ジョイナス、隣接する横浜高島屋、さらにビブレや映画館のムービルがあるあたりは、おしゃれな横浜のイメージとは対称的な、雑然とした庶民的繁華街。特に相鉄ジョイナスの地下飲食店街は、学生の頃健全に(?)お昼前に起床して大学へ行く際、昼飯を食べていくのによく立ち寄ったものだ。先日、久しぶりに実家に寄る機会があり、用を済ませて横浜駅へ戻ってきた際、懐かしさにちょっとあたりを散歩してみた。
折しもちょうど昼時で、ジョイナス地下1階のレストラン街を歩いていると、学生の頃に通い詰めた店がいくつも目に入り、ついひかれてしまう。リニューアルのため改装工事中だが、本格的スタンドカレーの「リオ」、本場のこってり味噌ラーメンが自慢の「札幌や」など、食欲旺盛だった頃に御用達だった店が健在なのは何だかうれしい。結構な空腹なので昔を思い出して寄ってみてもいいのだが、このところ昼食にラーメンやカレーが続いているので今日のところはパス。何かご飯ものを食べたいな、と思っていたところ、札幌やの向かいに中華料理店があるのを見つけた。ちょうど「チャーハン・マーボ」なる、あんかけチャーハンの麻婆豆腐版のようなボリュームメニューがあり、ピンと来たのでこの『八仙閣杏仁坊』の入口をくぐることに。「熱烈歓迎食房」と入口横に大書されている隣には、「美味杏仁豆腐」の文字も。店名も合わせ、ずいぶん杏仁豆腐がお勧めの様子である。
店内には立派な木のテーブル席がずらりと並び、壁には漢字だらけの手書きメニューがいくつもぶらさがるなど、中国にある食堂をイメージしたチャイニーズでレトロ?な雰囲気。店の一角では、調理している料理人の姿も見られる。品書きによるとひとくち餃子、棒々鶏、スルメイカのXO醤炒めなど一品料理が豊富で、「世界各国の料理からヒントを見つけ、味を追求している」とチラシに書かれている。さっそく例の「チャーハン・マーボ」を注文。そしてデザートに頼んでみるか、と、お勧めらしき杏仁豆腐もつけてみることにした。品書きには「天使的杏仁豆腐」と書かれており、ちょうど横浜西口50周年フェスタの特典で、通常の値段の半額になるのがうれしい。
すぐに大盛りのマーボ、その隅に山形に盛ったチャーハンののった大皿が運ばれてきた。学生の頃に知っていたら、通い詰めたこと間違いなしのボリュームだ。いざ、いただきますとチャーハンの山へとレンゲを進める。縁が赤く染まった本場風のチャーシューがたっぷり入っていて、パラリと軽く仕上がったご飯に焼き豚のしょっぱさがなかなか。昔懐かしい、中華料理屋のチャーハンといった感じである。一方、たっぷりかかった麻婆豆腐の方は、見た目が赤黒くドロドロでいかにも辛そうな感じ。それがひとすくい頂いてみると辛さはそれほど感じず、醤油のコクが深みのあるいい味を出している。大きめの豆腐は瑞々しく、きめ細かくふわりとした食感。豆腐の味がしっかりと楽しめる麻婆豆腐といった感じか。近頃はやりの、四川風激辛・花椒がツンツン効いたタイプと違い、かなりマイルドである。だからパラパラのチャーハンとトロリとマッチして、一気に平らげてしまった。
ひと息ついて、デザートの杏仁豆腐を頂いてみると、こちらも麻婆豆腐の豆腐と同様にトロトロの柔らかさ。普通は杏仁豆腐といえば、フルーツと一緒に白い四角いのがゴロゴロと入っているのだが、ここのはまるでムースのようで、舌の上でサッと溶けていく。上にはアンズのシロップがかかっていて、ほんのりした酸味もまた爽やか。ボリュームメニューをガツガツいった後には、ちょっと上品なデザート、確かに「天使的」だけあるか。
甘いものは別腹、とばかりに杏仁豆腐もきれいに平げ、店を後に地下街を突っ切ってはいつもの京急の改札口へと急ぐ。今は京急沿線に住んでいるから、横浜で下車して立ち寄るのもそごうやスカイビルなど、東口周辺ばかり。途中下車してお昼を頂く際にはおなじみの店ばかりではなく、たまにはかつてのおなじみエリアまで遠征してみるのもいいかも知れない… と言いつつ、近頃気になるのはこのあいだオープンしたばかりの、東口のショッピングモール「ベイクォーター」。生活圏はすっかり、横浜東口、海側寄りの人になってしまったようである。(2006年9月28日食記)
折しもちょうど昼時で、ジョイナス地下1階のレストラン街を歩いていると、学生の頃に通い詰めた店がいくつも目に入り、ついひかれてしまう。リニューアルのため改装工事中だが、本格的スタンドカレーの「リオ」、本場のこってり味噌ラーメンが自慢の「札幌や」など、食欲旺盛だった頃に御用達だった店が健在なのは何だかうれしい。結構な空腹なので昔を思い出して寄ってみてもいいのだが、このところ昼食にラーメンやカレーが続いているので今日のところはパス。何かご飯ものを食べたいな、と思っていたところ、札幌やの向かいに中華料理店があるのを見つけた。ちょうど「チャーハン・マーボ」なる、あんかけチャーハンの麻婆豆腐版のようなボリュームメニューがあり、ピンと来たのでこの『八仙閣杏仁坊』の入口をくぐることに。「熱烈歓迎食房」と入口横に大書されている隣には、「美味杏仁豆腐」の文字も。店名も合わせ、ずいぶん杏仁豆腐がお勧めの様子である。
店内には立派な木のテーブル席がずらりと並び、壁には漢字だらけの手書きメニューがいくつもぶらさがるなど、中国にある食堂をイメージしたチャイニーズでレトロ?な雰囲気。店の一角では、調理している料理人の姿も見られる。品書きによるとひとくち餃子、棒々鶏、スルメイカのXO醤炒めなど一品料理が豊富で、「世界各国の料理からヒントを見つけ、味を追求している」とチラシに書かれている。さっそく例の「チャーハン・マーボ」を注文。そしてデザートに頼んでみるか、と、お勧めらしき杏仁豆腐もつけてみることにした。品書きには「天使的杏仁豆腐」と書かれており、ちょうど横浜西口50周年フェスタの特典で、通常の値段の半額になるのがうれしい。
すぐに大盛りのマーボ、その隅に山形に盛ったチャーハンののった大皿が運ばれてきた。学生の頃に知っていたら、通い詰めたこと間違いなしのボリュームだ。いざ、いただきますとチャーハンの山へとレンゲを進める。縁が赤く染まった本場風のチャーシューがたっぷり入っていて、パラリと軽く仕上がったご飯に焼き豚のしょっぱさがなかなか。昔懐かしい、中華料理屋のチャーハンといった感じである。一方、たっぷりかかった麻婆豆腐の方は、見た目が赤黒くドロドロでいかにも辛そうな感じ。それがひとすくい頂いてみると辛さはそれほど感じず、醤油のコクが深みのあるいい味を出している。大きめの豆腐は瑞々しく、きめ細かくふわりとした食感。豆腐の味がしっかりと楽しめる麻婆豆腐といった感じか。近頃はやりの、四川風激辛・花椒がツンツン効いたタイプと違い、かなりマイルドである。だからパラパラのチャーハンとトロリとマッチして、一気に平らげてしまった。
ひと息ついて、デザートの杏仁豆腐を頂いてみると、こちらも麻婆豆腐の豆腐と同様にトロトロの柔らかさ。普通は杏仁豆腐といえば、フルーツと一緒に白い四角いのがゴロゴロと入っているのだが、ここのはまるでムースのようで、舌の上でサッと溶けていく。上にはアンズのシロップがかかっていて、ほんのりした酸味もまた爽やか。ボリュームメニューをガツガツいった後には、ちょっと上品なデザート、確かに「天使的」だけあるか。
甘いものは別腹、とばかりに杏仁豆腐もきれいに平げ、店を後に地下街を突っ切ってはいつもの京急の改札口へと急ぐ。今は京急沿線に住んでいるから、横浜で下車して立ち寄るのもそごうやスカイビルなど、東口周辺ばかり。途中下車してお昼を頂く際にはおなじみの店ばかりではなく、たまにはかつてのおなじみエリアまで遠征してみるのもいいかも知れない… と言いつつ、近頃気になるのはこのあいだオープンしたばかりの、東口のショッピングモール「ベイクォーター」。生活圏はすっかり、横浜東口、海側寄りの人になってしまったようである。(2006年9月28日食記)
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