早々に、冷房が効いた展示場へと避難すべく、駅から長い連絡橋を渡り、例の4本足のテーブルを巨大にしたような建物へ。足の1本のたもとからエレベーターで昇り、デジタル出版にまつわる講演を2時間ほど拝聴してから、いざ、見本市の見学である。
ビッグサイトの見本市は、これまでパソコンや旅行をテーマにしたものに来たことがあり、毎度のことながら会場の広さと人ごみには圧倒される。場内には大中小さまざまな規模の出版社のブースが並び、ぞれぞれの出版物を並べてアピールしている。
普段、書店の店頭であまり見かけないような出版物までそろえているのが、ブックフェアならではの面白さ。全国各地の郷土料理や食材を、県別に紹介しているシリーズを出している版元では、ほかにも食をテーマにした本がいろいろ揃っている。自然科学系の出版社ではハンディサイズの魚や野菜の図鑑もあり、これは取材に便利そう。と、それぞれのブースについ、長居してしまっていけない。会場の中ほどに設けられた、洋書のバーゲンセールを物色、小じゃれた写真集をいくつか買い込むと、各ブースでもらった出版目録とあわせて、結構な荷物になってしまった。
1時間ほど場内をうろうろしていると、結構な距離を荷物両手に歩き回った感じ。同時に開催している文具フェアも覗いてみる前に、ちょっとひと息入れていきたい。これだけの規模の展示場だけに、飲食店や休憩処も充実しているようで、手元の案内図によると何箇所かにまとまった飲食店街が形成されている。文具フェアの会場に行く途中には北レストラン街があり、オムライスで有名な日比谷・松本楼があるではないか。
オムライスにグラスビールで、大人の3時の休憩にしよう、と、連絡通路からエスカレーターで1階に下って、件のレストラン街へ。中途半端な時間だからか、それともみなさん視察に熱心だからなのか、展示場はあんなに人が多かったのにもかかわらず、歩いている人の姿はまったく見かけない。飲食店もアイドルタイムではないためか、メニューを絞っているようで、お目当ての松本楼も喫茶のみ、オムライスは17時から、との看板が立っている。
グラスビールが頂ける店は、より選択肢が限られてしまうが、大荷物を持って別のレストラン街へ今更移動するのも面倒なので、通りの中ほどにあった『らぁめん大景』で3時のラーメン、と相成ることに。この時間でもラーメンや餃子、ビールはもちろん、おつまみメニューも扱っており、焼きモツにわさびシュウマイ、大盛りおつまみチャーシューなど、どれもなかなかそそる。とりあえず味噌らぁめんとビール、それに餃子も1枚、食券を買い求めて席へと向かう。
それにしても、展示場のスケールも大きい上に、飲食店もまたでかいこと。この店でもちょっとした見本市ができるぐらいに店内は広く、壁に沿って2~4人がけのテーブルが店の奥へ向かってずらり。さらに中央には20人ほどが座れる大きなテーブル席が2つあり、厨房寄りにはひとり客用のカウンター席も。ざっと数えて軽く100人は収容できそうで、フードコートではなく純粋なラーメン屋としてこれほど巨大な店は、これまで見たことがない。大イベント時のお昼時は、これでもまかないきれないぐらいの行列になってしまうのだろうか。
客は10組程度入っているけれど、店が広いのでめちゃくちゃ空いている様に見えてしまう。2人がけの席に着き、荷物をおいてほっとひと息。広く人の少ない店内が見渡せて落ち着かず、旅館で空室がないため、12畳の部屋にひとりで泊まったときのことを思い出す。
先に餃子が運ばれてきたがビールが一向に出てこないので、店の人を呼ぼうとしたがこれが一苦労。広い上、お客が少なくフロアに出ている人も少ないから、見つけてもらえないので大変だ。立ち上がって思い切り手を振り、ようやく待望の中ジョッキが運ばれ、やっとこさ3時の休憩の開宴である。
味噌らぁめんは、きわめてオーソドックスなスタイルで、やや辛口の味噌味スープにやや太目の麺がよくからむ。和風味噌というよりは、豆板醤のようなしびれる辛さがあり、ちょっとタンタンメンに近いような食感。具ももやしとわかめだけとシンプルで、とりたてて際立った特徴はないけれど、展示場を歩き回ったあとにさっといただく、おやつがわりの軽食といった感じか。
むしろ餃子のほうがなかなかうまく、やや厚めの皮の中は肉汁がもれずにたっぷり。ビールが遅れてきたため先行して3つほど食べてしまったが、これはつまみにぴったり。焼きもつとかわさびシュウマイなど点心数種とビール、というのもよかったかなと、なかなかそそられる。
餃子は丸っこい感じで、肉がたっぷり。ニンニクを添えていただく
広々したフロアを横断する足取りは、少々ふらり。展示会場の視察は結構な運動になるようで、普段より少々ビールが回ってしまったようだ。再び広々した展示会場をしっかり歩き回って酒を抜いたら、仕上げのビールは、デックス東京ビーチかアクアシティのオープンデッキで、レインボーブリッジを眺めつつ、本腰を入れてグッといくとしよう。(2007年7月6日食記)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます