日々是好食…夏の終わりの親子丼

先日、最寄り駅が街の情報番組にとりあげられ、なじみの店がいくつか画面を飾った。駅ビルにあるとんかつ屋は、ボクシングの世界チャンプが料理長をしていたことで、当時は結構話題になっていた。その名も「チャンピオン丼」なるメニューがあり、豚肉にたっぷりの野菜にニラやニンニクを和えた、かなりのスタミナ食。とんかつ屋のメニューにしては異色だが、計量を気にするアスリートならありがたい逸品だ。

夏の終わりに暑さ負け気味で、たまった疲れが出て食欲がない最近。昼飯時に店の前を通ったものの、とんかつはもちろん、チャンピオン丼でも強すぎる。こんなコンディションでスッと胃に通る丼は、親子丼に限る。ご飯と鶏肉を箸でかるくつかみ、グシッといくとダシが染みた肉汁がジュッ、きめ細かい歯ごたえがホクッ。それを半熟トロトロの卵が艶めかしく包み、何の抵抗もなくスルリスルリと進む。

二軒隣の地鶏の店では、ランチタイムの伊達鶏の親子丼が名物だ。つくねが入り、とろろ仕立てなのがまたありがたい。プリプリの鳥だんごを黄身にネットリからめ、とろろご飯を茶漬け風にザクザク。食欲の秋に向けて体調も食欲もしっかりリカバリし、次回は減量明けのボクサーのごとく、チャンピオン丼をペロリとKOといきたいものだ。