小学館ノンフィクション大賞受賞、青柳裕介の漫画の原作にもなった『まぐろ土佐船』の作者である斉藤健次さんの店「炊屋」に行った。炊(かしき)とはマグロ船の料理人のことで、ご飯のおかずは毎日、縄を上げる途中でサメにかじられ売り物にならないマグロだから、船員たちが飽きないようにバリエーションも豊富だ。
店では船橋市場からまる1本マグロを仕入れており、それらをうまく使いきっている。写真はつくりとマグロの目玉の煮込み。目利きが見事だからつくりはサラリと瑞々しく脂がほどほど。つくりはマヨネーズ和えもあり、船中でうっかりサラダのマヨネーズに落とした刺身を食べたらうまかったことで、漁師の間に流行った食べ方とか。そして目玉のトロリ、濃厚なこと。特に裏側の肉は赤身を焼いたりしたものよりも深いコクがあり、絶品。
料理はどれも500円~800円程度と安いうえ、量が軽く2人前以上あるボリュームも凄い。二人でおじゃましてご主人と談笑し、いろいろ食べて7000円!自宅から2時間弱かかるけど、また行ってみたいいいお店だ。
おまけは高知の酒「酔鯨」に合わせて斉藤さんにおススメ頂いた、マグロの酒盗。カツオのがどろりとしているのに対し、これはサクサク、しょっぱ目で瑞々しい。マグロの内臓は船の上で解体して抜くため市場に流通せず、これは漁師が家族のお土産につくる特製品。コーヒーの瓶や一升瓶にいれてつくるそうだ。売ってくれないかな?
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