ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日本百貨店さかばのお雑煮イベント@八重洲

2019年05月18日 | 町で見つけた食メモ
昨日は久しぶりに、日本百貨店さかば「どようび」にお邪魔。テーマはお雑煮で、研究家でもある「お雑煮屋さん」の粕谷さんが選んだ3地域の品を味わった。餅を取り出して絡めて食べる、とのお題が面白く、それぞれ別添えのからませものが興味をそそる。以下、粕谷さんの説明より。

くるみ雑煮は岩手の宮古からで、煎って潰してだしを加えたくるみだれが添えてある。香ばしく濃厚な甘さが、ハレの食らしい華やかさだ。クルミは国産のオニグルミという種で、固い上に取り出しづらく手間だが岩手で常食されているという。子供が集め、親が割るなど仕込みは家族総出でかかる、甘さが魅力のごちそうだそうだ。だしは煮干しのみと相当あっさりしており、クルミの濃厚な甘さと対照的である。具材はにんじんごぼうだいこんに、軒に吊るして干した凍み豆腐、場所柄イクラも加わり、セリが風味づけとなる。

白味噌雑煮は奈良で広く食べられており、別添えはきなこでこちらも甘い。きなこは金をイメージしており、豊作祈願につながるという。白味噌も甘めだが、カツオを使わない昆布のみのだしがかなりさっぱりしており、なめらかで柔らかい味わいだ。具材は金時人参、細い雑煮大根、サトイモで、輪切りにして「円満」を表現しているそう。また豆腐など四角いものがひとつ入るのが決まりで、こちらは蔵をイメージして金運や豊作を祈願しているという。

熊本の雑煮の別添えは、なんと納豆。西日本、九州は納豆を食べないイメージがあるが、福岡・熊本・大分の県境が合わさる近く(大分の日田など)は納豆食文化なのだそうだ。しかもハレの食で、暮れに作って三が日などに食べるのが面白い。地域というか家というかでは、大根おろしも出すそうで、どちらも関東の人間としては普段使いの親しみやすさがある。

地域の食文化のさまざまな要素が含まれているのが、雑煮の面白いところ。次回もまた新たな地域への、雑煮での食の旅にお邪魔しよう。

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