ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

那珂湊てくてくさんぽ12

2018年11月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
水戸は仕事で様々な安いビジネスホテルに泊まっている中、「みまつアネックス」は3400円ながらそこそこの広さが嬉しい。朝食バイキングが特徴で、場所柄、たっぷり練られた納豆か取り放題。刻みたくあんやオクラと混ぜ込むと、なかなか水戸らしい一品になる。オススメレシピでは、朝カレーの上にこれをのせる、とあるが…。

では、少しだけ朝散歩したら、東京へ帰りましょうか。

那珂湊てくてくさんぽ11

2018年11月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
那珂湊てくてくさんぽの最後を締めるおみやげ(ロケハンでは最初に行ってるが)は、何といっても干し芋。那珂湊は茨城県内で干し芋を最初に生産し始めた地で、県が全国シェアの9割を超えるうち、那珂湊の生産比率も依然高い。その干し芋の聖地で訪れたのは、駅そばの大丸屋。明治30年の創業120年あまり、無添加と当時と同じ手作りの製法にこだわっている、いわば那珂湊の干し芋製造の元祖たる店である。

老舗と聞いて伝統ある古商店の店構えかと思ったら、店舗は近代的なガラス張りで明るい雰囲気が漂う。広々した売り場には、品種や加工法やサイズなどがさまざまな干し芋がずらりと並ぶ。いずみ、紅まさり、星こがねほか紫芋やヘルシーレッドなど特色ある品種も見られ、食べきりサイズを数種試し買いして、食べ比べてみるのが楽しそうだ。

ということで、那珂湊てくてくさんぽ・ロケハンミッションはコンプリート。再びひたちなか海浜鉄道のローカル線に揺られて帰る…かどうするか?

旅で出会ったローカルごはん…那珂湊 『喰い道楽すみよし」の、那珂湊やきそば

2018年11月18日 | ◆旅で出会ったローカルごはん

那珂湊さんぽのごはんはご当地グルメということで、那珂湊焼きそばのお店へ。焼きそばといえばグルメイベントで得票しやすく、後発のご当地食にありがちだが、これは50年以上の歴史を持つ、地元の漁師にも食べ続けられてきたローカル焼きそば。魚の街として観光客が殺到するはるか前から、当地に根付いた食なのである。市街では「那珂湊焼きそばのれん会」に加盟した12店で提供しており、「喰い道楽すみよし」は製麺所とともにこの焼きそばを考案したとされる一軒だ。

中で450円、大でも550円の値段も嬉しく、大とサイドに茨城のローカル魚介・アンコウの唐揚げも注文した。大盛りの麺は見た目がかなり白っぽく、ズッといくとやわっとしたアタリが何とも穏やか。同じ蒸し麺の富士宮焼きそばがグイグイ腰がある硬派なのに比べ、こちらは荒っぽい漁師町ながらナヨッとしとやかな麺である。手延べ製法による太麺を高温高圧で蒸した「手延べせいろ蒸し麺」が那珂湊焼きそばの特徴で、この店では蒸す際にとんこつスープを差し水にしているとのこと。色の割に、味がしっかりついている訳だ。

さらに味の秘訣として、ここではラードを麺にからませているそうで、焼きそばにつきもののソースはシャバシャバに薄めのが底にサッと敷かれている程度。麺がかなり濃厚に仕上がっているので、中濃ソースなど使うと辛過ぎてしまうそうである。具はよく見るとキャベツのみ、紅生姜を混ぜ込んでいるのが珍しく、たっぷりの青のりとともに薬味が主役を張るのもまた、独特だ。麺本来の味を楽しむ日本人の味覚向けの焼きそば、といえなくもないか。

アンコウはフリッターに揚げてあり、衣が軽やかでサクサクといける。タネのアンコウはまだ走りだけに、身が締まりグイグイと挑発してくる、ストロングスタイルの白身である。焼きそばともどもビールとの相性もよく、さんぽの締めの一献にはもってこい。魚どころとはまた違った表情の那珂湊が、しっかり見えてきたてくてくさんぽである。


那珂湊てくてくさんぽ10

2018年11月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
那珂湊てくてくさんぽ、大洗のかんぽの宿のそばで気になる佇まいのお寺を見かけ、那珂湊に戻る前に立ち寄った。願入寺は親鸞上人の嫡孫にあたる如信上人を開祖とする、本願寺系の古刹。水戸光圀が藩主の頃にこの場所へ移され、水戸藩から寄進された門扉には、草花の鮮やかな装飾の中ほどに葵の彫り物が堂々と配されるなど、徳川家の寺社建築の華やかさをとどめている。

本堂、開基堂など大きな堂宇が境内に見られるが、東日本大震災の被害を受け未だ復旧していないのが痛々しい。東日本最大といわれる鐘は、もとあったものが那珂湊反射炉へ送られる途中で船が転覆して水没し、復元されたもの。「やすらぎの鐘」とあり、ひと撞き300円は復興への協力にもなっているようだ。

自身がいた間は訪れる人はなく、隠れた名刹といった趣きがある。おさかな市場を訪問の際は、ぜひひと足延ばして。

那珂湊てくてくさんぽ9

2018年11月18日 | てくてくさんぽ・取材紀行
那珂湊てくてくさんぽ、那珂湊と大洗は那珂川を挟んで対峙しており、歩いても割と近い。両者を結ぶ海門橋は、名の通り那珂川河口の最初の橋である。かつては200メートルの5連コンクリートアーチ橋で、茨城交通水浜線の路面電車も走っていたそうだが、何度か架け替えられ現在のは昭和38年築の5代目になる。15メートルの高さは、遠洋漁業の大型船を通すためのスケールとか。中央の赤いランガーアーチが、太平洋をバックにくっきりと映える。

歩道には魚どころらしく地魚のタイルやオブジェが施してあり、渡るにつれ勉強にもなる。中程には「キラキラドリームベル」なる歯の浮くネーミングの鐘が据えてあり、大切な人と一緒に世界に向かって鳴らすのだとか。大切な人と歩いてこの橋を渡るシチュエーション、どんなもんだろうか?

橋を渡れば水族館がお出迎えだが、残念ながら今回のさんぽではスルーにて。「公務」を済ませたら、引き返しましょう。