ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

中津てくてくさんぽ5

2017年08月06日 | てくてくさんぽ・取材紀行
中津朝さんぽ、中津城の対岸は、中津川とその本流の山国川に挟まれた中州となっている。細川忠興が藩主の際に、ここの小祝という集落に福岡県行橋の今井浦から、腕利きの漁師を集めハモ漁をさせた所以がある。地図によると、中津川の河口に漁港があるようで、お城から土手をのんびり海方面に走ってみた。

史実から江戸期の漁師町風情をイメージしたら、到着してみると広い敷地にゆったりとした係留護岸が整備され、なかなか近代的。中津の近海は古くから遠浅で、干満差が大きいため干潮時には干上がってしまい、漁船の係留に支障をきたしていた。そこで昭和48年から10年がかりで整備したのが、この小祝漁港である。隣接する町名も「小祝新町」で、まさに漁港とともにつくられた町である。

この日は日曜のため休漁で、漁師がパラパラと漁具の手入れをしている程度と、広さも相まってガランと閑散としている。係留されている漁船は屋根のない小型船が中心で、かご網や底引き網を載せ、巻上げ機を備えている。中津川の河口近海は砂底のため操業しやすく、タコやイカ、ワタリガニを狙ったカゴ漁や建て網漁、やや沖合ではハモやシタビラメを狙った底引き網が主流という。シタビラメはフランス料理にも用いられる高級魚介で、地元では「ベタ」と呼ばれ一夜干しが人気とか。第三日曜に開かれる「漁師さんの朝市」でも、売れ行き上々の品だそうだ。

ハモは細川時代からの繋がりで、今でも小祝漁港の主要漁獲である。これは「ローカル魚」にて。