ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

日々是好食…ちゃんぽんの本質

2015年08月11日 | ◆日々是好食
リンガーハットのちゃんぽんは、値段が500円ちょっと。それなりの価格だからか、トッピングの仕様はほどほどだ。キャベツは芯の固いところにあたったり、モヤシは根っ子がとらずママだったり、ニンジンの薄さはスライサー技術の極意だったり。豚肉は探すのが大変な代わりに、紅色に染まったカマボコがごってりなのも、ご愛嬌である。

もちろん、これらは全部褒め言葉。ちゃんぽんはそもそも、長崎に留学していた貧乏な学生向けに、中華料理店が安く提供できるように編み出されたという説がある。安価に手に入る庶民的な野菜や、長崎特産のカマボコを用いた、財布にも体にも優しいローカルごはん。リンガーハットのもファーストフードとはいえ、その理念はしっかり継承されている一品といえる。

クリーミーなトンコツスープにぶっとい麺をからめ、キャベツやモヤシとザシザシ、カマボコとともにホクホク。野菜は見た目はさておき、すべて国産で産地にもこだわり、ヘルシーな気配りにルーツの気概がうかがえる。本場長崎へ旅すれば、赤や橙の原色ギラギラの中華料亭で、ナマコにフカヒレにアワビがのった1000円オーバーのが目につく。普段使いの料理ゆえの本質を鑑みれば、リンガーハットに軍配を上げるのは、贔屓過ぎかビンボーだからか。