よく知られた黒毛和牛の銘柄肉は、肉質・歩留ともトップの「A5」ランクと思われがちだ。が、A5が定義となっている銘柄は、実は仙台牛のみ。日本三大和牛においては松阪牛も近江牛も、肉質と歩留の基準が設けられていない。代わりに定義で目に入るのが、「当地で最も長く飼育された」との言葉。生産流通が農漁業の収穫・漁獲物より複雑な畜産物において、ローカルさ、ご当地さをしっかり推す定義付けに、産地の食材としての親しみを感じずにいられない。
琵琶湖に面した公共の宿「休暇村近江八幡」は、温泉と近江牛の宿との愛称通り、近江牛のバイキングつき宿泊プランを用意している。コーナーで目を引くのは、鮮やかなロース肉が敷かれたすき焼きの小鍋がズラリ並ぶ様。卓に運びクツクツと煮上げたのをサッと溶き卵にからめていただくと、なめらかにトロ甘いこと。キュッとした脂以上に赤身の部分の甘みが強いのが印象的で、きめ細かく優しい食感に顔がほころばずにはいられない。つゆと肉の味がじっとり染みた春菊、近江八幡名物の赤こんにゃくがシコシコ、丁字麩がフワグシュッ、など、脇の地野菜や郷土の味が、ご当地肉料理さを一層盛り上げる。
すき焼きのみならず、これまた赤身のストレートな甘さがかむたびににじみ出るローストビーフ、ゴボウの土の香りとシャッキリ歯ごたえに肉の味が支えられたキンピラなど、食べ放題ならではの近江牛料理の数々もなかなかの実力。締め麺はなんと近江牛肉入り焼きそばで、ソースとマヨをかけまわしていただくのが、三大和牛様に失礼なような、B級な旨さの背徳がたまらないような。
等級縛りがないことは、様々な予算や形態で触れられることにもつながる。予算の範囲にて、生産地でご当地銘柄肉をたらふく味わえれば、旅心がいっそう満たされるというものだ。宿では近江牛の販売店「村のお肉屋さん」を併設しており、明日は29日の「肉の日」。ご当地銘柄肉の割引デーに出くわしたのもまた、旅にてのご縁か?
琵琶湖に面した公共の宿「休暇村近江八幡」は、温泉と近江牛の宿との愛称通り、近江牛のバイキングつき宿泊プランを用意している。コーナーで目を引くのは、鮮やかなロース肉が敷かれたすき焼きの小鍋がズラリ並ぶ様。卓に運びクツクツと煮上げたのをサッと溶き卵にからめていただくと、なめらかにトロ甘いこと。キュッとした脂以上に赤身の部分の甘みが強いのが印象的で、きめ細かく優しい食感に顔がほころばずにはいられない。つゆと肉の味がじっとり染みた春菊、近江八幡名物の赤こんにゃくがシコシコ、丁字麩がフワグシュッ、など、脇の地野菜や郷土の味が、ご当地肉料理さを一層盛り上げる。
すき焼きのみならず、これまた赤身のストレートな甘さがかむたびににじみ出るローストビーフ、ゴボウの土の香りとシャッキリ歯ごたえに肉の味が支えられたキンピラなど、食べ放題ならではの近江牛料理の数々もなかなかの実力。締め麺はなんと近江牛肉入り焼きそばで、ソースとマヨをかけまわしていただくのが、三大和牛様に失礼なような、B級な旨さの背徳がたまらないような。
等級縛りがないことは、様々な予算や形態で触れられることにもつながる。予算の範囲にて、生産地でご当地銘柄肉をたらふく味わえれば、旅心がいっそう満たされるというものだ。宿では近江牛の販売店「村のお肉屋さん」を併設しており、明日は29日の「肉の日」。ご当地銘柄肉の割引デーに出くわしたのもまた、旅にてのご縁か?