ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

一献一品出合い酒@下呂温泉

2014年08月05日 | ◆一献一品出合い酒
白鷺の湯に近い郷土料理「里の味 千田」にて、生ビールグラス×じゅんさい酢。賑わいの温泉街で湯上がりの喉を潤すなら、とりあえずの小を一杯とさっぱり水藻の肴との、このコンビが似合う。

猛暑の谷間ながら、夕刻の蒸し暑さはひとしおの山間の湯処。露天風呂上がりの汗も引かぬうちに駆け込んだ店で、口開けの杯は涼しげな組み合わせといきたいところ。軽くグラスにしておいたビールは、グッとひと口でまたたく間に半分に。なくなる前にと受けるアテが、つるりぬるりと箸からこぼれ逃げ大変大変。ぬめりの厚い証拠でもあり、舌にフルフルトロリ、歯ごたえシャクシャクと、魅惑の食感と青い香気に一瞬の涼感が走り抜ける。山国の夏、温処の夏、ほてりが潤される一期一会。

暖簾をくぐり次々と、浴衣に下駄の湯客が来訪する、温泉街の小粋な店。湯上りの一杯が軽く覚めてきたら、次なるハシゴでくぐるのは、赤提灯と縄のれんかそれとも、「湯」の字の染め抜き紺暖簾のほうか。一献一品の小さな酒宴、いい湯だ天下泰平なり。