フィンランド特派員(=昨秋に1週間ホームステイしていた長男)からの、現地食情報をFbにアップしていた際、当地の料理を某国の大統領が「英国よりちょっとうまい程度」と評していたのを資料で読んだ。あいにく褒め言葉にあらずで、イギリスの料理は欧州の食文化の中でも、なぜかよろしくないイメージがひとり歩きしている。
本格的に食べたことのない自分は云々語れる立場にないが、思い浮かぶ料理と言えばフィッシュ&チップスだ。白身魚のフライをたっぷり敷いたベイクドポテトの上に乗っけたもので、いわばイギリスを代表するファーストフード。日本でもビアホールの定番のアテになりつつあるようで、最近は割と食べる機会がある。
現地版は新聞紙にくるんで売っているとか、衣がやや厚手とか油が多めとか、かの国料理における件の評価の要因という話も聞いたことがある。でも自分が食べたのはクリスピーなフライとホクホクのポテトのコンビネーションが、ビール党なら喉が鳴るうれしさ。ビールで溶いた衣のフライに、大麦から作ったモルトビネガーをかけ回して食べるのが地元流で、麦つながりだからビールに合うのだろうか。
白身魚とくればローカル魚、と材料の出所を調べたところ、英国近海産のタラやヒラメを使っているとあり、れっきとした地魚料理でもある。この料理、イギリスの食文化を有する国のいくつかに存在し、オーストラリアやニュージーランドではバラマンディにホキと、それぞれの国の近海魚を使っているのが面白い。ハワイではローカル丼のロコモコにも使う、代表的な大衆魚のマヒマヒ(シイラ)のフライだそうだ。
庶民派料理でありながら、地球の裏側や南半球まで伝播していて、世界各地のローカル魚にも対応しているとは。ワールドワイドで懐が深いイギリスのローカルごはん、実績も味ももっと世界的に高評価されてもいいのでは?