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ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

反格差デモ

2011年10月16日 | 社会・政治

   ニューヨークが発信源の反格差デモ、東京でも行われましたね。
 インターネットで呼びかけられ、世界の主要都市で一斉に行われた模様です。
 ネット社会独特の広がりを見せて、興味深いものです。
 しかし反格差というスローガンがいかにも分かりにくく、東京では和やかなお祭りのようでした。
 冷静に現代日本社会を見るに、歴史的にも、他の国との比較でも、例外的に格差の少ない社会だと思うのですがねぇ。

 水俣病公害訴訟時のデモのような真剣味がなく、何をどう改革したいのか、デモ参加者はもちろん主催者にも分からない様子。
 一方ローマでは一部が暴徒化し、商店略奪などの犯罪行為が起きたとか。
 なんで暴徒化しちゃうんでしょうねぇ。

 今回のデモ、反格差とは銘打っていますが、反原発だったり反核だったり、プロ市民が好むスローガンが総花的に散りばめられていました。
 おそらくこの手のデモは、目的がはっきししないだけに、一般参加者をプロ市民がリクルートする場になるだけで、これといった盛り上がりも効果もなく、収斂していくものと思われます。
 そういう意味では、衰退著しいプロ市民が生き残りを賭けて打ち上げた花火だったのかもしれません。
 プロ市民といえば聞こえは悪くないですが、成田闘争やなどに寄生して生きる社会のダニというか、チンピラのようなもの。
 
 反格差なんていう抽象的な概念に寄生するのは不可能ですよ。

 一般参加者もそんなデモに参加したって一銭も給料は上がらず、貴重な休日が無駄になるだけですから、お止しになってはいかが?
 生まれつきのお金持ち以外は、自分にできる仕事をみつけて、こつこつやるしか、稼ぐ道はないのですよ。

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赤旗

2011年10月15日 | 社会・政治

 共産党の機関紙、「赤旗」が9月から月間購読料を500百円も値上げして、2,900円から3,400円にしたそうですね。
 部数が落ちて共産党の収入が減っているから、だそうですが、ますます部数が落ちるんじゃないでしょうかねぇ。

 今、朝日、読売、毎日の三大紙は、朝刊のみだと毎月3,007円。
 産経がちょっと安くて2,950円。
 日経はちょっと高くて3,568円。

 社会面やスポーツ面を充実させることで、安いほうが良い、というイデオロギー色の無い読者も獲得していたと思われます。
 それが今回の値上げで、一気に他紙に逃れるでしょう。
 あるいは純化運動でしょうか。
 共産党員以外の読者は離れても良い、とか。
 しかし皮肉なことに、「赤旗」読者で共産党支持者の次に多いのは、自民党支持者。
 「赤旗」や共産党が政権奪取は不可能と見て、正論しか吐かないことは、自民党や民主党の政治家も高く買っています。
 例えば北方領土の問題について、共産党だけは、南樺太も含めた日露戦争終結で日本が得た領土をも返還せよ、と主張しています。
 正論ですねぇ。

 各党の先生方も、聖教新聞は読まなくても、「赤旗」は必ず読むと言われていますね。

 じつは私は、選挙では今まで二つの党にしか投票したことがありません。
 自民党と共産党です。
 優れた候補者がいるときは自民党に、どこにも入れたくないときは正論しか吐かない共産党に投票してきました。

 もちろん、いつまでも幹部が交代しなかったり、党内の役職をどうやって決めているのか不透明だったり、筆坂秀世みたいに辞めた共産党員は途端に共産党の悪口を言うようになるとか、共産主義政党独特の不気味さはありますが、それでも、まあ、痩せ我慢のように正論を吐き続ける姿は立派です。
 政党助成金は憲法違反だと主張して、共産党は受け取りを拒否しているのですよねぇ。

 いわゆる共産主義体制の壮大な実験は、今のところすべて失敗に終っているので、共産党を名乗り続けること自体、もはや無意味なんでしょうねぇ。
 他国にはない気骨を見せる日本共産党。
 常に衆参合わせて5人くらいの勢力を維持し、誰も聞かない正論を吐き続けて欲しいですねぇ。
 庶民の味方、「赤旗」の大幅値上げはそれだけに残念でした。

日本共産党 (新潮新書)
筆坂 秀世
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いますぐ読みたい 日本共産党の謎
筆坂秀世,筆坂秀世
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アテッィク

2011年10月15日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

  昨夜は古典的ホラー「アティック」を観ました。
  タイトルからしてattic(古風な)というのですから、期待しないわけにいきません。 

 ある中古住宅に引っ越してきた一家。
 吝嗇家の父親、美人で頼りない母親、知的障害者の長男、やや神経症気味の妹です。
 環境の変化のせいか、妹の神経症はますます進み、ついには自分には生後数日で亡くなった双子の妹がおり、その霊が一家に災いをもたらしている、と信じるようになります。
 精神病院への入院を勧める医師。
 
 ある日、兄が事故で亡くなってしまいます。
 双子の妹の霊の仕業だと信じる彼女。
 警察は彼女を疑います。
 彼女の言葉を信じてやさしく接し、ついには深い仲になってしまうイケメン刑事は何者なのか。
 そもそもこの世の存在か。
 謎は謎のまま、彼女の被害妄想は最悪の事態へと暴走していきます。

 そつなく見せる王道ホラーですね。
 安心して観ていられますが、私のようなコアなホラー・ファンにはやや物足りません。
 もう一ひねりほしいところです。

 http://www.tsutaya.co.jp/works/10128735.html

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またか

2011年10月14日 | その他

 今日職場の喫煙室でたばこを吸っていて、奇妙な現象がありました。
 喫煙室の扉はガラス張りなのですが、私がたばこを吸い始めると、青いつなぎを着た清掃業者らしき初老の女性が、一生懸命扉のガラスをふいているのです。
 見たことのない清掃業者だな、新人さんかな、と思ってその熱心な仕事ぶりを眺めていると、ふいに、消えてしまいました。

 ああ、またか、と思いました。

 私は過去に何度も同じような現象に出くわしています。
 共通する特徴は、
  ①そこに生身の人間が生きて活動しているようにしか見えないこと、
  ②突然消えてしまうこと、
  ③無表情であること、
  ④私に対し、何の悪意も善意も持っていないらしいこと、
  ⑤私に対して何らかのアクションを起こすことがないこと、
と、いったところでしょうか。

 悪夢や金縛りなど、睡眠にまつわる恐怖体験は高校生くらいから、疲労している時などによくありました。
 しかしそれは、覚めてしまえば、ああ夢か、で終わってしまう他愛のないもの。

 当初うつ病と診断され、後に躁うつ病と診断が変わるわけですが、ちょうど診断が変わる頃、初めて今日のようなことがありました。
 その時は白髪の紳士が私の車の運転席に座っており、私が鍵をかけ忘れて呆けた老人が乗り込んだものと思いこみ、叱ってやるつもりで車のドアに手をかけたら消えてしまいました。
 その時も、生身の人間としか思えない、強いリアリティを感じました。

 医師に相談したところ、医師は微笑んで明確な答えを出しませんでしたし、幻覚を見なくする薬というのも出しませんでした。
 悪夢に苦しんでいるときは出してくれたんでけどねぇ。
 精神科医なら当然幻覚だと説明するだろうと思っていたので、拍子抜けしました。
 こういう現象に対しては、精神科医にしては珍しく、ニュートラルな態度を取ることにしているようです。 

 私に時折おこるこれらの現象が何なのかはわかりません。
 幽霊にしては全然怖くないし、私に何かを訴える風でもなく、ただ何となくそこに存在しているホームレスのようです。

 では幻覚かというと、幻覚にしてはずいぶん地味なような気がするのですよねぇ。
 幻覚というともっとこう、極彩色で、ロックかなんかが激しく流れていて、というイメージなんですが、全然違います。

 結局私は、これらの現象を、主治医と同じ姿勢でやり過ごすことにしています。
 わからないことは、微笑んで答えない、追求もしない。

 別段私に害があるわけでもなく、しょっちゅう起こるわけでもないので、放っておくしかありますまい。

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GNH(国民総幸福量 Gross National Happiness)

2011年10月14日 | 社会・政治

   ブータンの国王陛下が結婚されたそうですね。
 なかなかの美男美女の微笑ましいカップルです。

 ブータンは1907年に王国が成立した、新しい国。
 現国王はまだ5代目です。
 チベット仏教を国教とし、国民の多くは輪廻転生を固く信じているとか。
 また、豊富な水資源での水力発電により、隣国に電力を売っているため、国は総じて豊かで、前国王は、GNP(国民総生産)に対し、GNH(国民総幸福量 Gross National Happinessという概念を提案し、これによってブータンは大国ではないが幸せに暮らせる国、という印象を植え付けることに成功しました。

 しかし、国内でエスカレーターのある建物が建ったのが去年が最初だったとか、1999年まではインターネットはおろかテレビまで禁じられていたとか聞くと、怖ろしい抑圧国家なのかと疑ってしまいます。

 今はネット・カフェや携帯電話が普及し、ブータン流の幸福論では我慢できない者たちが増えているやに聞き及びます。

 そりゃあ、そうですよねぇ。
 国策として経済的な鎖国みたいなことをやったって、情報はどんどん入ってくるわけですから、生活が便利になると思えば、物質的な豊かさを欲しがるのは当然だし、楽したいという欲求が様々な便利な自動車や家電製品などを生み出してきたことは間違いなく、それによって現に人間の暮らしは楽になっています。
 物質的豊かさは、幸福のための十分条件ではなくても、必要条件ではあるように感じます。

 GNHという指標、考えてみれば傲慢な発想です。
 ブータンはそこそこ豊かで、食うに困るほどの経験がないから、そんなゆるいことが言えるのでしょう。

 世界最貧国の一つ、ブルキナファソなどは、栄養状態が悪く、公衆衛生も悪いことから、国民の平均寿命が40歳くらいだそうです。
 私など、もう2年も前に死んでいなければなりません。

 そんな国に行って、GNHなんて言ったら、怒られてしまうでしょう。
 なんでもいいから食い物を寄こせ、と言われるのがオチでしょう。

 そんな幸せな国の国王夫妻、新婚の喜びもつかの間、これから難しい局面に突きあたるでしょう。
 経済発展を目指す開発を進めて自由主義経済を導入し、情報革命という未曽有の事態に立ち向かっている世界の国々と同じ土俵に立つのか。
 あるいは前国王が提唱したGNHなるものを念仏のように唱えながら開発を拒絶して貧しくはないが不便な生活を続けるのか。
 あんまり考えている時間はありませんよ。

幸福王国ブータンの智恵
アスペクトブータン取材班
アスペクト
GNHへーポスト資本主義の生き方とニッポンー
天外伺朗
ビジネス社

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アーバン・エクスプローラー

2011年10月14日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 昨夜はベルリンが舞台の不気味なホラー「アーバン・エクスプローラー」を鑑賞しました。

 ベルリンに観光に来た米国人青年、その恋人のベネズエラ人女性、それにフランス人と韓国人のレズカップル。
 この4人が、地元ドイツ青年のガイドで、立ち入り禁止のベルリン地下に広がる巨大な地下壕の探検に出かけます。
 第3帝国時代に作られたもので、東ベルリンではかつて東ドイツ軍が西側への亡命者を狙撃していたという場所でもあり、病院施設から、巨大ホール、などがあり、お目当てはヒトラーの運転手が使っていたという巨大な壁画です。
 第3帝国の理想をグロテスクに描いた悪趣味な壁画。
 彼らはそこを見学して、帰ろうとしますが、ガイドが誤って穴に転落。
 レズカップルは助けを呼びに行き、ナースでもあるベネズエラ人と恋人の米国青年は手当のため残ります。

 しばらくすると、どこからともなく現れた白髪の老人が、地下壕内部にある病院のような部屋に運び込みます。
 緊急電話で応援を呼ぶと、米国人青年とその恋人に肉のシチューをふるまいます。
 話すうち、老人はかつて東ドイツ軍で特殊任務についており、亡命者を狙撃した話や、アフガニスタンでムジャヒディンの捕虜の皮を生きたまま剥いで惨殺した話を、得意げに満面の笑みを浮かべて語って聞かせます。

 不審を覚える二人。

 そして老人は、昔取った杵柄で、二人を襲い、拷問にかけます。

 どうも少し呆けているようで、時折正常に見えるものの、基本的には今はもう存在しない東ドイツに忠誠を誓い、地下壕で不埒な西側の輩を懲らしめているようです。

 米国青年とベネズエラ女、逃げたり応戦したり、長々と老人との死闘が繰り広げられ、さて、二人の運命やにかに、また、レズカップルの行方は?という映画です。

 前半は薄気味悪い閉鎖された地下壕の心躍る探検、後半は変態白髪じじいとの死闘、サーヴィス精神たっぷりですが、なんか無駄に長くてだれるのですよねぇ。

 やっぱりホラーはこれでもか、と見せてはつまらないと思います。
 見えそで見えない、でもやっぱりちらっと見えた、みたいなのが怖いのですよねぇ。

 だから「呪怨」シリーズみたいに出血大サービス全部見せます、みたいなのは、残虐シーンや恐怖シーンを繰り出せば繰り出すほど、お笑いになっちゃうんでしょうねぇ。

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壮大な無駄

2011年10月13日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 映画というのはそもそも壮大な無駄であり、さらに言えば物語や芸術作品はすべて壮大な無駄と言えるでしょう。
 しかし人というもの、衣食が足りると必ず無駄を求めるかのごとく、あまたの無駄が作られてきました。

 私が偏愛する映画監督、ヴィム・ヴェンダース監督の作品はことさら、無駄に長く、無駄な行いを撮影しているようで、それが不思議と心に沁みます。

 冷戦時代のベルリンを舞台に、中年男の外貌をした二人の天使のくどくどしい独白を描いて、当時大評判を呼んだ「ベルリン 天使の詩」

 失踪して米国大陸を彷徨い、行き倒れになった男が幼い息子と再会し、出て行った妻を求める旅を描いてロード・ムーヴィーの金字塔と評され、カンヌでパルム・ドールを受賞した「パリ、テキサス」

 近未来、甘美で怖ろしい自らの夢の世界に溺れ、まるで薬物中毒のようになってしまう人々を描き、退行への暗い欲求を描いた愛おしい作品「夢の果てまでも」

 リスボン市の依頼でリスボンを舞台にすべての映画へのオマージュを捧げた「リスボン物語」

 ドイツ人作家と、母を見失った少女アリスとの不思議な旅を白黒で旅情豊かに謳い上げた「都会のアリス」などなど。

 これらはいずれも私が中学生から社会人1年目くらいに観た映画で、私の映画へのイメージの核となったものです。

 つまり、役にも立たない無駄な物を心を込めて作ること。
 そして無駄なことを仕事にしている人の、なんと楽しそうなこと。
 残念ながら私には、無駄な才能などありませんでした。
 残念です。
 誠に誠に残念です。

 幻想的で切なく、そしてどこか不気味な印象が、私をして極端に残酷なホラー映画へと走らせたのかもしれません。
 
 ヴェンダース監督は小津安二郎のファンでも知られ、監督のおかげで小津ブームが起きたほどです。

 中でも最も好きだった「夢の果てまでも」のDVDが発売されていないのは、残念な限りです。
 

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事業仕分け第4弾

2011年10月13日 | 社会・政治

   懲りないですねぇ。

 来月下旬に事業仕分けをまたやるんだとか。

 最初は自民党が作った予算の仕分けだったからまだツッコミやすかんでしょうけど、民主党が作った予算や事業を民主党の議員が仕分けするなんて、天に唾するようなものですねぇ。
 大体事業仕分けには無駄を排除してお金を生み出す効果がほぼ無いことは民主党自身が認めているところ。
 政策や事業の性格を仕分けるというなら、最初からそんな政策打たなければ良いだけです。

 思えば事業仕分けの目に見える効果といえば、有名な「1番じゃなきゃ駄目ですか?」という元グラビアタレントの一言のおかげで、国民に広く学術行政予算が不足していることを知らしめ、スーパーコンピューター事業のみならず、学術行政全般に予算がつき、お陰様を持ちましてスーパーコンピューターの演算速度が世界一になったことくらい。

 そうすると事業仕分けの結果と逆のことをすれば概ね正しいということになりましょうか。

 皮肉なものですねぇ。

 事業仕分け的なことは、はるか昔から予算編成の時に行われていました。

 まずは各省内で無駄がないかを検討し、次に財務省で厳しく査定し、しかる後国会の論戦を経る、という方法で。
 何も一般公開してテレビカメラを入れなければ事業仕分けに実効性が伴わないわけではありません。
 むしろ短時間で素人が議論することになるため、頓珍漢な結果が続出するという、誠に面白おかしい政治ショーになってしまうことは、これまでの経緯から明らか。

 これが政権の人気浮揚に役立つとか、選挙に有利になるとか考えているのだとしたら、大間違いです。

 むしろ馬鹿の一つ覚えみたいで滑稽に見えることに気付くべきでしょう。

一番じゃなきゃダメですか?
蓮舫
PHP研究所

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年金支給年齢引き上げ

2011年10月13日 | 社会・政治

 野田内閣、唐突に年金支給を68歳以上に引き上げることを検討すると言い出しましたね。
 思えば民主党が政権をとるにあたっては、消えた年金問題を2年で解決すると言っていましたが、約5000万件と言われる消えた年金のうち、照合できたのは、約1584万件。
 半分にも遠く及びません。
 また、厚生年金、共済組合、国民年金に分かれているものを一元化し、歳入庁を創設するなんて話は、まるでお忘れのようです。
 当然、選挙の時には年金の支給開始年齢を引き上げるなんてことは、一言も言いませんでした。
 国民は馬鹿ではありません。
 しっかり覚えていますよ。

 少子高齢化にあたって、現役世代の負担を軽減するために、高齢者への年金支給をできるだけ減額したいという理屈はわかります。
 しかしそのためには、年金が支給されるまでの間、収入なしでは死ねと言っているようなものなので、高齢者雇用の確保ということが必要になってきます。

 現在、一定規模以上の事業所では、希望した者は全員、65歳まで雇用しなければならないことになっています。

 しかし部長クラス以上の、個室でふんぞり返っていた人が、60歳を境に突然非常勤職員ということで最末席に座り、コピー取りから机ふきまでやれというのは、本人にも、周りにも、酷なことです。
 そこで皮肉なことに、出世しなかった者ほど継続雇用を希望しやすく、出世した人は周囲に気遣って定年と同時に辞めていく、という奇妙な現象が起きています。

 今は少子高齢化社会の進行中で、高齢者の生活モデルが確立していませんし、曲がりなりにも65歳には年金がでますので、定年から5年間、貯金を取り崩したり、アルバイトなどでしのぐことが可能です。
 しかしこれが68歳となると、また違った老後の生活設計を求められます。

 無い袖はふれないというとおり、国としてはなるべく高齢者のための支出を減らしたいのでしょうが、人生の最後に路頭に迷う高齢者が続出しかねない拙速な議論は避けるべきでしょう。

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銀齢の果て

2011年10月13日 | 文学

 御大、筒井康隆の平成18年の作品「銀齢の果て」を読みました。
 私は中高生の頃、ツツイストを自認するほど御大の小説を愛読しましたが、大阪と東京の戦争を描いた「東海道戦争」や、ベトナム戦争の観戦を企画する「ベトナム観光公社」などのブラック・ユーモアあふれる作品から、「虚人たち」「虚航船団」など、純文学志向の実験的な作風へと変化するにつれ、あまり読まなくなってしまいました。

 実験的な作品が増えてからでは、退職した元大学教授の心象風景を描いた「敵」という作品がお気に入りです。

 で、今回の「銀齢の果て」、内容は少子高齢化が極端に進んだ近未来、70歳以上の老人同士殺し合いをさせるという相互処刑制度が施行され、ある町で起こる老人たちの殺し合いをユーモラスに、またドタバタ調で描いた作品で、やや先祖がえりした感のある作品です。
 しかし、若い頃のような疾走するスピード感、鬼面人を驚かす趣向は感じられず、御大の筆の衰えはいかんともなしがたいところです。

 映画「バトル・ロワイヤル」では、中学生同士が国家の命令で殺し合いをさせられていましたが、むしろ老人同士の殺し合いのほうが説得力があり、命の国家管理という、SFでたびたび取り上げられる古典的な内容を持ってもいます。

 作中、たびたび描かれる、返り血の熱さ、というのは、新鮮な驚きでしたねぇ。
 そしてまた、死と隣り合わせの殺人ほど、性的な愉悦をもたらすものはない、という記述。
 そういった反則技のような表現がたびたび出てくるところは、さすがは御大と思わせます。
 そうはいっても、ぐいぐいと読ませる力は健在です。

銀齢の果て (新潮文庫)
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タジキスタン

2011年10月12日 | その他

 昨夜はサッカー、ワールドカップアジア予選C組の日本対タジキスタン戦をテレビ観戦しました。



  8-0という、サッカーとは思えないスコアで、日本が圧勝しましたね。
 いったい日本は何本のシュートを放ったのでしょうね。
 試合の大半をタジキスタン側のゴール周辺で行っているような感じでした。
 タジキスタンのキーパー、忙しかったですねぇ。
 ほとんど泣きそうになりながら、最後までゴールを守ろうと努力する姿は感動的でした。
 一方日本のキーパー、ほとんど仕事をする機会がありませんでしたね。
 それは多分、日本チームにとっては良いことなんでしょうけど。



  中国はこの試合を報じて、日本がいるC組は他国にとって死の組だ、などと嫌味なことを言っていました。

 敵ながら、途中からタジキスタンの選手が可哀そうに思えてきて、日本の選手が憎らしく思えてきました。
 判官びいきというやつでしょうか。

 なでしこジャパンといい、今回の試合といい、最近の日本サッカー界は盛り上がっていますね。
 勢いを持続してブラジルに乗り込み、ベスト8とかベスト4を目指すのではなく、優勝を目指してほしいものです。

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コプト教徒

2011年10月12日 | 社会・政治

 エジプトからまた嫌なニュースが飛び込んできました。
 キリスト教の一派、コプト教徒がデモを行った際、鎮圧にあたった国軍が発砲、25人が死亡、300人以上の負傷者がでたというのです。


 
 まずいですねぇ。

 エジプトは国民の9割がイスラム教徒ですが、信教の自由は認められており、わずか1割のコプト教徒とも、表面的にはうまくやってきました。

 それが一気に、宗教対立が激化する恐れがあります。

 アラブの春、と言われた民主化運動がもたらした負の遺産でしょうねぇ。

 東欧でも民主化された途端、民族対立が激化、激しい戦争が勃発しました。
 強権的な独裁国家が急激に民主化すると、どうしても強い権力で抑えつけられてきた社会矛盾や民族間の対立が表面化してしまうようです。
 だからソ連時代を知るロシアの老人などは、ソ連時代のほうが平和で良かった、という人が多いのでしょうねぇ。

 民主化はたいへん結構ですが、その熱狂覚めやらぬうちに、まるで熱狂を持続させたいという欲望に突き動かされたかの如く、宗教対立によるデモ、および武力鎮圧とは、悲しくなりますねぇ。

砂の楽園―コプトの僧院 (異界の小都市)
三宅 理一,平 剛
TOTO出版

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モンスターフルーツの熟れる時

2011年10月11日 | 文学

 私は当代の小説家では、小林恭二を最も偏愛しています。
 「電話男」でのデヴュー以来、奇抜でエキセントリックでどこか切ない物語世界を紡ぎだしてきました。

 中でも、「モンスターフルーツの熟れる時」は、ある到達点に達しているものと思われます。
 渋谷猿楽町を舞台に、めったやたらに性交を繰り返す女や、妖しげな店を経営する女など、4つの物語が同時並行的に語られます。
 やがてその4人は幼馴染であり、子ども時代に「わたし」が交わしたある約束を実現するため、ある者は霊となって、またある者は美を実現した女神となって、「わたし」の下に集います。
 彼らは言わば、「わたし」の使徒。
 そして「わたし」が約束した将来の夢とは、破壊の王になること。
 破壊の王となって、ヒトラーですら成し遂げられなかった、「我々は世界を焼き尽くす」という夢を実現すること。

 ここに、大人に成りきれないモラトリアム人間の悲哀を見るのは、うがち過ぎでしょうか。
 その夢は、プロ野球選手になりたい、とか、宇宙飛行士になりたいとかいう、少年の日の戯言に過ぎません。
 しかし「わたし」は、大真面目に、その野望を果たそうとするのです。
 絶対に実現不可能な夢を描くのは、少年の特権。
 それを実現しようなんて、切ないですねぇ。

 小林恭二の小説には、荒唐無稽のようでいて、どこか切ない雰囲気が漂います。
 最新作「麻布怪談」にも、40ちかくなって江戸で遊学する学生とこの世ならぬ者の恋が語られ、それは怪談というよりも、幻想美の世界としか言いようのないものです。

 でも不思議ですね。
 私が偏愛する作家や歌い手は、あんまり売れないのですよ。
 近代最高の作家だと私が考える石川淳なんかも、その文学世界は高く評価されても、多くの読者を得られないのですねぇ。
 石川淳「紫苑物語」など、神話的な題材を、軽妙な戯作風の文体で描き、読む者を圧倒します。

 そういう意味ではここ何年もノーベル文学賞候補に挙げられている村上春樹など、恵まれていますね。
 出版すれば即ベストセラーですからねぇ

 いつか小林恭二の作品がベストセラーになることがありましょうか?
 ちょっと無理かなぁ。

モンスターフルーツの熟れる時
小林 恭二
新潮社
電話男 (ハルキ文庫)
小林 恭二
角川春樹事務所
麻布怪談
小林 恭二
文藝春秋
紫苑物語 (講談社文芸文庫)
立石 伯
講談社

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中村芝翫、死去

2011年10月11日 | その他

 歌舞伎女形の大看板にして人間国宝の中村芝翫が亡くなりましたね。
 83歳、今年の夏まで舞台を務めていたとのことで、歌舞伎役者としては最高の死にざまではないでしょうか。


 化粧が映える端正な顔立ちで、女形のトップでした。
 長男は中村福助、二男は中村橋之助、義理の息子が中村勘三郎と、そうそうたる成駒屋の総領でした。

成駒屋の紋です。

 歌舞伎を見に行くと、市川團十郎市川海老蔵成田屋などとならんで、成駒屋の粋な掛け声が聞かれました。
 なりたやっなりこまやっ、と短く声援を送るのが粋とされていましたが、時折女子大生などが、なりこまやーなどと、間抜けな掛け声をかけて、客席から失笑が漏れるのも、近頃の歌舞伎ではご愛敬になりました。

 建築中の新しい歌舞伎座の舞台に立ちたかっただろうと思いますが、十分に芝居をして、ほっとしているのではないでしょうか。

 自身の芸を語った本や、自伝も出版した文筆家でもありました。

 ご冥福を祈ります。

芝翫芸模様
中村 芝翫,小玉 祥子
集英社
福家族―神谷町物語
中村 芝翫
ベネッセコーポレーション

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あぁ、やれん

2011年10月11日 | 思想・学問

 昨日「猿の惑星 創世記(じぇねしす)」を観ていて、つくづく人間を始めとする霊長類は、争いごとが好きなのだなぁと感じました。

 考えてみると人間のやることと言えば、食うための労働と、子孫を残すための生殖と、おのれもしくはおのれの同族全体の欲望を満たすための争いに終始しているように見えます。
 どんな小さな組織でも、小さな権力闘争やら出世争いがあり、しかも人はそういう話が大好きですね。
 物語といえば生殖のためでしかないはずの男女間の恋愛を描いたものと、戦国絵巻のような権謀術数渦巻く争いのものばかり。
 NHK大河ドラマがもっぱら戦国時代や源平の争乱、幕末など、乱れた時代を題材に選ぶのは、視聴者が殺し合いや権力闘争の話を好むからに他なりません。

 どうせ放っておいても死ぬ者同士が、敵だからとか拝む神様が違うからという理由で殺し合うとは誠に愚か。

 Love&Peaceのような、理屈もへったくれもなくひたすらに平和を願う運動が流行ったり、反核平和教のようなものが戦後日本社会を席捲したのもゆえなしとしません。
 マクロの視線で世の中を見れば、無責任とも言える平和主義が、至極もっともに思われます。

 しかしミクロの視点に立つと、世の中の光景は一変します。

 暗い夜道を歩けば襲われるかもしれず、暴力団やら犯罪者やらが公道を闊歩し、詐欺師がお年寄りを狙う怖ろしい世界。

 国際情勢を見回しても、正義面をぶら下げた米国は世界一多くの大量破壊兵器で武装し、イスラム過激派はテロを繰り返し、中国は恫喝めいた外交を繰り広げ、一人日本だけが平和主義を掲げるのは到底不可能で、現に自衛隊と米軍とで重武装しています。

 挙句の果てには、マクロの視点で正しい絶対平和主義と、ミクロの視点で正しい防衛論議がかみ合うはずもなく、互いの間違いを指摘して攻撃しあったりして、面白いですねぇ。

 昔社会党左派は平和を闘い取るなんて、言語矛盾のようなことを言っていましたっけ。

 結局人間は霊的進化を遂げないかぎり、永遠に愚かな争いを繰り返すんでしょうねぇ。
 それが洗練されて武力による闘争から経済競争になったとしても。

 あぁ、やれませんねぇ。

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