昨夜、小佐古敏荘(こさこ・としそう)内閣官房参与(東京大大学院教授)が、参与の職を辞したとのニュースが飛び込んできました。
なんでも現政権は原子力事故の際に守るべき事故対応のマニュアルを無視して場当たり的なやり方を繰り返し、事故の処理に失敗し続けており、いくらご注意申し上げても取り合ってもらえず、何を言っても無駄なら参与に留まる意味がない、ということが理由だそうです。
わけても幼稚園、保育園、小学校などの放射能基準値を年間20ミリシーベルトまで引き上げたことは、子供を危険にさらし、己のヒューマニズムにてらして到底容認できない、とまで言い放っていました。
私には20ミリマイクロシーベルトという値がどの程度危険なのか見当もつきませんが、原子力が専門の学者がそこまで政権を批判するということは、よほどのことと思われます。
参与就任からわずか一ヵ月半、この間どれだけ悔しく、歯がゆい思いをし、参与という立場がいかに虚しいものかを痛感させられたであろうことは想像に難くありません。
人間の能力には個人差があり、脳の容量も人によって違います。
そういう意味ではコンピュータに似ています。
今はスーパーコンピューターのような指導者が必要な時。
個人ユースの普通のパソコンのような容量と計算能力しか持たない人が権力を握って辺りかまわず怒鳴り散らしても、物事はややこしくなるだけです。
震災は天災でした。
しかしことここに至っては、もはや人災という他なくなっています。
怒りん坊のおじさんは歴史に評価を委ねたいなどと大見得を切っていましたが、外交や経済政策ならいざ知らず、震災復興のごとき案件は、何十年も後になるまでそれが成功だったか失敗だったかわからない、という性質のものではありますまい。
世に憂きことは多かれど、自国の最高指導者が非常時に頼りにならないということほど、国民にとって憂鬱なことはありますまい。
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