昨夜はホラーサスペンス、「リカ」を一気に読破しました。
リカ (幻冬舎文庫) | |
五十嵐 貴久 | |
幻冬舎 |
リカというストーカーに追われる中年男の話なのですが、文章のテンポがよく、ぐいぐいと引き込まれました。
本間という男が出会い系サイトで出会ったリカ。
最初、本間はリカとのメールのやり取りで彼女に好印象を持ちますが、少しづつ、リカの異常さに気づいていきます。
長身で顔色が悪く、目に光が無く、体臭がひどく臭い女として描かれます。
前半から中盤にかけて、ひたすら怖いのですが、終盤、リカと直接対決するにあたり、リカの人物造型に無理があることに違和感を感じました。
ひたすら気持ち悪くて怖いただの女なのか、ジェイソンのような化け物なのか、そこらへんが曖昧です。
リカをひたすら怖ろしいただの人間として描けば、名作、「オーディション」のような作品に仕上がったであろうに、そこが残念です。
オーディション [DVD] | |
村上龍 | |
パイオニアLDC |
オーディション (幻冬舎文庫) | |
村上 龍 | |
幻冬舎 |
「リカ」より後に書かれた、恐るべきストーカー、リカ誕生の秘密に迫った「リバース」のほうが完成度は高かったように思います。
リバース (幻冬舎文庫) | |
五十嵐 貴久 | |
幻冬舎 |