ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

50センチ

2011年02月28日 | 思想・学問

 上海の某中高一貫の共学校で、珍妙な校則が制定されたそうです。

 すなわち、男女が50センチ以内に近づいてはならない、だとか。

 わが国でも男女七歳にして席を同じゅうせず、という「礼記」の教えが尊ばれたことはありますが、50センチ以内はダメって、先生はいつも50センチの定規を持ち歩いているのでしょうか。
 
 野暮ですねぇ。
 
 「好色一代男」の主人公、世之介は7歳で初体験を済ませ、生涯で3,000人以上の女性、700人以上の少年と褥を共にしたというのに。
 
 だいたい本当に付き合っている場合、えてして学校では素っ気なくふるまって、学校外で0センチ以下に近づいたりするものです。
 校則というからには、誰かが発案して、会議にかけて、印刷して周知したんでしょうねぇ。
 途中で誰かこれはおかしな校則だ、と言う先生なり事務員なりはいなかったんでしょうかねぇ。

 そういえば私が通っていた高校は男女比5:5の共学校でしたが、不純異性交遊は禁止という校則がありました。
 しかし手をつないでもダメということはなかったですね。
 数年に一人くらい妊娠して退学する女生徒が出るらしい、とは聞きましたが、私が在学中には出ませんでした。

 それと、月に一度くらい抜き打ちで持ち物検査がありましたが、男女問わず、必ず何人かはコンドームを持っていて、ちょうどエイズの脅威がささやかれ、コンドームの使用が奨励されていた時期だったため、先生も苦笑いするしかない、という状況でした。
 生徒も先生も誰もが知ってるけど知らないふりをしているカップルもいましたし、性への関心が高い時期でもありますから、妊娠しないかぎりは大目に見る、という粋なはからいがあったように思います。

 窮屈な校則に縛られ、縛られたなかでスリリングに違反を楽しむというのも、中高生の時期にしか味わえない醍醐味というものでしょう。
 先生だってかつてはそうして青春時代を過ごしてきたわけですから、生徒の考えなんてすべてお見通し。
 お見通しの上で、建前を教える意味で一応叱ったり、度が過ぎた場合には停学にしたりするのです。
 私が通っていた学校では酒、タバコはばれた場合おおむね一週間程度の停学が科され、これは大勢いましたね。

 ただし、暴力・妊娠・窃盗(万引きも含む)の3つは、どんな理由であれ無条件に即退学でした。
 暴力で退学になった友人がいましたが、これは相手から因縁をつけられた末の正当防衛とも過剰防衛ともとれるグレーゾーンだったため、職員会議で紛糾したようですが、原則に則って処分されました。
 
 上海の学校で50センチ以内に男女が近付いた場合、どういう処分が科されるんでしょうね。
 傷の手当てや貧血で倒れた生徒を助け起こす場合などは許されるんでしょうかね。
 もし許されるんだったら、次から次へと貧血で倒れてみてはいかがでしょうか。

礼記 (中国古典新書)
下見 隆雄
明徳出版社
好色一代男 (岩波文庫 黄 204-1)
横山 重
岩波書店
好色一代男 (まんがで読破)
井原 西鶴,バラエティアートワークス
イーストプレス

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